ざっくり、こんな観光
- 山寺へは山形駅から17分。早朝だと人が少なくて心地よい
- パワースポット感がハンパない! 1000の石段をひたすら登る!
- ご褒美は頂上からの絶景!一度は見ておくべき幻想的な景色
山形市内に宝珠院立石寺という天台宗のお寺があり、通称「山寺(やまでら)」と呼ばれています。
山寺という異名のとおり、境内は山の麓から上へ上へと続いていて、その広さ約33万坪。
そこに大小30余りの堂塔が建立されているという、とても縦に長いお寺なのです。
上までのぼれば絶景が待っている素敵なお寺。
そんな東北を代表する観光名所に行ってきました。
夜行バスで早朝着、そのままパワースポット「山寺」へ
山形駅から電車で17分。朝7時前に山寺駅に到着しました。
山寺はとても訪れる人が多い山形の主要な観光名所。
敢えて早朝に行くことで、誰もいない静けさを感じながら参拝してみたかったのです。
ちなみに、関東方面から来られる方は夜行バスが便利です。JRバス東北運行のドリームさくらんぼ号なら、夜11時50分に新宿を出発し、翌朝の6時5分に山形駅に到着するので、朝の山寺散策にはうってつけなのです。
ドリームさくらんぼ号で東京→山形へ!早朝に到着してすぐに芋煮そばをいただく! の乗車記も参考にご覧ください。
駅からは案内板に従って山寺方面に進みます。開いているお店は一つもありませんでしたが、行き交う地元の方々からは「おはようございます」と挨拶をされ、いきなり爽やかな気分になれました。一期一会、朝の挨拶、スバラシイ。
登山口から山門までを行く
やがて登山口に到着。お寺なのに「登山口」と銘打つところが、山寺の山寺たる所以です。
ここからは、山の麓の山門を目指して進むことになるのですが、途中にも見どころがたくさんありました。
まず目に飛び込んできたのは、立石寺の根本中堂。これが本堂にあたり、国の重要文化財に指定されています。木材にブナが使われていて、ブナの建築物としては最古と言われているとか。
そんな立派な本堂が拝めれば、それでもう満足なんじゃないかとも思えますが、目指すは頂上。まだまだ先は長いのです。
登山口から階段をのぼって根本中堂へ行き、そこから横へスライドするように移動すると、間もなく山門が見えてきます。さぁ本番はここからです。
山門から1000段の石段をのぼる
ここから先は大人300円、中学生200円、小学生以下100円の拝観料がかかります。
拝観時間は午前6時から午後6時までなのですが、朝8時30分くらいまでは受付の人もいないようなので、門に設置された拝観料箱にお金を入れて、山門をくぐりました。
立石寺では、石段を一段二段とのぼることで、我が身の煩悩が消滅すると信仰されています。
この先、頂上の奥之院までの石段は約1000段。煩悩の数は108と言われているので、10段のぼるごとに1つ煩悩が消え去る計算でしょうか。
とにかく、私利私欲を押し殺し、ひたすらにのぼって行くしかありません。
朝の爽やかな空気の中、森林浴をするようにのぼっていく!
…という感じなら良いのですが、正直、結構疲れます。タオルや手ぬぐいを準備していかないと、途中で汗まみれになるかもしれないので要注意です。季節によっては日中、暑くなると思うので水分補給もしっかりしましょう。
やがて、せみ塚に到着。
松尾芭蕉は奥の細道に「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」という句を残しており、それを想起したのがこの場所と言われています。松尾芭蕉は元禄二年に山寺を訪れており、後に弟子たちが当時を偲んで、ここにせみ塚を立てたそうな。
そんな歴史をも感じつつ、さらに石段をのぼっていきます。
ちょうど仁王門に差し掛かろうとしたとき、前方から小学生の男の子がランドセルを背負っておりてきました。境内に住む子供だと思うのですが、この石段が通学路だなんて、さぞたくましい大人になることでしょう。すごい…。
仁王門を抜けていよいよ頂上へ
仁王門を抜けると、性相院、金乗院、中性院が現れ、建物がたくさん見られるようになります。
金乗院にあった「ぴんころ車」は、大きな数珠のようなものをクルクルと回して参拝するもの。祈願すれば、ピンピンコロリと言うように健康体のままコロリと往生できるそうです。
でも、そんなことより足腰がつらい。もう900段くらい登ったかな。
さらに石段をのぼると、ようやく1000段。参道の終点、奥之院に到着です。
しばらく「ぜーぜーはーはー」という声しか出なかった。汗、したたってます。
これを見たとき、誰にも聞こえない声で小さく「やった」と言いました。
参道の終点にあるので奥之院と呼ばれていますが、本来の名前は如法堂。釈迦如来と多宝如来の両尊を御本尊としています。大仏殿には、高さ5mの金色阿弥陀如来が安置されていて、これを目当てに訪れる人も多いのだそう。
最後のご褒美は山寺の絶景
そして、奥之院からの帰り道。
最後のご褒美として素晴らしい景色が迎えてくれます。
納経堂は、山の中で最古の建物。切り立つ岩の上にそびえる姿が、朝日にぼんやりと浮かび上がってとても幻想的でした。その右側の開山堂は、立石寺を開いた慈覚大師の御堂で、これらの眺望はここ山寺を代表する景色となっています。
頂上まで行くと汗もかくし疲れますが、それでもまだ日が昇ったばかりの早朝に訪れることで、とても爽やかな気分になれました。
参拝客が誰もいない中、静寂な空気に包まれるのはとっても贅沢な時間です。
もし、山寺に行く際は、ぜひ早朝に訪れることをオススメします。
(ワカバヤシヒロアキ)