テレワークなどで通勤が少なくなったことで運動不足を感じ、ランニングをはじめた人もいるかと思いますが、そろそろ走ることが退屈に思えてきたのではないでしょうか。マラソン大会も中止や延期が多く、空気を読むとちょっと申し込みしづらいところ。
だったら走れるようになったことを活かして、小さな旅ランをしてみてはいかがでしょう。5kmから10kmくらいの距離を数時間かけて、観光しながら走るというのは普段のランニングと違った楽しみがあります。ここではそんな小さな旅ランのコツをご紹介します。
旅ランは目的地までたどり着けなくてもOK
まず旅ランをするときに、とても大事な心得についてお話しします。それは目的地に到着することが目標ではないということ。たとえば小さな旅ランとして新宿駅から東京駅まで走るとして、東京駅までたどり着く前に走るのをやめてもOKです。
最後まで走り切ることよりも、走っていることを楽しめればそれで旅ランは成功。途中でステキなカフェを見つけたなら休憩も兼ねてお茶をするのもいいですし、ポカポカ陽気の日に芝生の公園を見つけたら、そこでのんびり昼寝するのもあり。
結果的に走った距離が5kmにも満たなくても、少しも気にする必要はありません。そういう意味では、電車の線路沿いなど、途中で切り上げやすい場所を走るのがおすすめ。最後まで走らなくてもいいという考えになれば、とても気楽になります。
銭湯や温泉をゴールにするのがおすすめ
目的地まで走り切る必要はないとお伝えしましたが、目的地はきちんと設定しておきましょう。旅ランに慣れると、目的地なしで自由に走れるようになりますが、いきなり自由を与えられても、どうしていいかわからなくなります。
そこにたどり着けるかどうかは別として、どこからどこまで走るかは決めておきましょう。そのときのゴールにおすすめなのが、銭湯や温泉などの入浴施設です。入浴施設をゴールにすれば、走って汗をかいた状態で、そのまま電車やバスに乗らなくて済みます。
気をつけてもらいたいのが、銭湯は休日が休みになっていたり、営業時間が短くなっていたりするという点です。大抵の入浴施設はGoogle Mapで営業時間を調べられますので、計画を立てるときに、営業時間を事前に確認しておいてください。
入浴施設を利用するということは、着替えを持って走る必要があります。トレイルランニング用のバックパックが売られていますので、10L以下の小さなサイズのものをひとつ買っておきましょう。
ランニングとウォーキングを組み合わせよう
ランニング中は歩いてはいけないという思い込みがある人もいるようですが、旅ランはむしろ積極的に歩くのがコツです。上り坂は歩けばいいですし、駅前の繁華街などの人が多い場所は走らずに歩くのがマナー。
旅ランの途中で食事をしたなら、食後30分は内臓への負担を考えてウォーキングにするなど、とにかく意識的に歩いてください。歩くことで景色の見え方が変わり、走っているときには見落としていた何かに気づけることもあります。
走りたい気分になったら走り出し、少し疲れたなと感じたら歩く。これを繰り返して目的地を目指しましょう。もちろん歩いていて気になった場所があれば、どんどん寄り道もしてください。寺院や風景のよさそうな高台、下町の雰囲気が残る路地。気の向くままに進行方向を変えていきましょう。
小さな旅ランに慣れてきたら海沿いや里山なども走ってみよう
小さな旅ランを何回かやっていると、自分が1日で走れる距離がわかってきます。そうなると途中で切り上げることを考えずに旅ランのプランを組めるようになります。10km走れるとわかれば、途中にエスケープするための駅がなくても、不安なく旅ランできるわけです。
そうなったときにおすすめしたいのが海沿いの道や里山のトレイル。海沿いは美しい景色と潮の香り、里山は季節ごとに変わる風景を満喫できます。それぞれに魅力があり、普段のランニングとは違った気持ちでランニングと向き合えます。
そのような自然に近い場所を走るときには、おにぎりなどを持っていくのがおすすめ。途中の景色がよいところで食べるおにぎりは、子どもの頃の遠足で食べたお弁当のように、どんなご馳走よりも美味しく感じるはずです。
小さな旅ランをするようになると、目の前に広がるすべての道が自分にとってのランニングコースになります。そう思うとワクワクしてきますよね。今よりもさらにランニングを楽しみたいという人は、ぜひランニング日和の休日に、小さな旅ランをはじめてみてください。