食べ物でいえばカップラーメン、レジャー分野ではカラオケ、スポーツなら柔道、ボードゲームのオセロなど、様々な分野で日本発のモノやサービスって結構ありますよね。今回は今や世界中の人が当たり前に使っているものの中から、日本人にはあまり知られていない“実は日本発のもの”を5つご紹介します。
1.QRコード(R)
スマートフォンのカメラ機能などを使って簡単に情報を読み込むことができる「QRコード(R)」。愛知県にある「株式会社デンソーウェーブ」という企業が1994年に開発しました。
主に製造や物流分野の製品管理用に開発したものですが、現在では支払いなど決済の場面でも使用されているほど多方面に用いられています。今やどこでも目にするQRコード(R)ですが、急速に普及した理由として開発者による特許の開放があげられています。誰でも気軽にQRコード(R)を使用できるようにしたことで、当初の想定を大幅に超えて世界中で利用されるようになりました。
2.カメラ付き携帯電話
現在はスマートフォンや携帯電話で簡単に写真を撮影できる時代になりました。このカメラ機能を付けた携帯電話を世界で最初に開発したのが京都府にある「京セラ株式会社」という企業です。
1999年9月にDDIポケット(現ソフトバンク)より発売された「VP-210」という機種が発表されて以降、各社が競ってカメラ機能付き携帯電話を開発。インターネットに接続できる携帯電話と撮影したデジタル画像の親和性が高く、若い世代に爆発的なヒットとなりカメラ機能付き携帯は進化の一途をたどります。今やカメラ機能を持たないスマートフォンや携帯電話を見ることは、ほぼなくなりました。
3.全身麻酔
今日の外科手術において必要不可欠とも言える全身麻酔ですが、世界で初めて全身麻酔の手術に成功したのは江戸時代の医師・華岡青洲(はなおかせいしゅう)です。
1804年10月13日に全身麻酔の下、乳がんの摘出手術を行っており、記録が残る中で世界最古の全身麻酔手術として認定されています。青洲が用いた手法は、現代の全身麻酔の技術とは全く異なるものでしたが、1846年のアメリカでエーテルを用いた全身麻酔手術の成功より40年以上も前のことでした。
4.点字ブロック
視覚障がい者を安全に誘導するため、地面や床面に敷設されている点字ブロック(正式名称:視覚障害者誘導用ブロック)は、1967年に岡山県で初めて敷設されました。
その後、様々な点字ブロックが製造されましたが、視覚障がい者から「統一してほしい」との声が増加し、2001年に日本工業規格(JIS)により突起の形状・寸法及びその配列が規定されました。2012年にはJIS規格にならった点字ブロックについての国際規格も定められ、現在では世界中で同一規格の点字ブロックが設置されるに至っています。
5.絵文字
電子メールやオンラインチャット、SNSなどのコミュニケーションツールで多用される絵文字の発祥も日本です。絵文字が生まれたのは1990年代後半のことで、当時、NTT Docomoのエンジニアであった栗田穣崇(しげたか)氏が設計しました。
携帯電話のキャリアメールなどで送る文字数が限られていた当時、1つのアイコンで意思の疎通ができたり、無機質な文章に色を添えたりできる絵文字は若者を中心に流行しました。2000年代に入るとGoogleのGmailやAppleのiPhoneでも絵文字が使用できるようになり、絵文字は「emoji」と呼ばれて世界に広がっていきます。
2015年4月、当時の日本の総理大臣とオバマ元大統領との会談の中で、オバマ氏が「日本発祥で世界的に普及した代表的な文化のひとつ」としてこの「emoji」を挙げています。