暑かった夏も終わり、スポーツの秋となりましたが、残念ながら今年は全国各地で多くのマラソン大会が中止を発表しています。ただし完全に中止するのではなく、「オンラインマラソン」という形での開催を発表しているマラソン大会もあります。
少し気になってはいるものの、これまでにない取り組みということもあって、参加を躊躇している人も多いかと思います。そこで今回はオンラインマラソンの基礎知識と、安全に楽しむためのコース選びについて、わかりやすく解説していきます。
オンラインマラソンとは?
オンラインマラソンは、GPS付ランニングウォッチやスマートフォンなどを使って行うマラソン大会です。決められたコースではなく自分の好きな場所を走ることができるのが特長で、これまでのように開催地に行く必要がありません。
スタート時間も自由で、決められた開催期間に好きなタイミングでスタートできます。大会によっては1週間程度の開催期間を設定して、台風などの悪天候でのランニングを回避できるように考慮されています。
1.大会申し込みページからエントリー
2.開催期間中にランニングアプリで計測しながら参加種目の距離を走る
3.走った結果をアップロードする
オンラインマラソンの基本的な流れはこのようになっていますが、大会によってはエントリーとランニングアプリが連携しており、指定されたアプリを使って走るだけで記録が自動的にアップロードされます。
ランニングアプリでの計測には、スマートフォンが必須になります。計測そのものはGPS付ランニングウォッチで行い、その結果をランニングアプリに反映させてもOKです。ただし上手く連携できないこともありますので、事前に確認しておきましょう。
大会ごとの個性を比較して参加する大会を選ぼう
これまでのマラソン大会では、フルマラソンにエントリーするのに1万円前後の参加費が必要でしたが、オンラインマラソンの参加費はほとんどが5,000円以下で、いわて盛岡シティマラソンのように参加費を無料としている大会もあります。
いずれの大会も基本的には完走証が発行され、富士山マラソンのように完走メダルが用意される大会もあります。参加賞については大会ごとに異なり、Tシャツや開催地の名産品などが参加者全員に配られるケースもあれば、抽選方式にしているケースもあります。
どの大会も参加者を増やすために、ユニークな参加賞を用意しているのが、オンラインマラソンの魅力のひとつです。参加費も大会によって違いますので、まずは気になる大会をリストアップして、参加賞や参加費を比較してエントリーする大会を決めましょう。
また、オンラインとはいえマラソン大会にエントリーすることで、目先の目標ができます。公式記録にはならないため、自己ベスト更新を狙うことはできませんが、それでも少しでもいい走りをしようという気持ちが湧いてきて、練習に対するモチベーションがアップします。
また、オンラインマラソンとはいえ、通常のマラソン大会のようにトレーニングを積み重ね、コンディションを整えることで、より高い満足感を得ることができます。参加するからにはしっかりと準備をしてベストを尽くしましょう。
【参考】
富士山マラソン2020
いわて盛岡シティマラソン2020
安全であることを最優先にしてコースを決める
オンラインマラソンは通常のマラソン大会と違い、エイドステーションがなく救護をしてくれる人もいません。自分で給水や給食を用意して、さらには安全にも注意して走る必要があります。このため、どこで走るかというのがとても重要になります。
・歩道と車道が分かれている
・信号がない
・給水や給食を摂りやすい
オンラインマラソンを楽しむには、この3つを意識したコース設定を行いましょう。まず安全であるということで、車との距離が近くなるような道は避けてください。また信号でのストップは思った以上にロスになります。できるだけ信号のないコースを作りましょう。
そう考えると理想なのは、河川敷かランニングコースのある公園です。いずれも周回コースにすることができ、自分でエイドを用意することで手軽に給水や給食を摂れます。同じコースをグルグル回るのは苦手という人には向いていませんが、安全面を考えると最適なコースになります。
気をつけてもらいたいのは、体に異変を感じたらすぐに止まるということです。フルマラソンは思った以上にリスクのあるスポーツです。秋とはいえ気温が高い日には熱中症になる可能性もあります。そういうときに無理に走って倒れると、周りの人に迷惑をかけてしまいます。
それでは楽しむどころではなくなってしまいますので、いつも以上に「無理をしない」を心掛けて、オンラインマラソンを実施しましょう。