スズキがグローバルでは3代目、日本国内では4代目となるBセグメントのホットハッチ・新型「スイフトスポーツ」を、9月12日から開催されたフランクフルトモーターショーで世界初公開。そして日本でもほぼ同時に正式発表した!(写真:平野陽、スズキ)
エンジンは2代目ZC31S型、3代目ZC32S型に搭載されていたM16A型1.6L直4NAから、7月26日に日本で発売されたばかりのエスクード1.4ターボに採用されたK14C型1.4L直4直噴ターボに変更。さらに、エスクード用がフラットなトルク特性なのに対し、スイフトスポーツ用は1,500rpm付近から約220Nmものトルクを立ち上げた後、さらにもう一段階トルクアップさせる特性を与えることで、最大トルクを先代スイフトスポーツの160Nmはもちろん、エスクード1.4ターボの210Nmをもしのぐ、230Nmを2,500~3,500rpmで叩き出すに至っている。
最高出力は140psと、先代スイフトスポーツおよびエスクード1.4ターボより4psのアップに留まっているが、その発生回転数は先代スイフトスポーツの6,900rpmから5,500rpmへと大幅に下げられた。
さらに、低・中負荷域にウェイストゲートバルブを閉め、タービン回転数を高く保つノーマルクローズ制御を用いることで、アクセル全閉から全開での過給応答性を2,000rpm時で0.17秒短縮。サブマフラーを先代のシングルからデュアルに変更するなどの構造・容量変更により、排気音量がエンジン回転数に対してリニアに立ち上がるよう改良されている。
ボディ下部にカーボン調シボ入りスポイラーが装着され精悍さが増したエクステリアは、5ナンバーサイズに留められた標準車に対しフェンダーの張り出し量を増やすことで全幅を40mm、前後トレッドを30mmアップし、全幅1735mmの3ナンバーボディに成長。フロントノーズは開口部を拡大しつつ伸ばし、リヤバンパーもボリュームアップすることで全長を50mm延長。旋回性能と直進安定性を向上させながら、よりロー&ワイドなフォルムを形成した。
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ボディカラーはスイフトスポーツ伝統の専用色としてチャンピオンイエロー4を設定するほか、バーニングレッドパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、スーパーブラックパールの計6色をラインアップしている。
ボディは標準車と同様に、980MPa級のものを重量比17%、先代の3倍におよぶ割合で採用するなど超高張力鋼板を多用しつつ、骨格のつながりをスムーズにした新プラットフォーム「ハーテクト」を採用。さらに内外装やパワートレイン、シャシーに至るまで徹底的に重量が削減されたことで、先代スイフトスポーツに対し70kg軽量化。車重を6速MT車で970kg、6速AT車で990kgにまで減量した。
新型スイフトスポーツではさらに、リヤドア開口部上部およびテールゲート開口部下側左右に合計12点のスポット溶接打点を追加して、ボディのしっかり感を体感できるレベルで高めている。
「ハーテクト」採用に伴い新型スイフトではサスペンションも刷新されたが、スイフトスポーツではさらに、下記の通り細部に至るまで改良が加えられている。その結果、先代スイフトスポーツよりもロール角が約5%減少し、ステアリング操作に対する旋回応答性が約10%高められた。
【フロント・ストラット式サスペンション】
・専用ハブベアリング…旋回時のサスペンション全体の曲げ剛性を15%アップ
・モンロー製ストラット…アウター径を標準車の45mmから50mmにアップしストラット曲げ剛性をアップ
・コイルスプリング…バネ定数を標準車に対し33%アップ
・スタビライザー…バネ定数を標準車に対し50%アップ
・スタビライザーマウント…テフロンシート追加
・スタビライザージョイントバー…線径アップ
【リヤ・トーションビーム式サスペンション】
・専用トーションビーム…ねじり剛性を標準車に対し30%アップ
・専用トレーリングアーム…スイフトスポーツ専用形状の採用により、先代スイフトスポーツに対しトー剛性を約1.4倍、キャンバー剛性を約3倍にアップ
・モンロー製ダンパー…バルブ構造を見直してスムーズに減衰力を効かせることで、ロール時の姿勢変化をスムーズにしつつ接地性をアップ
・コイルスプリング…バネ定数を標準車に対し30%アップ
ブレーキはフロントのディスクが先代スイフトスポーツの272×22mmから285×24mmにアップし、耐フェード性が向上。キャリパーも大型化・高剛性化されたことでキャリパー有効径が116.5mmから123mmに拡大し、制動力強化とともに剛性感のあるペダルフィーリングを与えている。