前後輪外したら、ラゲッジにロードバイク逆さ積み可能な5ナンバーサイズのコンパクトSUV
TOYOTA/RAIZE
トヨタ/ライズ
クルマを購入する時、その使用目的によって、人それぞれ判断基準があると思うけれど、超個人的、私の場合は「ラゲッジにロードバイクが積めるか?」というのが物差しになっている。ロードバイクを積んでどこか遠くへ行くというのが趣味だったりするので。趣味ついでに言うと、コンガ2本とか楽器も積載したいアイテムのひとつだ。
でもよくよく考えてみると、クルマ買う時に実際に積載するものをディーラーに持ち込んで積載可能か検証するなんて、なかなかしないんじゃないか? なので試乗した感想はもちろんのこと、実際に積み込むものを取り揃えて、気になるクルマに積み込んでみることにした。
いま気になるクルマはトヨタのライズだ。なぜ気になるかというと、コンパクトなくせに荷物がやたらと積めそう というイメージだからだ。トヨタからは新型SUVとしてヤリスクロスが発売されたばかりだが、ライズは2019年11月にトヨタで最小の5ナンバーSUVとして登場した。ダイハツのロッキーとは兄弟車。「SUVに乗りたい、荷物をたくさん積みたい、でも運転しやすいコンパクトなサイズ」のキャッチフレーズどおり、全長4m以下の5ナンバーサイズ。そりゃ 大いに気になるでしょ。
で、借り出した広報車両は最上位グレードZの2WD。ライズは、上級グレードからZ/G/X“S”/Sの4グレード体系で、それぞれ2WDと4WDがある。エンジンは1L直列3気筒ターボの一択。カタログ上の燃費はJC08モードでは23.4km/L(2WD)、WLTCモードでは市街地〜郊外の平均で18.6km/L(2WD)だ。ホイールはZが17インチで他は16インチ。ただしPCDは100の4穴なのでインチアップしようと思うとなかなか選択肢がないかもだ。
さてクルマをピックアップしての第一印象はコンパクトだけれど、確かにいろいろと物を積めそう。さすがに大人5人フル乗車はキツいかもしれないけれど、4人なら余裕で座れるかも。さて試乗車に乗り込み、いろいろと確認。最近のトヨタ車はディスプレイオーディオがデフォルトになっているようで、広報車も同様。スマートフォンが予め用意されていたけれど、取りあえず自分のスマホにチェンジしてセットしてみた。細かい操作は良く分からないけれど、取りあえずはアップルカープレイに繋がってナビはなんとか。だけれどこれ私のような年配者には、どう考えても使威こなす自信は無い。
さてセットもなんとか終了しいざ出発だ。で、アクセルをチョコンと踏んだ瞬間、走り出しの軽さに驚いた。ターボ車とはいえ1Lエンジンだということもあって、そこまでのキビキビ感は期待していなかっただけに、良い意味で期待を裏切られた感じだった。ストップ&ゴーが多い街中での走りに、このキビキビ感は嬉しいぞ。
足回りについては、わりと柔らかめ、というかストローク感が心地良い。まあハリアーのような「剛性感のある」という感じではないが、動き俊敏な若者 といった感じか(どんな感じ!?)だ。実際にこのクルマに大人3〜4人乗ったらどんな走りのフィーリングに変化するのか、今回は残念ながら出来なかったけれど、いつか試してみたい。ちなみに助手席に乗ってもらって2人情車でドライブした感じは、1人で乗っているときと変わりは全くなかった。
そもそも、ライズのカタログを見ると、夫婦+子供3人乗って、キャンプ行ったりという絵柄。いくら荷物がたくさん積めそうとは感じても、リアシート倒さずに5人で行くキャンプ道具が実際に入るのかな? という素朴な疑問もあった。そこでどのくらい積めるのかを試してみようとというのも今回のテーマ。まあ5人で行くキャンプ道具を揃えるのはちょっと難しかったので、実際に積んでみたのは、私のロードバイクと、5〜6人用のテント&シート&タープ等々。
結論から言うと「ライズってなんて荷物がたくさん積めるの、しかもリアシート倒さないで」 正直驚いた。リアラゲッジの開口部の広さと荷室高のおかげなんだけれど、これが良く出来ている。ライズのラゲッジはデッキボードが2段階でセットできて荷室の高さが調整出来るようになっている。またデッキボード下にも収納スペースがある。前・後輪を外したロードバイクをシートを下げずに逆さ積み出来たのは、まさにこのデッキボードが2段階になっていて荷室高を変えられたからだ。
また、キャンプ道具を同時に積み込む時にも、デッキボード下の収納が役に立った。狭いスペースをどれだけ有効に使えるか? ライズはコンパクトなのにその懐の深さに驚かされたクルマだ。
ライズは全長4m以下、5ナンバーサイズのトヨタのスモールSUV。ダイハツのロッキーとは兄弟車。1〜6月の新車販売台数5万8492台と堂々1位。7月8月もヤリスに次いで2位と絶好調だ。借り出した広報車両はお洒落なターコイズブルーマイカメタリックとブラックマイカメタリックの2トーン仕様。グレードは最上位のZ。メーカーオプションのブラインドスポットモニターやディーラーオプションのドライブレコーダー等を装備すると価格は244万4450円(税込)だ。首都高の飯田橋〜三軒茶屋往復と下道で実際に走った距離は118km。燃費はリッター10kmだった。
最近のトヨタ車にしては、割りとシンプルに感じられるデザイン。またボクシーなつくりは、モノをたくさん積むといった実用面で威力を発揮している。カタログでは5人家族がライズを使い・遊び倒す設定だが、ホント、転しやすい&使いやすいサイズ設定と、積載力、そして価格、まさに家族のパートナーにふさわしい使える道具だ。
ラゲッジはフロアのデッキボードを2段階に高さ調整できる。写真は下段にセットした状態。荷室の幅は1,000mm、長さは755mm。荷室容量は369L、フロアからルーフまでの荷室高は865mmとなる。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部_赤嶺文昭]