2016〜2017年は、稀にみるフルモデルチェンジラッシュだったトラック業界。この背景には、平成28年排出ガス規制に適合させる必要があるからにほかならない。さらにはトラック・バス業界にはドライバーへの安全性に寄与する先進技術の波が押し寄せている。
日野自動車はこれまで、世界初の4軸低床トラック、インタークーラー付ターボエンジン、また日本初となるスケルトンバスなど、世界に先駆けた技術で、今は当たり前となっている革新的な商品を世に送り出している。世界初のハイブリッドバスを市販化。CO2排出による地球温暖化をいう課題に対して、積極的に取り組んでいる。さらに、その技術を生かして、トラック・バスにも電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車など、全方位の開発に取り組み、一部の車両については実用化させている。
今回の展示テーマは、「もっと、はたらくトラック・バス」。東京都や石川県ですでに営業運行している「日野ポンチョEV」(2012年からすでに限定販売)、14年ぶりにフルモデルチェンジした「プロフィア」、16年ぶりに中型トラックの「日野レンジャー」などずらりと展示した。
フルモデルチェンジを受けた新型トラックの2台は、安全性を重視している。前方の車両や歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキシステムや、車両ふらつき警報をはじめ多くの先進安全システムを標準装備した。これは大型・中型のトラックのみならず、小型トラックや観光バスにも搭載する。
また、低燃費を目的にエンジンのダウンサイジングや2段過給ターボを採用し、CO2排出量の低減に寄与する。
ますますクローズアップされる地球温暖化防止への対策について日野自動車の下義生社長は、「私たち自動車業界全体で取り組まなくてはならない大きな課題です。これまで以上に環境負荷を削減し、接続可能な社会の実現に貢献するために、そして、豊かで住みよい世界と未来を次の世代につなぐために。こうした思いで、私たちは昨日、『日野環境チャレンジ2050』を宣言いたしました。新車から排出されるCO2を2013年比で90%削減するほか、工場でのCO2排出ゼロなどに取り組んでいます。一方で、eコマースの拡大による深刻などドライバー不足を始め、物流も問題が叫ばれています。トラック・バスのリーディングカンパニーとして使命と誇りを持って、“人に優しく効率的な物流”や誰もがスムーズに移動できる社会の実現に向けて、一層の熱意を持って挑戦してまいります」と述べた。
もっと、世の中に役立つ存在になるために、日野らしいクルマづくりをさらに進化させ、トヨタグループのシナジーを最大限に生かした「もっと、はたらくトラック・バス」を目指していくという。