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ルネサスとコージェントが3Dサラウンドビューソリューションの開発で協業


ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)と車載用ソフトウェアのリーディングカンパニーであるCogent Embedded Inc.(以下コージェント)は、次世代の自動駐車システムに向けた3Dサラウンドビューソリューションの開発で協業することを発表した。

車載情報・ADAS用SoC(System on Chip)の「R-Car V3M」

新ソリューションは、低消費電力な車載情報・ADAS用SoC(System on Chip)「R-Car V3M」と、コージェントの3Dサラウンドビューソフトウェアで構成されている。R-Car V3Mに内蔵されるひずみ補正ユニットであるIMR(Image rendering Unit)とコージェントのソフトウェアとにより、GPU(Graphics Processing Unit)なしでも、低消費電力で普及帯価格の3Dサラウンドビューの実現が可能となるため、エントリークラスまたはミドルクラスのクルマへ、3Dサラウンドビューシステムの搭載が容易になる。




また、コージェントのソフトウェアのカスタマイズサービスを用いることでユーザーは、自社の製品の差異化に専念した効率の良い開発が可能になる。




新ソリューションは、SoCはルネサスから、またソフトウェアはコージェントから、今年12月より提供予定だ。




なおルネサスは、本年9月19日から20日にベルギー・ブリュッセルで開催される「AutoSens 2017」へ出展し(ブース番号:9)、3Dサラウンドビューソリューションのデモを披露する。 




ルネサスの執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部 副事業本部長である吉岡 真一は次のように述べた。




「コージェントはルネサスのR-Carを活用した車載インフォテイメント向けの開発でも豊富な実績があり、ソフトウェアの性能を十分に引き出すシステム開発に優れた会社です。ルネサスと、ソフトウェア開発のエキスパートであるコージェントによる低消費電力で低コストなシステム開発を実現する新ソリューションは、これらニーズに応えるものであり、次世代のサラウンドビューシステム、そして自動運転市場の成長に寄与することができるでしょう」


 


コージェントの社長であるアルテミ・イヴァノフは次のようにコメントした。




「我々はルネサスとの協業を非常に喜んでいます。ルネサスのR-Car V3Mは、3Dサラウンドビューのみならず歩行者検知、横断歩道の警告、レーントラッキングといった我々が提案する最先端の認識技術にも対応しており、エントリークラスからミドルクラスのシステムでも効率良く動かせる一連の機能を有しています。低消費電力かつコストに優れるR-Car V3Mとロイヤリティ無料の当社ソフトウェアを採用すれば、自動車メーカーは低価格帯のクルマにサラウンドビュー機能を搭載できるようになるでしょう。我々は今回の協業により、サラウンドビューシステムをすべての新車への標準搭載を実現できると信じ、新ソリューションにより貢献できることを誇りに思います」


 


R-Car V3Mは、オープンかつ革新的、そして信頼をコミットするADAS・自動運転に向けたプラットフォーム「Renesas autonomy」のソリューション群のひとつである。このオープンなプラットフォームの提供によりルネサスは、セキュアなクラウドへの接続、センシングから判断・制御まで次世代車両アーキテクチャに求められるソリューションをトータルで提供可能な唯一の車載用半導体サプライヤーとなっている。


 


今回開発した3Dサラウンドビューソリューションの特長は以下のとおりだ。

1) カスタマイズが可能な3Dサラウンドビューソフトウェア


新3Dサラウンドビューソリューションは、現在、車載業界で実績があり高い評価を受けているコージェントによる3Dサラウンドビューソフトウェアをもとに、R-Car V3M向けに最適化されたものとなっている。また、ユーザによる高度なカスタマイズが可能であり、コージェントによる受託開発も可能。


 


(2) 低消費電力なR-Car V3Mにより3Dサラウンドビューシステムから自動駐車システムへの発展が可能


R-Car V3Mは低消費電力を実現する専用のひずみ補正ユニットであるIMRを内蔵しているため、GPUを用いずに低消費電力ながら、リアルタイムな360度サラウンドビュー機能を実現可能、視点を自由に変えることができる。R-Car V3Mは画像の絵づくりや認識処理向けにセンサー信号の変換処理を行なうISP(Image signal processor:画像センサー信号処理エンジン)を搭載。ISPを搭載しない廉価なカメラを用いてシステムを構成することでBOM(bill-of-materials)コストの低減が可能。さらに専用の画像認識エンジンであるIMP-X5を搭載しているため駐車枠や歩行者、障害物検知などの認識機能も有する。これらの機能によりユーザは、3Dサラウンドビューシステムだけでなく自動駐車システムへの発展が可能。
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