秋の風物詩”イチョウ”。絵に描いたように美しい黄色に色づいたイチョウ並木は、日本の秋を彩る風景として欠かせません。身近な街路樹であるイチョウですが、樹木にオスとメスがあることを知っていましたか?
秋も深まり、だんだんと肌寒い季節になってきました。今年もそろそろ紅葉のシーズンです。北海道・東北ではすでに紅葉が始まっている地域もあります。今年の紅葉をもっと楽しむために、今回はイチョウの秘密をご紹介します!
イチョウはどうして紅葉するの?
そもそも、イチョウはなぜ黄色に葉を染めるのでしょうか?
イチョウのように冬に葉を持たない樹木を落葉樹といいます。落葉樹は、日照時間の長い春から夏にかけて光合成を盛んに行い、栄養を作ります。秋になり日照時間が短くなると、光合成により生成される栄養がだんだんと少なくなるため、光合成をやめて冬に向けて葉を落とします。日照時間が短く日差しが弱い冬は、葉をつけていると光合成で生成できる栄養よりも、葉を維持するために使用する栄養のほうが大きくなってしまうのです。冬に葉を持たないのはこのためです。
「木々の冬支度」というように、イチョウの紅葉(黄葉)は冬に向けて葉を落とす準備の過程で、葉に存在する色素の変化で起こります。春から夏に葉が緑色をしているのは、光合成において必要な「クロロフィル」の持つ緑色の色素が葉内に多く存在するためです。秋になると樹木は光合成をやめる動きをはじめ、不要となったクロロフィルは分解されて減少します。すると、イチョウの葉に元々存在する「カロテノイド」という黄色の色素が目立つようになり、葉が黄色に色づくのです。
イチョウにはオスとメスがある?
種子植物と聞くと、一つの花の中にめしべとおしべをもっているイメージがありますが、なかには「雌雄異株(しゆういしゅ)」といい雌花と雄花を別の個体に持つものもあります。イチョウも「雄雌異株」のひとつであり、樹木がオスとメスに分かれているのです。では、イチョウのオスとメスはどうやって見分けるのでしょうか?
秋にイチョウ並木を歩いていると、落ちたぎんなんの強烈なにおいが鼻につく…。そんな経験が一度はあると思います。そのぎんなんこそ、メスとオスを見分ける手段のひとつなのです。ぎんなんのついた木が「メス」、ついていない木が「オス」となります。イチョウは幼木の時点では樹木のオスメスの判断がつかず、植樹もオスメスがわからないまま行います。樹木が成長して花が咲き、受粉がおこると、メスの樹木にのみイチョウの種子であるぎんなんが実るのです。イチョウ並木を訪れた際は、ぎんなんの有無を見比べて樹木のオスメスを見分けてみるのも面白いですね。
紅葉(黄葉)の見頃はいつ?紅葉見ごろ情報2021をチェックしよう
tenki.jpの「紅葉見ごろ情報 2021」では、全国各地の紅葉見ごろ情報を掲載しています。お住まいの地域の紅葉スポットをチェックして、週末のお出かけ先を決めるときの参考にしてみてはいかがでしょうか?今年の秋も存分に紅葉を楽しみましょう!
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