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トヨタ自動車とAGC旭硝子が省エネ効果が高い新型ガラスシステム「上吊型ダブルスキンシステム」を共同開発


AGC旭硝子とトヨタ自動車は、ショールームなど建物のガラス構造において、気象条件に合わせてフレキシブルに開閉ができ、省エネ効果を高めるガラス「上吊型ダブルスキンシステム」の共同開発を開始すると発表した。

トヨタは、2015年に「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定し、人とクルマと自然が共生する社会を目指して、自動車はもとより生産工場や関連施設でのCO2排出量削減に向けた様々な取り組みを行なっている。その一環として、自動車販売会社のショールームに採用される「開閉型簡易ダブルスキン」をはじめ、「中小規模オフィス用局所分散型ダブルスキン」の採用を推し進めている。




ダブルスキンとは、建物外壁の一部、または全面をガラスで覆う建築手法で、外壁とガラスとの間にできた空間を各季節に応じて運転モードを切り替えることにより省エネルギー効果が期待できる空気調和技術。今回トヨタは、省エネ用リフォームガラス製品で実績を持つAGC旭硝子に、さらに環境負荷を低減する新しいダブルスキンの商品化構想を提案。気象条件に合わせてフレキシブルに開閉ができ、省エネ効果を高めるガラス「上吊型ダブルスキンシステム」の共同開発に至った。






上吊型ダブルスキンシステムの特長は、ガラス自体にはAGC旭硝子が自動車用ガラスとして開発した遮熱性能の高い「クールベール®」(IR&UVカットガラス)を採用。冷房時は、外壁のガラスと当製品の間の熱気をファンで排気することで冷房効率を向上。暖房時は、ダブルスキンの効果で流出する熱を減少させ、季節に応じた高い空調負荷削減効果を発揮する。




構造は、二段構成とし、上部には、より高い遮光・遮熱のためのシートなどを採用。下部には、視認性・遮熱性を考慮した「クールベール®」を採用。これらの組み合わせにて高い天井への対応が可能となる。




また、下部パネルに薄板ガラスを使用し軽量化を実現。従来のダブルスキンシステムに比べて約1/5の重量となり、大幅な軽量化が見込める。これにともない設置工事費用も大幅に削減を可能ということだ。




近年のオフィスビルでは、大サイズのガラスを多用しているビルが目立つが、夏季の冷房負荷の削減が重要課題となっている。これまでは夏季の暑さ対策としてロールスクリーンや遮熱フィルムを導入しているケースが多いが、ロールスクリーンは、日射しの遮蔽が十分ではなく、閉めた時の視認性が低下するなどの問題があった。上吊型ダブルスキンシステムは、必要のない場合にはカーテンのように収納が可能となるため、フレキシブルに開閉ができるのも魅力のひとつだ。




今後、製品仕様の決定、性能及び安全性の確認を行ない、自動車販売会社のショールームやオフィスビルなどを対象に2018年春からの発売を目指すという。

【ダウルスキンシステムについて】




室内の遮熱性能を高めるため、建物外壁をガラスで覆う建築手法。2層のガラススキンと中間層(キャビティ)から構成され、キャビティ内に多くの熱を吸収させて、外気導入により溜まった熱を排気。

【クールベール®について】




自動車のフロントガラス(合わせガラス)用で、中間膜に中赤外線※1(IR)カット剤を練り込み、太陽光線において人体に最もジリジリ感※2を感じさせる赤外線波長領域を約90%以上カット。さらに、日焼け・シミを引き起こすと言われている紫外線(UV)を約99%カットするガラス。




※1 中赤外線とは「波長が1500-2200mmの光」とAGC旭硝子にて定義したもの。


※2 ジリジリ感の評価はAGC旭硝子の研究・評価結果によるもの。

【薄板ガラスについて】




板ガラスなど広く一般的に使われているソーダ石灰ガラスよりも高い強度があり、薄くしても割れにくいのが特長。一般建築用途の他、太陽電池や照明機器などの軽量化に貢献する化学強化ガラス。

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