いま、所有しているクルマを購入するとき「このクルマは一生乗る!」または「このクルマは必ず10年乗る!」と決めて…あるいはそう周囲に宣言して契約書にハンコを押した方、意外と多いのではないでしょうか。しかし、このときの思いを貫き通し、1台のクルマと長く付き合う…。それが想像以上にハードルが高いことは、1度でもクルマを所有した方であればご理解いただけるのではないかと思います。
今回は、82才になったいまでも、当時、新車で手に入れたメルセデス・ベンツ560SEL(V126)を、27年ものあいだ大切に所有しているオーナーさんをご紹介いたします。
── オーナー紹介&どんな仕事をされてきたのですか?
若いときに2年半ほどサラリーマン生活をしました。3000人受けて5人くらいしか入社できないような狭き門の会社だったのですが、体調を崩したことを機に退職を決意し、半年くらい無職だった時期もありました。
その後、一念発起して建設業を起業。立ち上げた会社を軌道に乗せるため、行政関係の案件や、名門ゴルフクラブの造成工事など、未経験だった仕事にも果敢にチャレンジし、毎日必死に働きました。
── 現在の愛車を手に入れたきっかけを教えてください
実は、このメルセデス・ベンツは人生初となったドイツ車なんです。初めての輸入車はマーキュリー クーガーでした。まだ輸入車自体が少ない時代に手に入れたアメ車です。しかし、故障が多く、半年くらいで手放しました。それからフォード サンダーバード、リンカーン コンチネンタル マークIVと乗り継ぎ、国産車を2台挟んで手に入れたのが、このメルセデス・ベンツ560SEL(V126)の最終型です。