「いいクルマ」の定義は難しい。
人によってクルマに求める要件は異なるし、その要件によって「良し悪し」が簡単にひっくりかえってしまうからだ。
たとえば、ある人は「軽量で運動性能が高いクルマ」を求めているとしよう。
その場合、積載性や乗員の数を基準にクルマの良し悪しを判断することはまずないだろう。二人乗りで、荷室も削った軽量なスポーツカーがその人にとってはきっと「いいクルマ」であるはずだ。
だが、別の人は「家族4人でキャンプに行けるクルマ」を探しているかもしれない。その場合は背が高くて大きく、荷物も人も載るクルマが求められることになり、上の例で良いとされた「軽量なスポーツカー」は選択肢としては外れることになる。
それでも、ちゃんと作っているかどうかはどのクルマでも共通した見分け方がある
上述のように、用途によっては、同じクルマであっても「いいクルマ」になることもあれば、その逆にもなりうる。だから、ボクはイキナリ「どのクルマがいいんですかね?」と聞かれても返答に困ってしまう。その人が、クルマになにを求めているのかがわからないからだ。
しかし、「どのクルマがいいクルマ」なのかを答えることができなくとも、クルマのどこを見ればお金がかかっているか、は判断できる。
ここではそういった例を見てみよう。
1.ドアのヒンジ
これは外観からは判断できず、ドアを開かねばわからない。
だがボクは、ドアを開いたときに見える、ボディとドアとをつなぐ「ヒンジ」に注目する。画像のように、ここがゴツいブロックのようなもので出来ていればOKだが、金属の板を折り曲げただけのようなヒンジだと「ちょっと悲しい」。
これはドアを支えるのに重要なパーツであり、貧弱なパーツだとドアを支えることができない。にもかかわらず貧弱なパーツを使用しているということは、ドアが軽いということにもなり、つまりドアが「潰れやすい」=「安全性が低い」ということも繋がりかねない。
2.サスペンションアーム
コンパクトカーやミニバンならいざしらずだが、スポーツカーやサルーン、乗り心地を重視したSUVだと、この部分は「アルミ製」が好ましいと考えている。