季節は「大暑」を過ぎると、8月8日に「立秋」をむかえます。8月の残暑も暑さの盛りは続きそうな中で、暑さや冷房の冷えからくる、疲れがでやすい時期です。いわゆる夏バテに注意しつつ、夏ならではのことを楽しみ味わえるひとときを作り出せるとよいですね。
夏野菜や果物は、体を冷やす働きや利尿作用を持つものも多くあります。冷えがある場合は、温かい食べ物をとるようにしたり入浴はゆっくりと湯船につかるなど、体の声をききながら、セルフケアをとりいれていけるとよいですね。この夏も、楽しく元気に乗り切っていきたいものです。今月も旬の食べ物についてみていきましょう。
8月の旬
<野菜>
夏の定番野菜たちが出回っており、彩も形も楽しいですね。
おくら、かぼちゃ、キュウリ、とうがん、トマト、ナス、ゴーヤ、青とうがらし、パプリカ、ピーマン、ズッキーニ、モロヘイヤ、明日葉、つるむらさき
8月でそろそろ旬も終わりでしょうか?
枝豆、きくらげ(生)、ししとう、しんしょうが、とうもろこし
<果物>
夏にしか、いただけない果物の滋味を存分に楽しんでください!
いちじく、シークワーサー、すだち、かぼす、ゆず、ぶどう、マンゴー、スイカ、メロン、桃、梨
<魚介類>
魚介類を使って、お盆や夏休みの御馳走レシピに挑戦するのもいいですね。
あなご、あゆ、イワシ、カジキマグロ、かわはぎ、きす、かんぱち、たちうお、すずき、あわび、あおりいか、するめいか、くるまえび
お寿司の定番のこはだ、さざえ、まだこ、うに等は旬も終盤をむかえています。
トマトが野菜になった日
フランス語で「愛の林檎」イタリア語で「黄金の林檎」、日本では「唐柿」とよばれた夏の定番野菜は?
答えは夏野菜の代表格トマトです。
トマトは、スイカやメロン、イチゴと同様、野菜か果物かでしばしば議論されてきました。国によって、野菜だったり果物だったりするようです。面白いですね。
アメリカでは、1887年当時、野菜に対して10%の関税が課せられたのに対して果物は除外されていました。このため、輸入業者はトマトは学術的には果実なので関税の対象外と主張したのに対し、1893年米国最高裁判所でトマトは野菜で、関税の課税対象であるという判決がくだされ、トマトはいまや野菜として流通しています。
日本では、農林水産省によると、苗を植えて1年で収穫する草本植物は「野菜」として取り扱っています。一方で、目安として2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」としています。キュウリ、ナス、トマト等は、1年以内で収穫するものですが果実を頂くということで、農林水産省では「果菜類」に分類し、果実を食用とする野菜と定義しています。
トマトは、グルタミン酸、アスパラギン酸などのうまみ成分が多いため、生食だけでなく加熱料理にもかかせないものとなっています。
日本で昆布だしやかつおだしが、様々な料理に使われてきたように、南欧州の地中海沿岸地方では、18世紀頃からトマトが料理のベースとして親しまれてきました。その代表格がトマトソースです。
イタリアでは、トマトの値段が下がる時期に、各家庭で一年分のトマトソースをつくるのが、家族総出の季節仕事となっているそうです。
西洋には「トマトの時期には下手な料理はない」ということわざがあります。フレッシュトマトを使ったパスタなども今の季節ならではの楽しみですね。缶詰のトマトよりも、もう一段上の味わいです。お試しあれ。
参照:
カゴメ株式会社/トマト大学 栄養学部
旬の保存食に挑戦!!
夏休み中の子どもたちと一緒につくってもよいですね。
【トマトクリュ】
「クリュ」はフランス語で“生の”という意味。冷蔵庫で約1週間、ファスナー付きポリ袋に入れて冷凍庫で3か月保存でき、煮詰めればピュレにすることができます。トマトピュレから、様々なソースを作ることができるので、旬のトマトが大量に手に入ったときは、トマトクリュを作って保存しておくと便利です。ガスパチョなどの他、スープやオムレツの具、ピザのソースに。
<材料>
トマト 15個(約3
砂糖 小さじ1
<作り方>調理時間目安10分3
1. トマトのヘタをとって3cm角くらいに切りボウルに入れる
2. 1に塩、砂糖を加え、手でトマトをつぶしながら、よく混ぜてなじませる
※ピュレにする場合は、ミキサーにかけ、中火で時々混ぜながら、約1時間煮詰めます。トロリと約半分の量になればOKです。
【オイルサーディン】
旬のイワシを香味野菜と一緒に蒸してオイルにつけます。レモン汁や柑橘の汁を使うので、さっぱり仕上がります。パスタやサンドイッチ、ビールやワインなどお酒のおともに。作ってすぐいただけて、10日間ほど冷蔵庫で保存がききます。
<材料>
イワシ 5匹
塩 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
たまねぎ(薄切り) 1/6個
ニンジン(細切り) 1/6本
ローリエ 1枚
イタリアンパセリ 一枝
レモン 1個
オリーブオイル 容器にかぶるくらい
<作り方>調理時間目安1時間20分
1. イワシの頭と尾を落とし、腹に切り目をいれて内臓を取り除く、腹の中をきれいに洗い水気をふく
2. 塩と砂糖をまぜ、イワシの腹に適量まぶす。続いて、イワシの表面全体にも、残りをまぶし、室内に1時間ほどおく
3.イワシからでた水気をふいて、耐熱容器に並べ、薄切りにしたたまねぎ、細切りにしたニンジン、ローリエ、イタリアンパセリをのせる。さらにレモンを半分にきって絞り汁をすべてかけ、水1/2カップ(分量外)を加える
4.蒸気があがった蒸し器で弱めの中火で、3の耐熱皿を1時間ほど蒸してとりだす
5. 冷ましたら、イワシと香味野菜を密閉容器に移し、オリーブオイルをかぶるくらい加える
参照
荻野 恭子(著)「とっておきの保存食 安心手しごと90品」NHK出版
それぞれの体調や環境に合わせ、夏ならではの楽しみを味わいましょう。今月も心と体がつながる自分らしい時間をお過ごしください。