三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下MFTBC)は、14日ニューヨーク市において、電気小型トラック「eCanter」を世界市場へ向けて発表した。「eCanter」は、世界で初めて量産される電気トラックである。2017年度より米国、欧州、日本の顧客向けに納入を開始する。MFTBCは今後2年間でさらに500台の販売を計画しており、2019年から一般向けに量産を開始する。
アメリカ市場での「eCanter」について
米国において、UPS社(ユナイテッド・パーセル・サービス社、本社:アメリカ)に最初の「eCanter」を納入する。UPS社では、持続可能な社会の実現を目指し、保有車両をゼロ・エミッショントラックに移行していく予定である。
「持続可能で革新的なソリューションを実現する技術に着目することは、当社のDNAの一部です。電気トラックはそのような技術のひとつであり、当社がすでに保有している8500台以上の代替ドライブトレーンと同じくクリーンでかつ低騒音な環境を提供してくれるでしょう。UPS社はダイムラーと長年にわたり強固な関係を築いており、電気トラックの利点を追求する機会を持てることを光栄に思います」(UPS社、Global Fleet Maintenance &Engineering 役員カールトン・ローズ氏)
また、ニューヨーク州検事総長エリック・シュナイダーマン氏の協力により、8台の「eCanter」を、ニューヨーク市に拠点を置く4つの非営利団体(野生生物保護協会、ニューヨーク植物園、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ニューヨーク、ビッグ・リユーズ・ブルックリン)に提供する予定だ。
この発表を祝して、MFTBCはニューヨーク市のイーストビレッジに「エナジー・ステーション・オブ・ザ・フューチャー」という施設を期間限定で開設した。「eCanter」によって、ニューヨーク市やその他の都市部における日常の配送事業を、よりクリーンでかつ静かなものにできることを証明する。
量産までの過程
2010年9月 「キャンターE-CELL」(プロトタイプ)IAA 2010に初出展
2011年12月 「キャンターE-CELL」(プロトタイプ) 東京モーターショー2011年に出展
2013年6月 「キャンターE-CELL」(プロトタイプ) 第二世代を発表
「キャンターE-CELL」(プロトタイプ) NEXCO中日本様に実用共試
2014年7月 「キャンターE-CELL」(プロトタイプ) ポルトガルにて実用共試
2016年4月 「キャンターE-CELL」(プロトタイプ) ドイツにて実用共試
2016年9月 「eCanter」(プロトタイプ) IAA 2016にて世界初公開
2017年5月 川崎工場にトラック用急速充電設備「EVパワーチャージャー」開設
2017年7月 川崎工場にて「eCanter」(量産型)生産開始
トラマガル工場(ポルトガル)にて「eCant