ソニーは、先進運転支援システム(ADAS)用途の前方センシングカメラ向けに、1/1.7型で業界最高解像度となる有効742万画素RCCCフィルター採用の積層型CMOSイメージセンサー『IMX324』を商品化し、2017年11月からサンプル出荷を開始する。
IMX324イメージセンサーは、従来比約3倍の水平解像度を持ち、遠方撮影では約160m先にある交通標識の高精細な撮像を実現する。さらに低照度の環境においては、感度をより高めるための画素加算モードの搭載により、高感度2666mVを実現し、月明かりに相当する暗さの夜間でも歩行者や障害物を撮像することが可能である。
また、夜間においてヘッドライトや街灯により明暗が混在する場面でも、暗い部分は高感度、明るい部分は高解像度で交互に撮像する機能を持たせ、後段の信号処理との組み合わせによる高精度な認識が可能となる。
加えて、画素部分と信号処理部分を重ね合わせた積層構造を車載カメラ向けイメージセンサーとして業界で初めて採用することにより、高解像度ながらも小型サイズと低消費電力を実現した。
なお、IMX324イメージセンサーは、米Intel社の子会社であるMobileye社(モービルアイ)が先進運転支援システム(ADAS)および自動運転技術に向けて開発中のイメージプロセッサー「EyeQ4」、「EyeQ5」と接続可能となる予定だ。
IMX324イメージセンサーは、自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」を2018年6月までに満たす予定。さらに、自動車向け機能安全規格「ISO26262」に準拠した開発プロセスを導入し、車載向けとしての機能安全要求を満たす設計品質を実現しており、故障検知・通知・制御などの機能安全要求レベル「ASIL B(D)」7に対応している。また、車載カメラ向けイメージセンサーとして業界で初めて6イメージセンサーから出力される画像の改ざんを防ぐセキュリティー機能を実装している。
主な特長
1.車載カメラ向け業界最高解像度742万画素
従来比約3倍の水平解像度を持ち、遠方撮影では約160m先にある交通標識の高精細な撮像を可能にする。
2.高感度2666mVを実現(標準値F5.6、画素加算モード時)
低照度環境における感度を高めるために、画素加算モードを搭載。IMX324イメージセンサーの画素加算モードは合計4画素の情報を加算し、1画素として処理することにより感度を高める読み出しモードだ。
画素加算モードとRCCCフィルターを採用することにより、高感度2666mVを実現し、月明かりの夜間に相当する低照度(0.1ルクス)でも、遠方の障害物や人物などを撮像することが可能だ。また、画素加算モードと全画素モードをフレームごとに切り替えることで、例えばヘッドライトが当たる明るい部分では高解像度、ヘッドライトが当たらない暗い部分では高感度での撮像ができ、後段の信号処理との組み合わせによる高精度な認識が可能となる。
低照度時(0.1ルクス)の比較サンプル画像
3.車載カメラ向けイメージセンサーとして業界初の積層構造による小型サイズと低消費電力
画素部分と信号処理部分を重ね合わせた積層構造を採用することにより、高解像度ながらも小型サイズと低消費電力を実現した。
4.車載用途として求められる品質・機能に対応
• 自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」を2018年6月までに満たす予定
• 自動車向け機能安全規格「ISO26262」に準拠した開発プロセスの導入により、車載向けとしての機能安全要求を満たす設計品質を実現
• 機能安全要求レベル「ASIL B(D)」に対応
• イメージセンサーから出力される画像の改ざんを防ぐセキュリティー機能を業界で初めて実装
主な仕様
型名:IMX324
有効画素数:3849(H)x1929(V)約742万画素
イメージサイズ:対角9.69mm(1/1.7型)
ユニットセルサイズ:2.25μm(H)x 2.25μm(V)
フレームレート 全画素読み出し:最大40fps
感度(標準値 F5.6、1/30秒蓄積):784mV(Clear Pixel)、2666mV(画素加算モード)
ダイナミックレンジ(EMVA1288規格):120dB
センサー飽和信号量(最小値):800mV
電源電圧
アナログ:2.9V
デジタル:1.1V
インターフェース:1.8V
インターフェース:MIPI CSI-2 シリアル出力(4lane/2lane)
パッケージ:108Pin Plastic BGA
パッケージサイズ:13.23mm x 8.97mm