今年は平年より気温が高い日が多かったのですが、山の上では少しずつ紅葉が始まり秋らしくなってきています。紅葉の時期に登山におすすめの山を紹介するとともに、秋山登山の注意ポイントをまとめました。登山初心者も楽しめる山をピックアップしていますので、ぜひ秋の登山計画の参考にしてみてください。
10月におすすめの山
■那須岳、茶臼岳(栃木県)【9月下旬から10月上旬】
那須ロープウェイを使えば、茶臼岳の山頂までは50分ほどです。10月下旬ごろからは初冠雪も見られる年もあるので、ロープウェイ山頂駅でもしっかりとした防寒対策が必要です。
■大菩薩峠(山梨県)【10月中旬から10月下旬】
標高は2057mですが、登山口の上日川峠は約1600mのため、初心者でもトライしやすい山です。紅葉だけでなく、富士山の望むこともできます。上日川峠登山口から大菩薩峠の周回コースはおよそ4時間です。
■石鎚山(愛媛県)【10月上旬から10月下旬】
西日本最高峰の石鎚山では10月に頂上付近の紅葉が見ごろをむかえ、「石鎚もみじまつり」が開催されます。表参道と呼ばれる成就コースは、ロープウェイとリフトを乗り継ぎ登山口である成就社に向かいます。登山口から石鎚山頂上まではおよそ3時間です。4か所、鎖を登る箇所がありますが、迂回路も用意されていますので、体力・実力に合わせたルートで楽しめます。
11月におすすめの山
■くじゅう連山(大分)【10月下旬から11月中旬】
九州の高山地帯のくじゅう連山。登山ルートも様々あり、初心者から上級者まで楽しめます。東の主峰の大船山(たいせんざん)・御池では、紅葉シーズンは木々の赤を湖面にも映り一面真っ赤となります。バスを使い池窪登山口まで行くと、山頂までおよそ1時間半ほどでたどり着きます。
■筑波山(茨城県)【11月上旬から11月下旬】
ケーブルカー、ロープウェイがあり、アクセスしやすく、登山道を歩いてもおよそ1時間で登ることができます。標高が低く(877m)、歩き以外の手段があるため初心者にはとてもおすすめです。紅葉シーズンの土日は混雑が予想されますので、早めの到着がおすすめです。
■御岳山(東京都)【11月上旬から11月中旬】
ケーブルカーでものぼれる都内の山です。武蔵御嶽神社やロックガーデンが見所です。ロックガーデンまで足を延ばすとおよそ2時間半となります。滑りやすいので足元に注意が必要です。
秋山登山の注意ポイント
■気温
平地では暑い日もまだありますが、山の上ではすでに気温が低く、日没後は10℃ほど(上着が必要な気温)になります。天気予報を見る際は気温だけでなく、風速のチェックも必要です。風速が1m大きいと体感温度が1℃下がります。また体が濡れると寒さを感じますので、雨風を防ぐレインウェアを必ず持参しましょう。私はシーズン問わずに小さく収納できるダウンを持ち歩き休憩中などにさっと羽織れるようにしています。
■台風
秋は、真夏に比べて太平洋高気圧の勢力が弱く、偏西風が日本の近くに南下することにより、台風が接近しやすくなります。台風から温帯低気圧に変わったあとや、台風が過ぎた後でも影響が続くことがあります。強風や寒気だけでなく、倒木などの恐れもあるので、自治体や登山口の情報を確認するようにしましょう。
山岳遭難しないために
今年の夏も多くの山岳遭難のニュースがあり、発生数は7~8月の2か月間で668件(前年対比+135人)、遭難者786人(前年対比+189人)、うち死者・行方不明者45人(前年対比-1人)となりました。(引用元:警察庁HP「令和4年夏期における山岳遭難の概況」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/sounan.html)
遭難の原因としては、道迷い174人(22.1%)、転倒171人(21.8%)、病気114人(14.5%)となっています。
初心者でもアクセスがしやすい山を紹介しましたが、どの山も登山の装備が必要です。コロナ影響でしばらく山に行けていなかった方は体力が落ちている可能性があるので、登山前には必ずトレーニングを行うとともに、道具のメンテナンス、登山ルート、天気の確認を行いましょう。以前に訪れたことがある山でも倒木や増水の影響でルートが通れなくなっていることもあるので、事前に山小屋や自治体、tenki.jp登山天気アプリ内の活動日記(YAMAP提供)等で確認し、安全に紅葉シーズンの登山を楽しみましょう。