独自動車大手のダイムラーは11月20日、軽商用車部門のメルセデスベンツ・バンが販売する商用バンを電動化する計画を発表した。中型バン「ヴィトー」の電動モデル「eヴィトー」は直ちに受注を開始する。出荷は2018年下半期を予定している。2019年には「eスプリンター」を市場投入し、続いて「シタン」の電動モデルも発売する計画。また、顧客ニーズへの対応を強化し、充電インフラの整備や保守管理などを含めた総合的なサービスを提供していく。
商用バンは、手工業、配送業務、旅客輸送など、投入分野によって使用状況や保有車両の規模などが異なる。メルセデスベンツ・バンはこのような状況に配慮し、調達コストや稼働コストなどの費用面だけでなく、充電インフラの整備や、走行ルートの最適化、電動バンのドライバーの運転教習、車両が不足した場合のレンタルサービスなど、総合的なサービスや保守マネジメントを提供する。
メルセデスベンツ・バンは3月、独物流大手ヘルメスから市内配送に使用する電動商用バン1,500台を受注したと発表した。配送業務に適した車両の仕様変更に対応するほか、車載電池の残量や航続距離に応じて走行ルートを最適化するなどのコネクテッドカーサービスの提供も計画している。2018年初めにハンブルクとシュツットガルトでパイロットプロジェクトを開始する計画で、ヘルメスはドイツ国内で2020年末までに電動商用バン1,500台を導入する。
■航続距離は約150km
「eヴィトー」のドイツ市場での販売価格は3万9,990ユーロ(付加価値税を除く)。同モデルは、容量41.4kWhの車載充電池を搭載し、1回のフル充電で約150キロメートルを走行することができる。フル充電にかかる時間は約6時間。電気モーターの出力は84kW、最大トルクは300Nm。最高速度は、時速120キロメートルだが、市街地では時速80キロメートルを選択してエネルギー消費を抑えることができる。
また、ホイールベースは5,140mmと5,370mmの2種類がある。積載容量は最大6.6立法メートルで積載重量は最大1,073キログラムとなっている。
[提供元/FBC Business Consulting GmbH]