ざっくり、こんなVIPバス
- 飛行機の半額で利用できる
- サービスエリアではVIP専用のビュッフェあり
- 車内は各座席で映画鑑賞できる
日本人観光客に人気の国、タイ。タイはバスによる都市間輸送が現地の足となっており、各都市には巨大なバスターミナルがあります。
長距離夜行バスには「VIPバス」も。意外と快適なバス車内に驚きました!
チェンマイ→バンコクまで700kmを10時間? でも飛行機の半額で乗れる
チェンマイからバンコクまでは約700km。飛行機なら1時間ですが、夜行バスでは9~10時間の移動です。
タイではバスのチケットはオンラインで購入できます。
事前にオンラインでクレジットカード決済しておき、予約完了画面をバスターミナルのチケット売り場で見せるとバスのチケットを渡してもらえます。

ロイクラトン祭りなど、タイ人観光客が多い時期はチケットもすぐに売り切れてしまうのでオンライン予約がおすすめです。
一番グレードの良い3列シートのVIPバスで運賃は、759バーツ(約2,610円、※1バーツ=3.44円/2018年11月29日現在)でした。ちなみに、通常のバスだと488バーツと安く行くことができますが、リクライニングも浅い4列シートになるようです。
飛行機は、LCCであれば5,000円くらい。VIPバスの倍額ほどです。VIPバスは飛行機より安いですし、寝ている間に到着することができ、翌朝早くから活動できます。
バスターミナルには小さな商店や食堂が並んでおり、軽食やドリンクなどの購入も可能。ターミナルから歩いて1分ほどのところにセブンイレブンもあり、買い物には困りません。

トイレは有料で3バーツ(約10円)です。東南アジアの公共施設ではトイレが有料なのは珍しくありません。
ひと通り商店を歩いてペットボトルの水を10バーツ(約34円)で購入し、指定された1番乗り場に向かうと、バスは出発時刻の20分前にはすでに待機していました。

出発時刻10分ほど前に搭乗が開始し、20時ぴったりに出発しました。大きな荷物やスーツケースはバスのトランクに預け入れ、引取証をもらいます。
VIPバスの車内の設備は…?
座席はひと席ごとゆったりとしたスペースが確保されており、フットレストもついているので座り心地はかなり快適です。

ブランケットやネックピローも置かれているほか、出発後にはヘッドホンとペットボトルの水、そしてドーナツとマフィンが配られました。

その後、バス車内は青色の照明になった後に完全に消灯。
運転席との間にはしっかりとした扉があったので、光が入ってくることもなく快適に眠れそうです。ただ、日本の夜行バスと比べ、窓のカーテンからは少々光が入ってくるため、気になる方はアイマスクを持っていくとベターです。
驚いたのは、エンターテイメント設備があったこと。飛行機のエコノミークラスよりもひと回り大きな液晶で映画を観ることができます。

メニュー画面は日本語にも対応していましたが、さすがに日本語対応の映画はありませんでした。
アメリカの映画であれば音声が英語、字幕がタイ語なのでなんとか観れなくはありません。映画名がタイ語で書かれていて全くわからないので、端っこからどんどん再生ボタンを押していき、英語が聞き取れなくてもなんとなくストーリーのわかりそうな『スパイダーマン』を観ることにしました。
車内の照明が全て消され真っ暗ということもあり、映画に没入しているとあっという間に2時間が過ぎました。
液晶画面の下にはUSBの充電口もついています。Wi-Fiはないのですが3Gの電波はだいたい通っていたので、現地のSIMカードを通じてインターネットをすることができました。
サービスエリアで深夜の休憩! なんとVIP専用のビュッフェも
5時間ほど走った深夜1時、バスが国道沿いのサービスエリアで停車しました。10台ほどの夜行バスが停車しており、バスの利用者の多さを感じます。
外国人の乗客は少ないようで、ちょっと長めのアナウンスをすべてタイ語で行なった後に「休憩時間は20分」のみ英語でアナウンスがありました。

なにか軽食でも買おうかとウロウロ歩いているとVIPと書かれた食事エリアが奥にあるのを発見。
なんと、VIPバスの利用者は無料でビュッフェが食べ放題なのです。これは、文字通りのVIP待遇でとてもうれしいです。もちろん全てタイ料理でしたが、野菜炒めとパッタイ(タイ風焼きそば)をいただきました。

サービスエリアの売店には各種スナックやドリンクのほか、肉まんも売られており、無料のビュッフェがなければ肉まんを買っていたと思います。
バンコクへ再出発! 朝食とコーヒーのサービスも
休憩時間20分ちょうどにすべての乗客が揃い、サービスエリアを出発してバンコクへ向かいます。
バスが遅れたり、色々なトラブルがあったりするのかなと思う方も多いと思いますが、驚くほどにスムーズに時間どおり走っていきます。道路の状態も良く、揺れもそこまで感じません。
タイの一般道の制限速度は90kmで、流石に山道では少々の横Gを感じますが不快なほどではありません。
気になる点があるとすると、タイではどこにいっても冷房が肌寒く、バスも同じく冷房がガンガンかかっているので上着が必須なこと。また、窓の目張りが十分ではないのでアイマスクがあったほうがいいかもしれません。
午前5時、空が明るくなってきました。気付くとバスはバンコク市内を走っています。到着地のモーチット・バスターミナルまではあと20分ほどでしょうか。
バスの乗務員がウエットティッシュと小さなカスタードケーキを配り始めました。なんと、朝食までついているのです。

さらに「コーヒー?」と聞かれたので、わけも分からず「YES」と答えると、しばらくするとタイでよくある甘いタイプのインスタントコーヒーを紙コップに入れて持ってきてくれました。
終点のバスターミナル以外にも降りることのできる場所があるようで、2回ほど停車して人を降ろした後、5時40分、定刻より20分早くモーチット・バスターミナルに到着しました。

モーチット・バスターミナルからは市内各所へとローカルバスが出ています。最寄りのBTS(バンコクを走る高架鉄道)駅である、モーチット駅までは10分ほどの距離です。
ローカルバス乗り場に行くと、バスの前に行き先が書かれています。タイ語がわからなくても「BTS」と行き先に書いてあるバスに乗れば、モーチット駅までバスで行くことができます。

英語は通じませんが、乗車後に車掌のおばちゃんが運賃回収に回ってくるので行き先を「BTS」と伝えれば大丈夫です。運賃は6.5バーツ(約22円)でした。

タイの夜行バスに乗ってみて…
VIPバスの車内では、映画が観れるし、水だけではなく夕食、夜食のビュッフェ、朝のケーキとコーヒーのサービスもあります。
正直、普通の日本の夜行バスよりもかなりサービスが良くて驚きました。バンコクからチェンマイは飛行機で1時間の距離ですが、このサービスを受けられるのであればまたバスで移動しようかなと思いました!
(ライフデザインラボ)