ホンダのかつてのフラッグシップモデルであった上級セダン「レジェンド」。レジェンドは2021年で生産を終了しており、現在は新車では手に入らないモデルです。
レジェンドはどのようなモデルであったのか、また歴代モデルの特徴や中古車市場の相場についてご紹介します。
- 「レジェンド」は、ホンダのフラッグシップモデルであり続けた1台
- ホンダ「レジェンド」には、大きく分けて5つの歴代モデルがある
- ホンダ「レジェンド」は、中古車市場でも見つけにくい
ホンダ「レジェンド」の特色3選
レジェンドは魅力の多いセダンですが、ここでは特徴を3つに絞って解説します。
特色1:ホンダが世界に誇るフラッグシップセダン
レジェンドはホンダのフラッグシップとなるべく開発された1台で、1985年に登場した初代モデルから最終モデルまで、その位置付けは変わっていません。
北米市場においてはホンダの上級ブランドである「アキュラ」から販売されていました。
メーカーやブランドを象徴するモデルであるために、常に最新鋭の技術が導入され、歴代においてその時々のホンダの技術の粋を感じられるモデルであるといえます。
特色2:伝統的にV6エンジンを搭載
レジェンドは、初代モデルから一貫してV6気筒エンジンを搭載しているのも特徴のひとつです。
排気量やレイアウトは世代によって異なるものの、初代から最終モデルまでこれは変わりません。
なお、ホンダのモデルでV6エンジンを搭載していたのはミニバンのエリュシオンやオデッセイ、セダンのインスパイア、ステーションワゴンのアヴァンシアなどであり、いずれも高級モデルです。
ここに挙げたモデルの中で現在も日本国内で販売されているのはオデッセイのみですが、現行のオデッセイは2.0L直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド専用車になっており、レジェンドを含め新車で手に入るV6気筒エンジン搭載モデルはありません。
特色3:その時代の最先端の安全装備を搭載
メーカーを代表するモデルであることから、走行性能だけでなく快適装備や安全装備においても最新鋭の技術が惜しみなく投入されているのもレジェンドの魅力といえます。
最終モデルでは、最新鋭の先進安全技術を採用した「Honda SENSING Elite」搭載モデルもラインナップされました。
「Honda SENSING Elite」には、高速道路などの自動車専用道路において一定の条件を満たすと、ドライバーがステアリングから手を離した状態でもシステムが運転操作を支援する機能が搭載されたことで話題になりました。
ホンダ「レジェンド」の旧型モデル一覧
レジェンドは歴史が長いモデルであり、5世代に大きく分けられます。それぞれの特徴について、ご紹介します。
最終モデルとなったKC2型(2015~2022年モデル)
最終モデルとなったKC2型では、レジェンドとして初めてハイブリッドシステムを採用したのがトピックです。北米市場ではガソリンモデルもラインナップされましたが、日本ではハイブリッドモデルのみの展開となりました。
今ではおなじみとなったホンダの運転支援システム「Honda SENSING」が搭載され始めたのもこの最終モデルからです。2021年3月には、自動運転レベル3に適合する運転支援機能を搭載したモデルも追加されました。
複数の賞を受賞したKB1/2型(2004~2012年モデル)
「新次元のドライビング体験」をコンセプトに開発された4代目。世界初の四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive)」を採用。さらに新開発のシャシー、軽量化されたボディなどによって走行性能を大幅に引き上げています。
このSH-AWDは専門家からも高く評価され、2005年次 RJCテクノロジー・オブ・ザ・イヤーや、2004-2005日本カー・オブ・ザ・イヤーおよび特別賞MOST ADVANCED TECHNOLOGYを受賞しています。
4ドアセダンのみのラインナップになったKA9型(1996~2004年モデル)
3代目となるKA9型はセダンモデルの正常進化といえるモデルで、エンジンは3.5LV6エンジンになりましたがメカニズム部分に関してはエンジン以外に特筆すべき変更はありません。
先代モデルまで設定があったクーペが廃止となり、この3代目以降4ドアセダンのみとなります。
1998年のマイナーチェンジではディスチャージヘッドランプを採用、2003年の最終モデルではイモビライザーやセキュリティアラームが搭載されました。
エンジンをFFミッドシップ縦置きに変更したKA7/8型(1990~1996年モデル)
2代目モデルではさらに排気量がアップした新開発の3.2LV6エンジンを搭載。また、エンジンレイアウトをそれまでの横置きからFFミッドシップ縦置きにして理想的な前後重量配分を実現し、走行安定性を高めました。
さらに日本、欧米諸国の安全基準をすべてクリアすることに加え、ホンダ独自の安全要件を加えた世界同一規格のボディ構造とするなど、安全性を追求しているのもこの世代の特徴といえます。
当時としては最先端の装備「ホンダナビゲーションシステム」も設定されました。
フラッグシップモデルとして誕生したKA1/2/3/4/5/6型 (1985~1990年モデル)
ホンダの自動車ラインナップの頂点を自負しうるモデルを誕生させることを目的として、開発されたのがレジェンドです。
当時、新開発された軽量で高性能な2.5LV6エンジンと2.0LV6エンジンを採用。デビュー当初は4ドアセダンのみでしたが、デビューの2年後には2ドア・ハードトップがラインナップに加わります。
さらに1987年に実施されたマイナーチェンジでは、国産車で初めてSRSエアバッグシステム装着車を設定。2.5L4ドアセダンのエンジンは2.7Lエンジンに換装され、より余裕のある走りを実現しました。
ホンダ「レジェンド」の中古車相場
レジェンドの最終世代の中古車市場の相場は、以下のとおりです。
2015年式:160~280万円程度
2018年式:380~480万円程度
2021年式(最終モデル):520万円~
※2024年6月14日時点の情報
「レジェンド」は、ホンダの技術が詰め込まれた最高モデル
レジェンドは、かつてのホンダのフラッグシップモデルだけあってかなり高額なモデルですが、V6エンジンを搭載するなど、車好きにとって魅力の大きい1台です。
一般的なファミリーカーほどの流通台数がなく、中古車市場でもそれほど選択肢が豊富なわけではないため、購入を希望する場合はこまめに市場の動向をチェックしておきましょう。
※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています