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【東京モーターショーTECH】イケヤフォーミュラが開発するV型10エンジンと究極のロードゴーイングスポーツカー、


東京モーターショーに、真紅のスーパーカー然としたマシン(クルマというよりこの方が相応しい)が出展されている。イケヤフォーミュラが開発するIF-02RDSだ。「究極のロードゴーイングスポーツカー・その序章」という、このマシン。外観だけでなく、中身も注目すべき技術が詰まっている。

注目は、ナンバーがついていること。つまり、もう公道を走れるのだ!

イケヤフォーミュラが開発した画期的なシームレストランスミッション、IST。

イケヤフォーミュラは、「モータースポーツの世界から、路上へ」をコンセプトに開発・製造したIF-02RDSを展示した。「どこかで見たことある」と感じたとしたら2つの意味で事情通もしくは勘が鋭いと言える。




理由の1つはこのクルマ、まったくの新規出展ではない。2013年の東京モーターショーで展示されている。当時の技術的なハイライトは(いかにもスポーツカー然としたスタイリングもハイライトだが)、IST(Ikeya Seamless Transmission)と呼ぶシームレストランスミッションだった。DCTのような複雑な機構を必要とせず、駆動トルク切れのない変速を実現する。イケヤフォーミュラの発明品だ。

以後、4年の間にIF-02RDSは進化した。ホンダのK20A型2.0ℓ・直4エンジンをターボ過給したユニットを車両ミッドに搭載。IST(5速)と組み合わせて走行できるようにしたのである。さらに、ナンバープレートを取得して公道走行を可能にした。「モータースポーツの世界から、路上へ」のコンセプトは完結したことになる(が、実際は終わっておらず、新たなプロジェクトがスタートしている→後述します)。




「どこかで見たことある」その2の解答は、9月に開催されたフランクフルトモーターショーにある。このショーで注目を集めた和製電気スーパーカー、ASPARK OWLのスタイリングデザインは、IF-02RDSと同じデザインスタジオの手による。車両製作はイケヤフォーミュラが行なった。兄弟みたいなものだ。




展示車両には前述のとおり、量産エンジンベースの4気筒ターボが載っているが、まもなく、オリジナルのエンジンに置き換えられることになる。それが「新たなプロジェクト」で、4.0ℓ・V10エンジンを開発中だ。ブースには、エンジンとトランスミッションのモックアップが展示してあった。

将来的には、開発しているV10エンジンを搭載する予定だという。

IF-02RDS


SPECIFICATIONS


車両寸法:全長×全幅×全高:4660×1975×1080mm


ホイールベース:2750mm


車重:1150kg




エンジン


エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ


排気量:1998cc


過給:ターボチャージャー


最高出力:220〜260kW(推定)


トランスミッション:5,速IST


デファレンシャル:IKEYA LSD


サスペンション:F/Rダブルウィッシュボーン・コイル


タイヤ:F 275/30ZR19 R 335/30ZR20


ステアリング:イケヤフォーミュラ製ラック&ピニオン(電動アシスト付き)


ブレーキ:F/R APRacng

ホンダ、トヨタ、ヤマハ……日本のレーシングエンジンのノウハウが詰まっている。

展示車両には前述のとおり、量産エンジンベースの4気筒ターボが載っているが、まもなく、オリジナルのエンジンに置き換えられることになる。それが「新たなプロジェクト」で、4.0ℓ・V10エンジンを開発中だ。ブースには、エンジンとトランスミッションのモックアップが展示してあった。




IF-V10Eと名付けたV10エンジンを開発する理由は、「音」だ。「モータースポーツの世界から、路上へ」がこのクルマのコンセプトだが、それを具現化するにはスタイリングだけでは不十分で、エンジンの音も欠かせないというわけだ。その音は、3.5ℓ・V10時代のF1エンジンをイメージしている。すでに過去の音になって久しい、独特の高回転サウンドである。




サーキットならまだしも、公道を走るクルマがかつてのF1が発していたような大ボリュームのサウンドを撒き散らすわけにはいかないが、「それはね、いろいろ付けたり外したり、切り換えたり……」とイケヤフォーミュラの池谷信二代表取締役は温めているアイデアのヒントを話してくれた。




エンジンの設計・開発は、かつて3.5ℓ・V10の高回転F1エンジンを開発したことのある日本人技術者に依頼しているという。出力は450kWを見込んでいるが、絶対的な性能を追い求めたV10ユニットではない。欲しいのは、あくまでもF1の高回転サウンド。 10気筒なら等間隔爆発になる72度のVバンク角とするのがセオリーだが、見栄えを考えて90度を選択した。




オリジナルのエンジンを開発するなどコストのかかる大がかりなプロジェクトと考えがちだが、「それほどでもない」と池谷氏は言う。少なくともシリンダーブロックはアルミ合金ブロックから精密機械加工(いわゆる削り出し)で製作する予定で、鋳造で製作するより低コストで済む見込みだという。ポルシェがル・マンカーの919ハイブリッドに搭載する2.0ℓ・V4エンジンで採用している手法だ。




トランスミッションケースに内蔵するのはもちろんIST。ブースには機構説明用のISTのカットモデルが展示してあるが、IF-02RDSが搭載するのは、カットモデルのISTよりも全長が短いという。カットモデルは量産トランスミッションをベースにIST化したものだが、IF-02RDSが搭載するISTは専用設計のため、変速ギヤの歯幅やクラッチリングを薄くしている(高トルクに耐えるため、軸間は広くしている)。




順調に開発が進めば、次回のモーターショーを待たずに高回転V10サウンドを聴くことができそうだ。

IF-V10E


SPECIFICATIONS


エンジン形式:V型10気筒DOHC


バンク角:90度


排気量:4000cc


バルブ:吸気2/排気2


燃料供給:PFI


最高出力:450kW推定


トランスミッション:IST

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