9月9日は重陽の節句です。 「菊の節句」「栗の節句」ともいわれ、菊の花びらを浮かべたお酒や栗ご飯をいただく風習があります。暦の上では秋の風情ですが、食卓ではまだまだ夏野菜が活躍する暑さですね。
今回は、天ぷらや焼き鳥に欠かせない「ししとう」についてご紹介します。たまに当たる「激辛」も、ししとうならではの刺激的な楽しみ!?辛いししとうの見分け方も知っておきましょう。
トウガラシ属の「甘味種」に所属
ししとうは「獅子唐辛子」の名称からもわかるように、ナス科のトウガラシ属に分類されています。先端のくぼみが獅子の口に似ていることから名前がついたそうです。ピーマンやパプリカと同様に、辛みの少ない甘味種(かんみしゅ)に属しています。
栄養面ではビタミンC、Eに加えてβ-カロテンも含み、食物繊維も豊富。甘味種でありながら、辛味種のとうがらしと同じカプサイシンを含んでいるのも特徴です。油との相性が良く、炒めると皮が柔らかくなってかさが減るため、一度に多くの量を摂りやすいメリットがあります。じゃこと炒めあわせたり、天ぷらにすると甘みが増して美味しくいただけますね。
一方で、たまに当たる「激辛」の存在は無視できません。ほぼとうがらし並みの辛さに悶絶する前に、辛いししとうを見分けるコツを知っておきましょう。
「辛いししとう」を見分けるには?
辛いものが苦手な人はもちろん、たとえ激辛好きでも心の準備なしに予想外の辛さに遭遇するのは避けたいですよね。
辛いししとうを事前に見分けるには、まずは形をチェックしてみましょう。曲がっていたり、ちぢれ気味で小ぶりなもの、形がいびつなものは辛い確率大!逆に、すんなりと真っ直ぐな形のししとうは、ほぼ確実に辛くありません。
また、切ったときになかの種が少ない場合は辛い可能性があります。切らなくても、触ってみて中身がしっかり詰まっているか確認するとわかりますね。小ぶりでちぢれ気味のししとうは、なかの種も少ない場合が多いようですよ。
ししとうを調理するときは、目で見て、手で触って、事前に確認してみましょう。
ストレスが辛みの原因に!?
なぜししとうには、激辛なものが存在するのでしょうか。そこには、ししとうが育った環境が影響するようです。
原因は、乾燥した天候や水分不足などによるストレス。ししとうは青唐辛子の辛み成分を抜いて、食べやすく品種改良したものです。そのため強いストレスを受けると、もともともっていた辛み成分をつくる遺伝子が通常より活発に働いてしまうのだとか。
ししとうは、極端なストレスを受けると辛くなってしまうのですね。激辛に当たったら、そのししとうはなにか辛いことがあったのかもしれません。そう考えると、激辛ししとうにも同情の余地があるような気がしてきます。
残暑が続きそうですが、私たちもなるべく暑さを避けて、適度に水分補給しながら、ストレスをためないように過ごしたいものですね。
・参考文献
吉田企世子『旬の野菜の栄養辞典 最新版』エクスナレッジ
・参考サイト
Jタウンネット東京都
JAグループ福岡