ホール8に見慣れないブランドのブースがあった。「WEY」と書いてある。WEYは、中国の長城汽車グループのプレミアムSUVブランドだ。今回はフランクルフルト初登場である。
ー中国のWEYのコンセプトカーです。
難波:あんまりまたこれも語るべきところが少ないんですね。WEYってブランドが「自分たちも世界の自動車の仲間入りした」というようなことを伝えたいんじゃないかなとは思うんですけど。
ーWEYは長城汽車のひとつのブランドです。
難波:そうらしいですね。いくつもブランドがあるっていうふうに言っていました。で、これはウェイってブランドだって、ボクも聞きました。そうですね。まあ、短い期間だったんでしょうけど、うまくそつなく、まとめてはあります。それぐらいなんですよね。あとは、量産車のテーマをそこそこ盛り込んでいるので一貫性は、ブランドとしての一貫性はあるとは思いますけど。それ以上特に、ないかな。
ー長城汽車といえば、かつては、北京や上海のショーで、いわゆる「コピー車」を堂々と出展していましたよ。トヨタ・ハイラックスサーフのコピーで「セーフ」とか。ほかにもたくさん、コピー車を作ってました。その長城汽車が、こういうレベルまで来たってことに、なんか感慨を覚えますね、僕は。2005年とか6年とかは、そういうメーカーでした。今回はいくつか中国の自動車メーカーが出てますけど、みんな悪くないですよね?
ところで、これは日本人のデザイナーが絡んでいるんですか。
難波:絡んでます。
ー誰だかは言えませんが?
難波:ええ。あとイタリア人のデザイナーが。元々の素案を作ったのは、イタリア人かもしれません。だけど、日本人のスタッフがずいぶんまとめたみたいですよ。テールランプ、あそこだけ出っ張ってる、あれは、バランス悪過ぎますよね。まったく悪過ぎますよね。ただ、後ろに描いてあるスケッチ通りですけどね。ええ。だから、まあ、あのスケッチがすごく魅力的だったんでしょう。って、思ったんじゃないですか。あれをこのまま作ろうよって話になったんだと思います。
ーでも、この角度から見ると変ですよね。やっぱりね。
難波:まあ、ちょっとね。おかしいな、とは思いますね。
ーーー必然性もないし。
難波:そうちょっと思いますけどね。でも、モデルは多分これだけ、外も中も一個一個のパーツ含めて、きちんとそつなくまとめるのは簡単じゃなかったと思います。
ー中もちゃんとしてますもんね。比較的。
難波:そうですね。はい。以上、で、す!
といって、話を終わらせた難波さん。でも、「WEYのプレスカンファレンスのビデオに出てきた長城汽車のCEO(魏 建軍さん)って、出過ぎだったよね」と言う。そうなのだ。プレスカンファレンスで話したのはドイツ人のCEOなのだが、ビデオに出てきた長城汽車の総帥・魏さんはまるでスターのようで、エンジン開発もデザイン開発もすべて「オレがやった!」とでも言うような感じだった。
WEYの担当者によると、現在は中国市場のみで展開しているブランドだが、19年には欧州市場にも参入する計画とのことだ。
次回は、またまた中国勢を取り上げる。CHERYである。