リモートワーク、自宅待機、休校…家にいるのに忙しい中、気がつけば走り梅雨(はしりづゆ)の頃となりました。ここら辺でひと息つきたいものですね。そんな時不思議とページを開くだけで癒しをくれる本を手に取ってみるのはいかがでしょう。小さなお子様はもちろん、大人が読んでも心癒される2冊をご紹介します。
※走り梅雨…季語・本格的な梅雨が始まる前5月下旬ごろに梅雨を思わせるように降る雨を言う。
親子で一緒に『たいせつなこと』
まず1冊目は『たいせつなこと』(英語名 The Important Book)です。マーガレット・ワイズ・ブラウンの文とレナード・ワイスガードの絵で、1949年に発表されて以来世界各国で親しまれて来たこの絵本は、花や緑、雨や雪、空など自然をはじめ、スプーンや靴など身のまわりに常にあるものの一番大切なことを気づかせてくれます。そして最後のページで「あなたにとっていちばんたいせつなこと」が待っています。それは「あなたがあなたであること」、とてもシンプルですが心に滲みるひとことですね!
翻訳を手がけた内田也哉子さん曰く「少しココロが疲れていた時に出会った」そうです。誰もが不安を抱えている今、読むだけでココロがあたたかくなる一冊です。全てひらがなで書かれていますので親子で一緒に楽しめるのも良いですね!
あるおとなに捧げられた一冊『星の王子さま』
もう一冊はサン=テグジュペリの『星の王子さま』です。1943年の初版発行以来1945年にフランスで1953年には日本で出版され、これまで200以上の国と地域で翻訳され読み続けられて来ました。表紙を開くと「レオン・ウェルトに」と、献辞の文章から始まります。この物語は、サン=テグジュペリが離れて暮らしている友人「子供だったころのレオン・ウェルト」に捧げていることが分かります。子供はいつか大人になるし、大人もかつては子供でした。物語は王子さまが自分の生まれた星に一輪の薔薇を残して旅立ち星々をめぐるところから始まります。7つ目に訪れた星が地球です。サハラ砂漠で、飛行機の故障で修理中の飛行士に出会い、1週間を過ごしますが…。
この物語のテーマも「たいせつなこと」です。旅の途中でキツネから教えられたキーワードは「かんじんなことは目に見えない。心で探さないとね。」
王子さまは自分の星に置いて来た一輪の薔薇をずっと忘れません。群れ咲く薔薇に出会いよけいに想いを強くします。私たちも多くのことに気を取られてたった一つのたいせつなことが見えなくなってはいないでしょうか。王子さまをはじめ登場人物に自分を重ねて想像してみてください。忘れていた何かが見えるかもしれません。そして読み終えたら、星空を眺める気持ちがほんの少し変わっているかも…?
もっといろんな本を探してみよう!
もっとおすすめしたい本はたくさんあるのですが、筆者からはこのくらいにして…みなさんの愛読書や懐かしい本を取り出してみてください。
もし、今手元にない方やもっといろんな本を読んでみたいと思う方へ、オンラインで図書探しという方法もあります。今回はご紹介した絵本や児童文学は優しい気持ちになれるので0歳から大人まで心を癒す一冊を探せるサイトはこちらのリンクからご参照くださいね。みなさんが心癒される一冊に出会えますように願っております。