災害はいつどこで発生するか分かりません。いざという時に避難する際、赤ちゃんや小さい子供がいるご家庭は、どんな準備や心構えをしておくと良いのかまとめました。
避難時には両手が空く大きめリュックが必要
阪神・淡路大震災が発生して、28年が経ちました。
そして、まもなく東日本大震災が発生して、12年が経とうとしています。その後も大きな災害がいくつも発生して、以前よりも防災意識が高くなったという方は多いのではないでしょうか。
中でも、特に不安を感じているのが、赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭だと思います。
令和元年東日本台風(台風19号)が関東を直撃した10月、私自身も生後半年の息子を育てている最中でしたが、急いでベビーフードやおむつなどの日用品を買い揃えたのを覚えています。
小さい子供がいると普段出かける時の荷物でも、かさばるものが多いので、いざ赤ちゃんを抱きかかえて避難するというのは、本当に大変なことだなと実感します。
実際に、この令和元年東日本台風の時に、大雨の中、子連れで避難を体験された方は、「両手が塞がっている状態で避難されている方がほとんどだったけど、子連れではその状態はとても困難。自宅に山登り用の大きめのリュックがあったので助かった。」とのことでした。
たくさん量の入る大きめのリュックは、子連れの避難時には欠かせない防災アイテムの1つだと感じました。
授乳できる環境づくりを
赤ちゃんに欠かせない授乳ですが、避難所での授乳は何かと不安を抱えることも多いと思います。まずは、避難所にはできる限り授乳スペースを作るなど、周りがお母さんと赤ちゃんがいつも通りにいられるような環境づくりが必要になります。
避難所ができて人が集まるような緊急事態ですので、そこまで配慮がされないケースもあるかもしれません。そういった場合にも使用できるようなミニテントを持参したり、授乳ケープを持っていくことや、仕切り替わりにも使えるような大きい黒いビニール袋を備えておくなど、考えておくと良いでしょう。
環境が変わることによって、いつもは飲むはずの母乳を赤ちゃんが飲まないとか、ストレスでお母さんの母乳が出ないなどということもあるかもしれません。母乳で育てられている方も、調乳が不要な数日分の液体ミルクや、使い捨てできる容器はいざという時の防災グッズとして備えておきましょう。
ミルクをあげる際に使う哺乳瓶は、十分に洗えないことも考えられます。紙コップでもミルクをあげることができます。小さめの紙コップにミルクを入れて、赤ちゃんの下唇にあてて、上唇が閉じたら、少し傾けてなめさせるようにして、飲ませることが可能です。普段から試しておくと良いでしょう。
また、家で災害時に在宅避難をする際にも、電気もガスも使えず、水も使用できなくなることも出てくるかもしれません。そんな時にも対応できるように、自宅でもミルクの調乳用に多めの水を常時備えておき、卓上のカセットコンロも備えておきましょう。
ママバッグになじみのあるものをプラスして防災
通常のママバッグに防災時にも役立つアイテムを加えて、日頃から備えておきましょう。
一般的なママバッグの中身は以下が挙げられます。
・現金
・おむつ、おしりふき、おむつ入れ袋
・除菌シートや除菌スプレー
・着替え
・ミルクや哺乳瓶、マグなど
・ハンカチやタオル
・保険証や母子健康手帳などの通院グッズ
ここに、防災アイテムとして以下を追加してみてはいかがでしょうか。
・黒いごみ袋(携帯トイレ・仕切り・寒さ対策・レジャーシートなどに使える)
・ホイッスル(いざという時に助けを求める)
・食べ慣れたおやつ
・馴染みのある音が出ないおもちゃ
・子供用マスク
・ヘッドライト
言葉をうまく伝えることが難しい小さい子供や赤ちゃんは、災害時には、大人以上にストレスを感じやすくなると思います。少しでもほっとできるように、なじみのある食べ物やおもちゃを備えておくと良いでしょう。
いつもよく食べてくれるベビーフードや日持ちするおやつなどでも良いと思います。玩具は、周りのことも考えて音の出ない玩具や絵本などがあると良いでしょう。
また、状況にもよりますが、ベビーカーでの移動は危険を伴うことが多いため、抱っこ紐も備えておきたいところです。いざという時に慌てないように、自分ができるところから防災対策を進めておきましょう。