高速道路では、自車・他車ともに一般道よりスピードを出しているので、通常よりも車線変更が難しくなります。車線変更のタイミングを誤ると大事故につながりかねませんので、あらかじめ正しい手順と注意点を押さえておきましょう。
今回は高速道路で車線変更するときの手順や注意点について解説します。
高速道路で車線変更するときの手順
高速道路で車線変更する際の基本的な手順を紹介します。
■1. ミラーなどで安全確認する
まず、車線変更先に並走車や後続車がいないかどうか、安全確認を行います。サイドミラーやバックミラー、目視などで車線変更先の安全をしっかり確認しましょう。
■2. 車線変更の合図をする
車線変更を行う際は、後続車にその旨を報せるために合図(ウインカー)を出さなければなりません。一般的に、進路変更の合図は、進路を変えようとするときの約3秒前に行います。[注1]
合図を出してからすぐに車線変更すると、後続車が合図を見逃して追突事故などを起こすリスクが高くなりますので、余裕を持って合図を出しましょう。
■3. ゆっくり車線変更する
合図を出したら、頭の中で3秒間数えてから、ゆっくりとハンドルを切って車線変更を行います。
高速道路ではスピードが出ているため、急ハンドルを切って車線変更するのは非常に危険です。特に雨や雪が降っている日はスリップしやすいので、十分な距離を使って車線変更を行うことを心掛けましょう。なお、車線変更中も合図は消さず、継続させます。
■4. ハンドルを真っ直ぐに戻し、合図を消す
車線変更を終えたら、傾けていたハンドルを真っ直ぐに戻した後、合図を消します。車線変更ではハンドルをそれほど大きく切らないので、変更後は意識的にウインカーを切らないと、合図が継続されたままになってしまいます。
合図を出したまま運転すると、後続車が混乱してしまいますので、車線変更を終えたら必ず合図を切る習慣をつけましょう。
[注1]警察庁:交通の方法に関する教則
高速道路で車線変更するときの注意点
高速道路で車線変更する際に注意したいポイントを3つ紹介します。
■1. トンネル内での車線変更は避ける
道路交通法第三十条では、トンネルでの車両追い越しを原則として禁止しています。[注2]
車両通行帯が設けられた道路であれば追い越し可能ですし、そもそも追い越しを目的としない車線変更であれば違法にはなりませんが、トンネル内は見通しが悪いため、無理に車線変更しようとすると事故リスクが高まります。やむを得ない場合を除き、トンネル内での車線変更は行わないようにしましょう。
■2. 無理な割り込みはしない
車線変更する際は無理な割り込みを行わないことが大切です。特に高速道路の場合、自車・他車ともにかなりのスピードが出ているため、無理な割り込みをしたときの接触リスクは一般道よりも大きくなります。
車線変更を行う際はなるべく周囲に車がいないときを見計らって、慎重に実施しましょう。
■3. 変更先にいる車の後ろに入るのが基本
高速道路で車線変更する際は、変更先にいる車の後ろに入るのが基本となります。後続車または並走車がいる状態で、相手の車の前に入ろうとすると、無理な加速を強いられる可能性があるからです。
並走または後続する車の後ろに入ることを意識すれば、加速の必要性がなくなり、気持ち的にも余裕を持って車線変更を行えるようになります。
[注2]e-Gov法令検索:道路交通法
天気の悪い日の車線変更は要注意!
雨や雪など天気の悪い日は路面が滑りやすい上、晴れの日よりも視界が悪くなりがちです。さらに高速道路ではスピードが出ているため、車線変更の際に急ハンドルを切るとスリップし、接触や衝突事故を起こしやすくなります。
天気の悪い日はなるべく車線変更を控え、いつもより安全運転を心がけることが大切です。
高速道路で車線変更する際は、正しい手順とルールを守ろう
高速道路での車線変更は、一般道路よりも難易度・リスクともに高い傾向にあります。事前に安全確認する、3秒前に合図を出す、ゆっくり車線変更するなど、正しい手順とポイントを押さえて、安全に車線変更することが大切です。
特に雨や雪など路面状況が悪いときは事故が多発しやすくなりますので、あらかじめ道路情報をチェックしておくことをおすすめします。
これから走行する予定の高速道路の天気や路面状況を知りたい場合は、天気予報専門メディア「tenki.jp」で公開されている「道路の気象影響予測情報」をチェックしてみましょう。
雨や雪など気象影響リスクのある道路区間がリアルタイムで公開されているため、これから通る高速道路で注意が必要かどうか一目でチェックできます。気象影響リスクの有無は高速道路名や地方・都道府県から探すこともできますので、高速道路を走る予定がある人は参考にしてみてはいかがでしょうか。