琵琶湖畔に立つ滋賀県立のオペラハウスびわ湖ホールは、新国立劇場とならぶ設備をもつ我が国屈指のオペラハウスです。その設備もさることながら、ホワイエからはびわ湖が一望でき、「オペラを観る=演目だけを鑑賞する」という以上に「余暇の楽しみとしての価値」を訪れた人に感じさせるホールという点では、国立のオペラパレス(新国立劇場の呼称)を上回るといってもよいでしょう。さらに、開館以来、ホールとしてのメッセージ性を感じる演目や企画で、オペラハウスの運営という点でも注目すべきホールとして、ファンとしては見過ごすこともできないのです。
びわ湖ホールでぜひとも「クルマでオペラ」を
また滋賀県という地理的な立地は、関西圏はもとより、新東名が整備され、伊勢湾岸道〜新名神を抜けてアクセスが可能であるという点で実は自動車でのアクセスが近年格段に向上しているという点を、私としてはぜひとも強調しておきたいのです。日本海からもアクセスがよく、京阪神エリアからもほど近い上に、びわ湖を抱える県内の名産を地産地消でもてなす風土や歴史的な町並み、風土が自然に生活に溶け込んでいる点は、お隣京都とは違った風情があるものです。とはいえ京都から近い大津などは、パーク&ライドで京阪を利用しての京都をはじめとした関西エリアの観光の拠点としても有効であるなど、クルマで出かける価値のある場所として、実はここ数年、毎年春はびわ湖ホールでのオペラを楽しみにクルマで出かけているのです。
メルセデス・ベンツ日本様のご厚意で、ML350ブルーテックをお借りし、びわ湖ホールにヴェルディの歌劇「オテロ」を観てきましたので、その「オペラ」と「クルマ」の感想をここにまとめておきたいと思います。
びわ湖ホールプロデュースオペラシリーズ「オテロ」を観る
毎回壮大なスケールをで楽しませてくれる「びわ湖ホールプロデュースオペラ」シリーズ。ヴェルディの晩年の作品で、シェイクスピアの戯曲をオペラにした「オテロ」が取り上げられていました。この作品のあとは「ファルスタッフ」残すのみというだけあって、派手なアリアなどは少ないものの、シェイクスピアをオペラにさせたら右に出るものはない、とさえ思わせるジュゼッペ・ヴェルディの誇りを感じる、というよりも、何か憑依でもしているのではないか、そんなある種の自然にオペラ化されているかのような雰囲気を感じました。