手軽に脱ぎ着できるカーディガンは、体温調節に役立つ便利なライトアウターです。素肌の上に直接着ることは少ないものの、長く愛用していると目に見えない汚れが溜まっていくので、定期的にお手入れすることが大切です。
今回は、カーディガンを自宅で洗濯できるか否か、洗濯機で洗う場合の手順、カーディガンの正しい干し方をご紹介します。
カーディガンは洗濯機で洗える？
手持ちのカーディガンを家庭用洗濯機で洗えるかどうかは、使われている素材によって異なります。たとえばアンゴラ山羊の毛を原料とする「モヘア」や、蚕の繭から採取した「シルク」、シルクに似た質感の化学繊維「レーヨン」などは、型崩れや縮みが発生しやすいため、家庭用洗濯機では洗えない場合が多いようです。一方、アクリルや綿、麻などの素材であれば基本的に家庭で洗濯することが可能です。
ただし、素材によっては生地が伸びたり縮んだりする可能性があるため、手洗いが推奨されるものもあります。
自宅で洗濯できるかどうかは、カーディガンについているタグに記載された洗濯表示で確認可能です。洗い桶に数字や横線、あるいは手のマークが記載されているものであれば、基本的に家庭で洗濯することができます。［注1］
後者の場合は洗濯機ではなく、手洗いでお手入れしましょう。一方、洗い桶に×マークが記載されているものは家庭で洗濯できませんので、プロに依頼することをおすすめします。
［注1］消費者庁：「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について」
カーディガンを洗濯機で洗う手順
カーディガンを家庭用洗濯機で洗う場合の基本的な手順をご紹介します。
■1. 目立つ汚れの前処理を行う
カーディガンを広げてみて、目立つ汚れが見つかった場合は、あらかじめ前処理を行っておきます。汚れの部分に液体洗剤をかけ、スポンジや布などを使って軽くとんとんと叩き、汚れを浮かせましょう。頑固な汚れは先に水またはぬるま湯で予洗いしてから前処理すると落ちやすくなります。
■2. ボタン、ファスナーを閉じる
カーディガンの前を開いたまま洗濯すると、ほかの衣類に絡まったり、摩擦がひどくなったりするおそれがあります。洗濯機に入れる前に、ボタンやファスナーはすべて閉じておきましょう。
■3. 洗濯ネットに入れる
伸びやヨレ、縮みなどを防ぐために、カーディガンはあらかじめ洗濯ネットに入れておきます。ネットに入れる際は、汚れが付着しやすい襟や袖口、裾が表に出るように畳みましょう。
洗濯ネットは小さすぎても大きすぎてもシワやヨレの原因になりますので、ジャストサイズのものを用意するのがポイントです。
■4. ソフトコースで洗う
薄手のカーディガンはデリケートなので、強い水流で洗うと生地が傷みやすくなります。きちんと前処理をしておけば、強い水流で洗わなくてもきれいに仕上がりますので、カーディガンはソフトコースやドライコース、あるいは手洗いコースなど、弱水流コースで洗うようにしましょう。
とくにデリケートな素材は、おしゃれ着用の洗剤を使うのがおすすめです。
■5. 脱水は短時間で済ませる
長時間脱水にかけると、カーディガンにシワやヨレができる原因となります。また、カーディガンが薄手であれば、長く脱水にかけなくても十分に水分を切ることができます。目安として、脱水は20～30秒程度に留めましょう。
カーディガンが縮まない干し方
正しい方法で洗濯しても、干し方を誤るとカーディガンに縮みやヨレ、伸びができる可能性があります。洗濯し終えたカーディガンを干すときは、以下のポイントに注意しましょう。
■1. 平干しする
カーディガンをハンガーにかけて干すと、自重で生地が下に伸びてしまい、伸びやヨレの原因となる場合があります。生地にかかる重さを分散させるためにも、カーディガンは横に広げ、平干しするのがベストです。
平干し専用のネットを使用すれば、カーディガンを上に載せるだけで簡単に平干しできます。平干しネットがない場合は、角ハンガーなどの天板に載せるか、あるいは2本並べたハンガーに渡すように干しましょう。
なお、カーディガンのボタンは型崩れ防止のために、閉じたまま干すのがおすすめです。通気性はやや悪くなりますが、薄手のカーディガンであればボタンを閉じていても短時間で乾かすことが可能です。ただ、厚手のカーディガンはその日の天気や気温によって乾きにくいことがありますので、状況に応じてボタンを開けて干してもよいでしょう。
■2. 直射日光を避けて陰干しする
直射日光の当たる場所に干すと、紫外線の影響で生地の劣化が早まったり、色落ちしたりする可能性があります。カーディガンを干す際は直射日光が当たる場所を避け、陰干しを心がけましょう。
正しい洗濯と干し方で、カーディガンの縮みを防ごう
カーディガンは使い勝手の良いアイテムですが、家庭で洗濯する場合は縮みやヨレ、シワなどに注意が必要です。家庭用洗濯機で洗う場合は、ボタンやファスナーをしっかり閉じ、軽く畳んで洗濯ネットに入れてから洗濯機を回すようにしましょう。
また、カーディガンを洗うときはソフトコースやドライコースを選択し、脱水は短時間に設定するなど、生地にかける負担をなるべく抑えることが大切です。
洗濯し終えたカーディガンは日陰で平干しします。厚手のカーディガンはなかなか乾きにくいので、天気や気温などをチェックして洗濯するタイミングを図ったほうがよいでしょう。
天気予報専門メディア「tenki.jp」では、洗濯物の乾きやすさを表した「洗濯指数」を公開しています。カーディガンを計画的に洗濯したい場合は、洗濯指数を上手に活用してみてはいかがでしょうか。
