ついに開幕となった「第45回東京モーターショー2017」。日産ブースでは毎回恒例となりつつある、当日発表のサプライズモデルは、新開発のEV専用プラットフォームを採用した超高性能クロスオーバーEV「IMx」だった!
全長×全幅×全高=4,700×1,880×1,620mm、ホイールベース2,800mmのやや大柄なボディサイズにBピラーレス構造と観音開きドア、新開発の低重心・高剛性なEV専用プラットフォームによるフラットで広々とした室内を持つ「IMx」は、最高出力160kWのモーターを前後に搭載する4WDシステムを採用。
最大トルクは700Nmと、GT-Rをしのぐパフォーマンスを備えながら、ホイールベース間にフラットに配置される駆動用バッテリーを高密度化することで、600km以上もの航続距離を確保している。さらに、ワイヤレス給電システムをフロントに搭載し、充電の利便性を大幅に高めているのも見逃せないポイントだろう。
9つのレーダー、12個のカメラ、6つのレーザースキャナー、16個のソナー、AI(人工知能)を搭載し、360°センシングを可能にすることで、ドライバーが目視で認知しにくい死角にいる他社や歩行者、障害物などをより早く察知する進化型「エマージェンシーブレーキ」を実装。
さらに無人自動駐車の際は、車両とリアルタイムの道路形状・状況をオペレーターが監視する「シームレスオートノマスモビリティシステム」と組み合わせることで、無人運転時の事故発生リスクを極限まで低減させた。
前後ランプには近年の日産車に共通する、コの字型の導光チューブを内蔵した「ブーメランシグネチャーランプ」を採用し、さらにフロントグリル、ボンネット端部、ルーフレールにイルミネーションランプを搭載。走行モードが「プロパイロットドライブ」か「マニュアルドライブ」かを、他車や歩行者が一目見て認識できる「プロパイロットドライブモードインジケーション」を実装した。
枯山水をイメージしたというインテリアは、宙に浮いたようなデザインの4座シートを、流木のようなシルエットと木目の象嵌処理発光部を持つ広大な「木目ディスプレイ」が取り囲むことで、「中」と「外」とのつながりを感じさせる、日本古来の「和」に満ちた落ち着いた室内空間を構築している。
さらに、ジェスチャーおよび音声によるインターフェイスを積極的に用いることで、運転席まわりのスイッチ類を大幅に削減。表示機能を「木目ディスプレイ」に集約することで、極めてシンプルなインパネデザインを実現した。
ダイナミックなパフォーマンスと乗員がリラックスできる新しい空間を先進のテクノロジーで実現した、日産初のクロスオーバーEV「IMx」。このコンセプトカーに採用された新開発EV専用プラットフォームは2020年、完全自動運転技術は2022年に実用化される計画となっている。
新型リーフがほぼIDSコンセプトそのままの姿で2年の時を経て市販化されたことを考えると、このIMxも同様のスタイルを堅持したまま、全く新規のクロスオーバーEVとして2020年頃に発売される可能性は高い。