路線変更で奈良まで延伸! 完全個室型夜行バス「ドリームスリーパー東京・大阪奈良号」として12/16より運行
ざっくり、こんな豪華バス
- ドリームスリーパーは嬉しい装備がいっぱい
- 豪華だけではない安全面もサービスのひとつ
- 乗ってわかったドリームスリーパーのホントの魅力
2017年1月18日から、両備バスと関東バスの共同運行で始まった東京~大阪「DREAM SLEEPER(ドリームスリーパー)東京大阪」に早速乗車してきました。日本初、業界初の完全個室型・超豪華夜行バスドリームスリーパーの乗車体験記をお届けします。
大阪側の始発となる「門真車庫」には、夜にも関わらず熱心な高速バスファンがその勇士をひと目みようと、寒い中カメラを構えていましたよ!
ドリームスリーパー東京大阪に乗車!
いよいよドリームスリーパーとご対面です!
大阪を出発するドリームスリーパーは両備バスの門真車庫を出発してから、大阪ミナミの玄関口「OCAT」を経て東京へ向かいます。
焦る気持ちを抑えて乗車しようとすると「こちらで靴を脱いでください」と言われて、下足するとふわふわのスリッパを差し出してくれます、これに履き替えてから車内へ。
車内の通路はすべてカーペットが敷き詰められて、すでにこの時点で自分が高速バスの中にいることを忘れてしまっています。
さらに、車内に入って1番先に目に入った、いえ鼻に届いたのは自然の草木のようなアロマの香り。ドリームスリーパーでは「ウエルカムアロマ」と呼んでいて、日替わりで2種類の香りで乗客を迎えてくれます。
気をとりなおして奥へ進むと、すべての座席が扉で仕切られていて、バスの中というよりもJR寝台列車の個室寝台車を思い起こします。
ゼログラビティシートが快適!ボタンを押すだけ!
居室に入ると、重厚なシートが私を迎えてくれます。
まるで飛行機のファーストクラスのシートのようで、いままでの夜行バスのシートとはイメージがまったく違って上質な雰囲気です。
ドリームスリーパーの1番のこだわりはこの座席。
両備グループがNASAの理論に着想を得て開発をした、浮遊感を感じながら深い眠りへと誘う「ゼログラビティシート」です。シートのクッションには昭和西川が開発した「ムアツクッション」を採用しているため、長時間同じ姿勢をとっていても血流を抑制しない効果があります。
枕・背中面・座面・フットレストに至るまで、このムアツクッションを採用していて、座席に腰を下ろした瞬間身体全体が包み込まれような感覚に包まれます。
座席のリクライニングもすべて電動式で、入り口を入って右側のA席の人は左手側、逆に左側のB席の人は右手側にコントロールパネルがあるので、そこのスイッチひとつでお好みの角度に調整できます。
コントロールパネルには「リクライニング」「チルト」「フットレスト」「全自動」の4つのボタンがあって、「全自動」以外はそれぞれの部位を調整できます。
快眠のポイントはこの「チルト」で、腰部分が沈むと同時に座面が腰に沿うように支えてくれます。おかげで乗車中に座面から体がズレにくくなるので、座席とのフィット感がさらに増します。
また、コントロールパネルで入り口上部のフロントライト、リクライニングを倒した時の頭の真上にあるライトの明るさが調整できるので、灯りが欲しいと思った時に、わざわざシートを戻さなくていいのでとっても便利です。
鏡のように磨かれて光沢のある折りたたみ式のテーブル。食事をするには余裕の広さです。
ACコンセントはパソコンなどの充電に対応していて、出力75Wは15インチクラスのちょっと大きなノートパソコンでも大丈夫。
USB端子も標準装備なので、スマートフォンの充電にACアダプターは必要ありません。
充電用ケーブルもiPhone・Android用2種類のケーブルを貸し出してくれます。うっかり忘れてしまった時でも安心です。
入口の扉にはハンガーも用意されていて、コートをはじめスーツ・ジャケットなど皺を付けたくない衣服をしっかり守ってくれます。
フック部分もしっかりしていて、バスの揺れてもまったく落ちる気配はありませんでした。
個室のなかはイオン発生器があるので、空気が爽やかに感じます。
気配りも最上級 トイレにパウダールームも快適
バスが発車すると、乗務員がそれぞれの個室までミネラルウォーターとおしぼりを運んできてくれます。不明な点などがあれば個別に対応してくれます。
ドリームスリーパーは途中、草津SA(上りの東京行き)、足柄SA(下りの大阪行き)のそれぞれ1カ所のみトイレ休憩で停車します。とはいえ、やっぱりトイレがあるのは安心です。
SAのトイレに引けをとらない、温水洗浄機能付きトイレはとても快適です。
車内での洗顔やメイクにはちょっとした揺れでも不便な時がありますが、ドリームスリーパーのパウダールームには、収納式の椅子が用意されています。
片手で引き出すことができて椅子に早変わり、これでバスの揺れを心配せずに安心してパウダールームを利用できます。
豪華だけではない安全面もサービスのひとつ
運転席中央に「車両逸脱警報装置」「衝突軽減装置」が設置されていて、夜間運転をサポートします。
また、途中休憩では乗客の乗り降りはできませんが、2人体制の運転手が定期的に交代するシステムを導入しています。
個室内には安全のためにモニターが設置されています。
とはいえ、部屋の中での行動を監視するのではなく、シートに座った状態では写りません。このモニターは乗客が立ち上がった時に運転席のモニターに表示されて、乗客の安全を確認するためのものです。
パウダールームの洗面台の左側に「SOSボタン」が設置されています。
パウダールーム使用中はカーテンで仕切られているので、運転席からは見れませんが、万が一気分が悪くなったときなどは、このボタンで運転手に異常を知らせることができます。
実際にドリームスリーパーに乗ってみて思うことは…
豪華!完全個室!と話題のドリームスリーパーですが、乗り心地はこれまでに乗車した高速バスのなかでも文句なしの心地よさです。これらの装備やサービスもドリームスリーパーの魅力ですが、旅歴35年の私が1番感動したのは、車窓からの風景です。
夜の走行ながら、高速道路から見える海岸線の灯り、月の夜には富士山のシルエットが見えたり、この路線は、カーテンを締め切って寝ているだけはもったいない風景の中を走ります。
快適さをふんだんに盛り込んだ完全個室の居室でぐっすり眠ってもよし。でも、目がさえて眠れないなら、そんな風景もぜひ楽しんでもらいたい。
他の夜行バスでは体験できない「車窓の景色」も存分に楽しめる!
それこそがドリームスリーパーの最高の魅力なのかもしれません!最高の時間を過ごさせてもらいました!
ドリームスリーパー東京大阪号
※取材協力/両備ホールディングス
(出雲義和)