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9月4日は「串の日」。豚肉の串焼きを“やきとり”とよぶ?


9月4日は「串の日」です。冷凍コロッケなどの冷凍食品でおなじみの株式会社味のちぬやが、9(く)と4(し)の語呂合わせから9月4日を串の日と定めました。串を使った料理といえば、串カツや串揚げ、串だんご、焼き鳥などがあります。焼き鳥はその名の通り、鶏肉を串に刺して焼いたものですが、地方によっては、焼き鳥というと、鶏肉ではなく豚肉を串に刺したものを思い浮かべる方もいるのでは? そこで今回は、北海道と山形と福岡の、豚肉を串に刺した“焼き鳥”をご紹介します。

参考
味のちぬや:味のちぬやの記念日

豚串が“やきとり”??

豚串が“やきとり”??


室蘭やきとり/豚肩ロースとタマネギの豚串。洋辛子をつけて食べる

「室蘭やきとり」はその名の通り、北海道室蘭市の名物で、日本三大やきとりの一つです。名前に“やきとり”とついていますが、串に刺さっているのは鶏肉ではなく豚肉。豚肉の間に刺さっているのは長ネギではなくタマネギで、豚肉とタマネギが交互に刺してある“やきとり”です。タレは甘みのある甘辛ダレで、洋辛子をつけて食べます。
道南地方ではやきとりというと、豚バラ肉を使うのが一般的です。北海道産のタマネギと豚肉の相性がよく、今では室蘭名物として全国版になっているほど。また、学校給食では、室蘭やきとり丼が出されることがあり、子どもたちにも人気のメニューとなっています。

参考
農林水産省:室蘭やきとり 北海道

(写真はイメージです)

(写真はイメージです)


寒河江やきとり/ボリューム満点!! 豚モツの串焼き。豚足も人気

山形県寒河江市の「寒河江やきとり」は、豚モツがメインの“やきとり”です。鶏肉でもなく、豚肉でもなく、豚モツを使うのが特徴。寒河江やきとりで欠かせないのが、サガリ、カシラ、レバー、白モツなどの豚モツ。これらを串にゴロゴロとボリュームたっぷりに刺し、塩またはタレで食べます。そして、このボリュームでも1串150円前後というコスパのよさ。
もともとは、1955(昭和30)年に創業した店からはじまり、市内には食肉加工場があったことから新鮮な豚モツが手に入りやすかったため、すぐに市内に広まり、今では多くの寒河江市民に愛される“やきとり”となりました。
やきとりのお店では、やきとりが焼きあがるまでに忘れてはならないサイドメニューが、豚足と煮込みです。豚足は沖縄などの調理法とは違い、塩味でトロトロに煮込まれたもので、それぞれのお店で味つけなどにこだわりがある一品。また、煮込みは豚モツや牛モツを野菜と煮込んだみそ味が定番で、どちらも、寒河江やきとりと並ぶ、もう一つの主役といってもいいのでは。豚モツが中心の寒河江やきとり、そして豚足と煮込み。一度味わってみたいですね。

参考
寒河江市公式サイト:寒河江やきとり
山形新聞:ふるさとだより特別号「“やきとり”だけど鶏肉じゃない、“寒河江やきとり”!」

(写真はイメージです)

(写真はイメージです)


福岡やきとり/ざく切りキャベツの上に豚バラ串が福岡流

福岡でやきとりを注文するとき、誰もがとりあえず注文するのが、鶏肉ではなく豚バラ串です。福岡県民384人に好きなやきとりの種類をきいたRKBオンラインの調査によると、第1位が豚バラで201人。半数以上が豚バラと答えています。次いでとり皮(106人)、もも肉(34人)、せせり(10人)、レバー(8人)の順となっており、豚バラが人気が圧倒的に高いことがわかります。
そして、福岡やきとりの一番の特徴は、やきとりを注文すると、ポン酢がかかったざく切りの生キャベツが出てくること。福岡以外の方はやきとりに生キャベツ?と思うのではないでしょうか。しかし福岡県民は、やきとりにキャベツは全国版だと思っている人も多く、これが福岡独特の食文化だということを知らない方が多いようです。
福岡のやきとりは豚バラが人気ですが、豚バラの串やきそのものを福岡やきとりとよぶ、というよりは、豚肉や鶏肉をはじめ、魚や野菜など、幅広くバラエティーに富んだ串やきがメニューに並んでいて、なんでも串に刺して焼いてみよう、という福岡県民の懐の広さがあらわれているように思えますね。

参考
RKBオンライン:福岡の焼き鳥店なぜキャベツが出る?
西日本新聞:【福岡の常識】「とりあえず」豚バラ、頼んでいないのにキャベツ…福岡の焼き鳥屋の“謎定番”
フクリパ:豚バラも“やきとり”なのはなぜ!? 大都市のやきとり店率で1位の福岡の“やきとり”文化を味わおう
よのすけ本店:福岡の焼き鳥の定番「豚バラ」を知ろう!~豚バラ串発祥と歴史~

(写真はイメージです)

(写真はイメージです)


やきとり弁当/函館市民のソウルフード。ご飯の上に海苔と豚バラ串

函館観光をするなら絶対に食べておきたいのが「やきとり弁当」です。函館市を中心に展開するローカルコンビニのハセガワストア、通称ハセストで販売されているお弁当で、今年の8月で、やきとり弁当誕生からちょうど45年をむかえました。
函館を含む道南エリアでは、やきとりといったら、豚バラ肉を四角く切って串に刺したものを指します。豚肉ではなく鶏肉のやきとりを注文するときは、「やきとり、鶏肉で」と言ってたのみます。そんな風土の函館なので、「やきとり弁当」には豚バラ串が使われているのです。
豚肉のやきとり自体は、塩もタレもどちらも人気がありますが、やきとり弁当となると、圧倒的にタレのほうが人気が高いようです。甘辛のタレが海苔とご飯にからむと、それだけでもおいしいですよね。ただ、やきとり弁当の塩味は、ただの塩コショウではなく、隠し味にガーリックを効かせているので、こちらも魅力的。タレか塩かで悩みそうな方は、塩とタレのミックスでも注文できるので、ご安心を。また、塩とタレのほかに、塩だれ、うま辛、みそだれの味もあるので、こちらもお試しあれ。
今年で45周年をむかえるやきとり弁当ですが、老舗カレー店「印度カレー小いけ本店」とコラボして、9月1日から30日までの期間限定で、「やきとり弁当小いけカレーごはん」を13店舗で販売します。やきとりとカレーのコラボ…。興味津々です。

参考
ハセガワストア:やきとりなのに豚!?
毎日新聞:豚なのに「やきとり弁当」誕生45年、函館名物の謎は…
北海道新聞2023年8月28日夕刊 みなみ風:ハセスト、小いけ本店コラボ 来月限定「カレーごはん」販売

「ハセガワストア ベイエリア店」の天気はこちら

9月4日は「串の日」です。まだまだ暑い日が続きます。今日の夕食は焼き鳥にビール、というのもいいかもしれません。そのときには、鶏肉のやきとりも、豚肉のやきとりも、どちらも食べたいところですね。

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