ざっくり、こんな移動
- 関越交通「尾瀬号」なら、日帰りで尾瀬ハイキングに行ける
- 尾瀬ヶ原では、雄大な景色と湿地帯ならではの植物が見られる
- ハイキングのあとの生ビールが美味すぎる!
山歩きで疲れた後に、冷た〜い生ビールを飲むのが最高の幸せ。
そんな僕が、今回は関越交通の「尾瀬号」に乗って、ずっと行ってみたかった尾瀬への「0泊2日の弾丸ハイキング旅行」にチャレンジしてきました。
“最高の一杯”を期待して、バスタ新宿を出発!
まさかの豪雨の中、バスタ新宿から「尾瀬号」が出発!
バシャバシャバシャ…。
マジかー、出発前の新宿は文字どおり、地面を叩くような土砂降り……。それでも明日の尾瀬の予報は「曇り時々晴れ」と出ているので、どうにか天気が崩れぬことを祈るばかり。
![バスタ新宿の前はこのとおりの大雨](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/ef67bc5a0d316b37a2dd3ec2ca8e2a89_lg.jpg)
新宿ー尾瀬間を運行している関越交通の「尾瀬号」は、5月中旬から10月中旬までの季節限定のバス。6時台・7時台の朝便と、22時台の深夜便の1日3便が運行されています。
今回乗った深夜便は22時ちょうどにバスタ新宿を出発。
練馬区役所前と川越駅で追加の乗客を乗せたところで消灯し、関越道を経由して尾瀬へ。途中、「三芳SA」と「道の駅こもち」の2か所で休憩を挟む、という運行ルートです。
![尾瀬号は22時にバスタ新宿を出発](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/3c30b626de55a4e08f29596105e9d935_lg.jpg)
![僕のほかにも登山ルックの姿が](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/1b28fbfa9116b5b8f3b4d82d012d01c7_lg.jpg)
バスは、白い車体に赤いラインの入ったシンプルなカラーリング。
車内は2席×2列の配置のオーソドックスな4列シート。シンプルな造りのシートですが快適です。
なお、車内にトイレはないので、乗る前にしっかり済ませておきましょう。
![尾瀬号の車内](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/1d07ca03f4d41b163d323d5b93be864a_lg.jpg)
![リクライニング可能な4列シート](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/284a51dc1ddae604fa62b2b2753025be_lg.jpg)
![シートには軽食やペットボトルが置ける程度のテーブルが](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/76f8ad80c3041169cdb09b2ecd24b07b_lg.jpg)
この日はお盆連休の終わり頃とあって、席の埋まり具合はまばら。
休憩中に運転手さんに尋ねてみると、「名物のミズバショウが見頃の5月~6月と、紅葉シーズンの9月中旬からが混み合いますね」とのこと。
2度目の休憩地である「道の駅こみち」は、もちろん深夜なので閉まっていましたが、近くにコンビニのセーブオンを発見。
実はバスタ新宿で朝食と行動食を買おうと思っていたのですが、ファミマの行列に並んでる間に出発時間が…。
「こりゃ朝メシ抜きだ(泣)」と覚悟を決めていたのですが、ここでパンとカロリーメイトを購入し、事なきを得ました。
![途中のサービスエリアで15分ほどの休憩が2度ある](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/4ebda5ac1e4bba13fd0eb59645182373_lg.jpg)
関越道を降りると停車所がいくつかありますが、ほとんどの人が尾瀬の玄関口である「大清水」と「尾瀬戸倉」のどちらかで降ります。
尾瀬ヶ原に行く場合は「尾瀬戸倉」、尾瀬沼に行く場合は「大清水」で降りるのが便利。
今回の僕の目的は尾瀬ヶ原ハイキングなので、シートを倒して十分な睡眠をとりながら「尾瀬戸倉」まで向かいます。
バスは3時30分に尾瀬戸倉に着くのですが、ここから尾瀬国立公園の入り口である鳩待峠に行くには、さらにミニバスへの乗り換えが必要。
そのミニバスの始発は4時40分なので「まさかこんな深夜に1時間以上も待ちぼうけ !?」と心配していたのですが、車内アナウンスで「大清水(3時50分着)まで一旦行き、そこからもう一度尾瀬戸倉に戻ってきますので、このままバスに乗っていてください」と案内され、ひと安心。
尾瀬号は、4時20分に再び尾瀬戸倉に到着しました。
![標高1000m近い尾瀬戸倉は真夏でも肌寒い。屋根付きの休憩スペースや公衆トイレもある](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/353b1d76201d0c9a373ed33f0f682d60_lg.jpg)
まだ薄暗い中、尾瀬国立公園にゲートイン!
尾瀬戸倉のターミナルに降り立ったものの、まだ夜明け前なので周辺は真っ暗。
しばらくやることもないので、ここでハイキングに備えて準備体操。
そうして、窓口でチケット(980円)を買い、ミニバスで鳩待峠に向かいます。
ミニバスの中で、ようやく車窓の景色も朝ぼらけ〜な感じになってきました。
![鳩待峠へのバスチケットを買う](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/5aaee749fcb49c669fd6a702fc8b787a_lg.jpg)
![ミニバスは水芭蕉をあしらったデザイン](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/253516d52dda769c33a2ac7c84cf7fc4_lg.jpg)
鳩待峠に到着したのは朝5時過ぎ。帰りの「尾瀬号」新宿行きの出発時刻は15時10分で、14時30分のミニバスで鳩待峠を出発したいので、国立公園に滞在できるのは9時間ほど。
途中に休憩も挟むと、ちょっとハイペースで尾瀬ヶ原を一周できるくらいのスケジュール。長い距離を歩くので、服装も靴もガチの登山モードです。
尾瀬ハイキング(トレッキング)スタート!
![国立公園にあるマップから今回のコースを抜粋](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/d0fb72bf6d2a8e39b8278dcb7b3271ec_lg.jpg)
今回は、鳩待峠→山ノ鼻→牛首分岐→竜宮十字路→見晴→ヨッピ吊橋→牛首分岐→山ノ鼻→鳩待峠という、合計約17kmのコースを歩きます。
ちなみに、入園口の掲示板には「鳩待峠〜山ノ鼻でクマの目撃情報が増えています」の表示。
「ゲッ、熊鈴忘れた…」と思っていましたが、しばらくするとチリンチリンと鈴を鳴らしたファミリー御一行の姿が。
「すみません、便乗させていただきます」と心の中でつぶやきつつ、尾瀬国立公園にゲートイン!
まだ朝もやが漂うなか、1時間ほど山林の中に敷かれた木道を歩きます。
![尾瀬国立公園の入場口](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/b7062a648b26e5546d131567f240695f_lg.jpg)
![マイナスイオンをバンバン感じるハイキング](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/4a2c69fee5d5e60277d849d5fd1db39d_lg.jpg)
![クマに人の歩行を知らせる鐘](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/c7659ee6dbbecf6aa284e947e5a83483_lg.jpg)
![まだ早朝なので、山ノ鼻にはテントが](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/5a500fbf7f88d213c80ebb4460bb8060_lg.jpg)
そしてビジターセンターのある山ノ鼻から先が、尾瀬ヶ原。
標高1400mの高地にあり、湿地帯の多彩な植物が見られる尾瀬ヶ原周辺は、初心者ハイキングの大人気コースです。
真っ青な青空とはいきませんでしたが、不安だった雨が降ることもなく、まずまずのハイキング日和。
きれいな景色は、言葉による説明は不要。ぜひ、写真でご覧ください。
![いくつかの山がそびえる尾瀬の中で最高峰の燧ケ岳(ひうちがたけ)を望みながら歩く](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/cc1f81c0e6ba5afb73b35b4de237bc1a_lg.jpg)
![川面に燧ケ岳が写り込んだ通称「逆さ燧」](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/0aab8fe2a4d4e3c9fa618e2c1169cc1a_lg.jpg)
![尾瀬の雄大な自然を体感!](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/72d13d7073dab410251f6a375ba2275d_lg.jpg)
![ヨッピ吊橋に向かう途中、東電小屋周辺の景色](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/edee5efc5a324e99d018595d5310df13_lg.jpg)
![木道の両脇には様々な植物が見られる。こちらはゴマナ](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/0fa409e374597bc7dd750ec654490b62_lg.jpg)
![オゼミズギク](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/29c149b4732208c0c4a97daaa08d153d_lg.jpg)
![レンゲツツジ](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/dc3b89ec2b6360f4504a1a682d4c0ae7_lg.jpg)
![ソバナ](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/cadf269230e87859579f51d74d8611ff_lg.jpg)
独りぼっちのハイキングは、集中して淡々と歩くのもいいけれど、ベンチで一緒になった人たちと話をするのもおすすめです。
「どこから来たんですか?」や「きれいな場所ですよね」のようなとりとめない内容ばかりですが、「あそこの山が綺麗だったよ」なんて山好き同士のリアルな情報が得られることも。
普段接点のないような人と気軽にコミュニケーションが取れるのも、山歩きの楽しみのひとつ。
![折り返し地点の見晴には山小屋やカフェが集まっている](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/87b7f097c1415888c2dda3b914a467e3_lg.jpg)
![ひげくま喫茶のカレーライスでランチ♪](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/19e15b091c1e046eaf5608d2de5896f8_lg.jpg)
![飲み物は山小屋で手に入る](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/4cb8316cfaed58c892268d50b2fd65cd_lg.jpg)
![公衆トイレ(1回の使用につき100円)も各所にあるので安心](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/723f2fbe68a5a1d16c0de989dc2aa492_lg.jpg)
山小屋の集まっている見晴で折り返し、帰りは尾瀬ヶ原の北側を歩きながら山の鼻へ戻り、そして鳩待峠へ。
入園時は易しい下り道だったところも、帰りはちょっと厳しい登り道に。
15km以上歩いた膝はもう重いし、足の裏も痛い…。
それでも、「負けないで」と「サライ」を頭の中でループさせながら、ラストスパートをどうにか乗り切りました!
ついにお待ちかねの“最高の乾杯”!
さて、疲労困憊の体にエナジーを注入ということで、ついにお楽しみの乾杯(一人だけど…)の時間がやってきました♪
![鳩待峠の食堂で生ビール。ん〜、キンキンのグラスに綺麗な泡がいい感じ!](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/74aa0a22a86c9f5410f49790697d143f_lg.jpg)
ぷはーーー、染みわたるぅ〜!
帰りは新宿まで直行なので、こんなんできちゃうのもバス旅のいいところです!
鳩待峠から尾瀬戸倉まではミニバスのほかに乗り合いタクシーも運行。峠の売店で買えるチケットはバス・タクシー共通。
15時10分の尾瀬号に乗るには14時30分のミニバスに乗るのが確実ですが、乗り合いタクシーも定員9人が集まったところで随時出発しています。
![帰りも尾瀬号に乗って新宿まで直行!](https://image.kingsoft.jp/starthome/bustrip/2023-10-17/5b5f4623c7b6dd2d2d25ba7de3141d29_lg.jpg)
ビールでいい気分になったところで、帰りのバスでは乗車後すぐに睡魔が…。
19時30分にバスタ新宿に帰ってくるまで、ずーっと爆睡。
到着後、おぼろげなまま席を立ち上がろうとすると、キーンと早くもやってきた筋肉痛…。
足を引きづりながら、バスを降りたのでした。
尾瀬号の運行路線
「バス比較なび」にて、詳しい停留所と料金が確認できます。リンク先のページでは必要に応じて「逆区間」のボタンをご利用ください。
※取材協力/関越交通
(鈴木翔)