横浜市内の路線バスを運行する「横浜市営交通局」を訪問
ミナトヨコハマの公営交通は2021年に創業100周年を迎えるが、市営バスは1928年に運行を開始、1970年代初頭の市電の廃止に伴い路線網を拡大し、1972年以降は市営地下鉄開通により、地下鉄に対する路線のフィーダー化などを進めてきた。だが2000年代に入り採算性が大きく悪化し、2007年度には不採算路線を民間に移譲するなどの大幅な路線再編~経営再建を進め、「改善型公営企業への転換」として、他都市に見られる事業全体の民営化を行うことなく再建を果たした。その後も市の施策と連携して交通不便地域への展開などを進める。ただし現在はコロナ禍の影響を強く受けている。
市内の湾岸エリアのうち、横浜駅~みなとみらい21地区、山下公園・中華街などにかけては首都圏有数の観光地として知られるが、このエリアには2000年代から、「あかいくつ」など観光路線を開設、最近は新港ふ頭の施設のオープンに伴う新路線や、連節バスによる「ベイサイドブルー」を開設した。子会社に横浜交通開発があり、交通局から2営業所を受託するとともに自社運行の数路線を持つ。
車両は844台を擁し、10営業所に配置。2004年度以降は競争入札により車種が決まるが、現在は日野といすゞで過半数を占める。主力はノンステップの乗合車だが、一部ワンステツプバスや小型バス、さらに国産連節ハイブリッドバス4台、燃料電池バス1台、改造電気バス1台、あかいくつ専用のオリジナルスタイルバス9台など、多彩な顔ぶれが魅力である。
横浜市交通局の車両を一部紹介
新しい観光スポット、新港ふ頭にあるクレーンの遺構の前を転回する「あかいくつ」。
近年の一般路線用のディーゼル車の主力はいすゞエルガで、短尺のAT車で増備が進む。
ハイブリッド車の中ではベテランの日野ブルーリボンシティハイブリッド。横浜駅と本牧の三渓園を結ぶ路線に専用されるラッピング車。
2020年に4台が運行開始した日野のハイブリッド連節バスは、横浜駅―山下ふ頭間の観光路線のベイサイドブルー専用。マットメタリックブルーの外装も特徴。
ぽると出版「バスラマNo.182」
【定価】本体1,362円+税
【サイズ】A4判 112ページ
【書籍コード】978-4-89980-182-5
【概要】
・バスラマ創刊30周年記念インタビュー「大阪バス 代表取締役社長 西村 信義氏に聞く」
・バスラマインターナショナルの軌跡 No.41-179の内容を振り返る (2)
・バス事業者訪問217「横浜市交通局」
・新型コロナウイルスCOVID-19のバスへの影響II
・今年5~8月の輸送人員の変化など
・コロナに負けるか!バス事業者の取り組みから
・いま注目のバスの感染症対策2
・IAA中止。しかし技術開発は止まらず続く
・【レポート】東京BRTがプレ運行開始
・【レポート】自動運転の話題 日本初!自律走行によるNAVYA ARMA定期運行開始
・【レポート】四神降臨-奈良交通の特別車両「四神シリーズ」完成
・【レポート】「コロナ禍の先を見据えて」5年目を走るWILLER TRAINS
・最新バス機器・用品ガイド
・短期連載 私はドイツの韓国人バスドライバー 第三話
・粒よりの最新レポート、連載ほか
ぽると出版HP
(バスラマインターナショナル)