「打ったボールが見つからない…」「落ちたはずの場所にボールがない」など、プレー中にボールを見失ってしまうことがあります。
ゴルフ用語では、この見失ってしまったボールを「ロストボール(紛失球)」といいますが、ロストボールとみなされるためには一定の条件があり、さらにロストボールとみなされた場合には然るべき処置が必要です。
本記事では、そんなロストボールに関する基本的なルールや覚えておきたいポイントをご紹介します。
ゴルフのロストボールとは?
一般的に、ゴルフのロストボールには2つの意味があります。
まず1つは、プレー中に紛失したボール(紛失球)や、ボールを紛失するという意味です。もう1つは、集めた紛失球を中古ボールとして販売しているものを指します。
本記事では、前者の意味であるロストボールについて解説します。ロストボールになった場合の処置には、ゴルフ場やプライベートなコンペで多く使用されているローカルルールを含む処置と、競技における処置があります。
競技における対処法については、その競技によって異なるため、その都度確認が必要です。以下ではローカルルールを含む処置方法についてご紹介します。
■ロストボールになった場合の処置方法1
ロストボールになってしまった場合は、そのボールを打った場所になるべく近い場所に戻り、ボールをドロップして打ち直します。このとき、単純に打ち直すのではなく、1打罰のペナルティが発生します。
この処置方法は競技でも使用されており、ロストボールの処置のなかではもっとも一般的です。
なお、「ロストボールをしたかもしれない」と判断したときは、あらかじめ「暫定球(ざんていきゅう)」を打っておきましょう。これは、ボールを探して、また元の場所まで戻って打ち直す、という時間のロスを減らし、プレーの進行を少しでもスムーズにするためです。
暫定球を打ったあとに最初に打ったボールが見つかった場合は、暫定球を拾い、最初に打ったボールでプレーを続けます。最初に打ったボールがOB(アウトオブバンズ)だった場合は暫定球が採用されることになります。
ただし、正式な競技の場合「ロストボールをしたかもしれない」という理由だけで暫定球を打つことは認められていません。暫定球を打つことが可能かはあらかじめ確認しておきましょう。
■ロストボールになった場合の処置方法2
ティショットがロストボールになってしまった場合や、ティショットが明らかにOBだった場合は、前進して「特設ティ」と呼ばれる場所から打つ方法もあります。
「特設ティ」とはゴルフ場が設置している場所のことで、2打罰のペナルティが発生しますが、その場所からプレーを再開することができます。つまり、このときのショットは4打目ということです。
しかし、特設ティはすべてのゴルフ場に設置されているとは限らず、同じゴルフ場内でもホールによって設置されていたり設置されていなかったりする場合もあります。その場合は、暫定球による処置か、次にご紹介する処置を行います。
■ロストボールになった場合の処置方法3
ロストボールに対する処置方法は2019年までは先にご紹介した2つのみでしたが、2019年のルール改正後は、「ロストしたと思われる場所から2打罰でプレーする」という処置方法が加わりました。
これは、ボールを探しても見つからなかった場合に、「このあたりでロストした」という場所で新たなボールを膝の高さからドロップしてプレーを続行するというものです。
つまり、ティショットでロストボールをした場合は、ロストしたあたりから4打目としてプレー再開、セカンドショットでロストボールをした場合は、ロストしたあたりから5打目としてプレー再開となります。
ロストボールの捜索時間は何分まで?
「ロストボールかもしれない」と思った場合、ロストボールを探すことができる時間は3分以内です。3分以内にボールが見つからなかった場合はロストボールとして、先にご紹介したいずれかの処置をとることになります。
なお、3分が過ぎてからボールが見つかったとしても、そのボールでプレーすることはできません。そのボールでプレーしてしまった場合は2打罰のペナルティが発生します。
ロストボールに関する救済措置
ロストボールには例外としてペナルティが発生しないケースもあります。具体的な例としては次のようなケースが挙げられます。
・人工の障害物の中にボールがあるとき(排水溝など)
・修理地など異常なグラウンド状態の中にボールがあるとき
・局外者によってボールを動かされたとき(動物も含む)
これらに該当する場合には、ペナルティなしでそれぞれのルールに従ってプレーを続けることが可能です。
ルールを理解してスムーズなプレーを
ロストボールはルールを理解していないことで思わぬペナルティが発生したり、ほかのプレーヤーに迷惑をかけてしまうことがあります。ロストボールが発生しても慌てずスムーズにプレーが続けられるよう、ご紹介した処置方法をしっかりと覚えておきましょう。
また、スムーズなプレーを楽しむためには事前の準備やプレー当日の天気のチェックもしておきたいところです。「tenki.jp」の「全国のゴルフ場の天気」では、全国各地のゴルフ場の天気をピンポイントで確認することができます。プレーをより一層楽しむためにぜひご活用ください。