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【東京モーターショー詳報】マツダの車がすごいことになっている!魁CONCEPTのデザイン


今回の東京モーターショーでは、日本車の大攻勢を目の当たりにする。とりわけデザインの新しさには目をみはるものが多いが、その中でも大注目なのがマツダブースだ。ここではその圧巻のハッチバック、MAZDA 魁(KAI) CONCEPTに焦点を当ててみよう

今回の東京モータショーでマツダブースに向かうにあたり、やはり脳裏に蘇るのは、2015年のRX-VISIONの衝撃だった。常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当の前田育男氏は述懐する。


「あの時のことは忘れません。アンベールした時、その一瞬に大勢の人たちが見ているのに一瞬”しーん”と静まりかえったのです。ちょっと鳥肌が立ちましたね」




魂動デザインで一世を風靡したマツダだが、RX-VISIONの登場はその次の形のを鮮烈に示唆するものだった。あれから2年。この間、ややおとなしく見えたマツダだが、実はCX-5そして今回登場したCX-8にはRX-VISIONが示す新た方向性の要素が盛り込まれてきた。




ここまでくると、この2017年のコンセプトカーに期待しないわけがない。そして登場したのが、MAZDA VISION COUPEとMAZDA 魁(KAI) CONCEPTだった。4ドアクーペと5ドアハッチバックという、全く日常的なディメンションの元にありながら、その流麗さには目をみはる。明らかにX-VISIONから魂を分け与えられた、そんな生き物に見える。




ここでは、魁CONCEPTを手がけた土田康剛氏に話を伺った。その話をここで要約してみたい。



キャラクターのないボデイながら、光を纏うことで光芒がキャラクターを生み出す。

魁CONCEPTのデザインでポイントとなるのは、3点と見ていいだろう。スポーティなプロポーションの実現、リヤ周りの軽快さ。そして、キャラクターラインの消失だ。




まずはプロポーション。本来5ドアハッチバックといえば、生活の見える車だ。それはたくさんの荷物も積めるリヤゲートを中心としたフォルムに現れる。ここに生活感が見えるのだ。ところがこのモデルにはそれがない。デザインの重心をやや前よりに寄せて、車全体が前傾したスタイルとなり走りをイメージさせている。




ベースには、次世代プラットフォームであるSKYACTIVE-VEHICLE ARCHTECTURE、搭載されるエンジンは次世代ガソリンエンジンのSKYACTIV-Xという構成。




そしてリヤ周りの軽快さについては、これまでくさび形の形状から高くなりがちだったリヤセクションを、低く抑え込む、あるいは低く見せることで実現している。ここには、ほのかに入れられたルーフのラインもその印象を強めることに貢献している。そして前方から来る造形とCピラーのパワーバランスをリヤタイヤに向けることによって、リヤタイヤのに力のかかるどっしりとした佇まいを実現した。


そしてこれらの造形を生み出す全体の流れを生み出している基本的な造形が、キャラクターラインの消失と大きく関係している。


 

ドライバーにはクラシカルなメーターパネルを設置しながら、ワイドな液晶モニターのコンビネーションが特徴的だ。

これまで、魂動デザインとは強烈なキャラクターラインのデザインと見ることもできた。しかし、今回その造形が一切消された。ところが、キャラクターラインはまだ存在するという。それはボディのリフレクションの中にある。光を受けた時のハイライト、そして走行している時の光の流れだ。例えば、ターンテーブルの上の魁CONCEPTをじっくり見ていると、まるでキャラクターラインのように前から後ろに光が流れていく。またフロントフェンダーの上部で光芒が広がっては消える。




ボディサイドに至っては、その下部分で前から後ろに流れた光が、中腹で前に戻り下部で後ろに流れるというZ形状のキャラクターを示す。


これらはすべて計画されたもので、車はまさに走り出すことで命を与えられたかのように動く光を纏う。


土田氏によれば、この造形は2次元のスケッチからでは絶対に生まれなかったという。まず、理想的な光の動きを作りボディ面に模した造形をどう作ればその光が実現できるかをトライ&エラーで創り上げていったのだという。


 この造形は、まさにRX-VISIONから一歩進んだもの。そしてCX-5やCX-8ではキャラクターこそ存在するが、ボデイ下面に少し表現してきたものだという。




これまでと造形が絶対的に異なるのに、魁CONCEPTもまた一連の魂動デザインに見える。これは動くことによって見えるキャラクターが、たがわず魂動デザインを具現しているからなのだろう。こうして、魂動デザインは新たなフェーズに入ることになるのである。


 

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