夏本番!海が楽しい季節になりました。海水浴場では整備がなされていたりネットが張られていて、危険な海の生き物が入ってこないように対策がされているところが多いですが、それでも、周りには気を付けておきたい海の生き物がたくさんひそんでいます。危険を避けて、楽しく遊んで帰れるようにしましょう。
まずは心構え。大人も子どもも知っておこう
☆一緒に遊ぶ人は、常に、お互いの視界の中に
普段には見ない物に興味津々、という経験は誰しもが持っているのではないでしょうか。特に子どもは、好奇心が旺盛です。磯遊びなどでは、小さな体で身軽にひょいと遠くまで行ってしまうことも。場所によっては波に足元をすくわれてしまうことも。何かあってもすぐ分かるように、お互いの目が届く範囲にしましょう。
☆基本は観察!知らない生き物には触らない
海にはたくさんの生き物がいますが、よく知らない生き物に気軽に素手で触れるのはやめましょう。身を守るために攻撃してきたり、毒を持つものやトゲがあるものなどがいます。きれいな貝殻でも、中に住んでいる生き物に毒があったりと、意外な危険が。
☆何か起こった際の連絡先も確認しておきましょう。
【118】海上保安庁
磯や海上における事件・事故は海上保安庁に連絡しましょう。
【119】救急車
重大な病気・怪我は救急車に連絡しましょう。
気をつけたい生き物 ウニ・ヒトデの仲間
☆ガンガゼ
とても細長いトゲを持っているウニの仲間です。毒があるだけではなくトゲが折れやすいので、万が一、体に刺さってしまった際に取り除くのも注意が必要です。
☆オニヒトデ
サンゴ礁に生息する大型のヒトデです。サンゴの裏側に隠れていることが多く、毒のあるトゲが体表にあります。刺されてしまったら、医療機関を受診しましょう。
☆ラッパウニ
磯で多く見ることができるウニの仲間です。体にゴミや石などをたくさんつけています。ラッパ状のトゲに毒があります。
気をつけたい生き物 サンゴ・クラゲ・貝の仲間
☆イモガイ
綺麗な貝ですが、毒のある銛を持っています。種類によってはかなり強力な毒を持つものもいて、刺されたら至急医療機関を受診する必要があります。
☆イラモ
イソギンチャクに似ていますが、クラゲの仲間です。触ってしまうと痛痒く、数日〜数週間にわたり痛痒さが続くこともあります。
☆カツオノエボシ
とても長い青色の触手にたくさんの「刺胞」と呼ばれる細胞を持っています。「刺胞」には毒のある針があります。海面に浮き袋のようなものを見かけたら、すぐに離れましょう。打ち上げられていても、触らないようにしましょう。刺されてしまったら、速やかに医療機関を受診してください。
気をつけたい生き物 魚の仲間
☆ハオコゼ
磯で多く見られるカサゴのの仲間です。小さくて赤や茶褐色の体色をした可愛らしい魚ですが、背びれや目の下にトゲがあり、触るとかなり痛みます。
☆ミノカサゴ
磯の浅い場所でも見られることがあり、美しい姿をしていて食用としても美味しい魚ですが、背ビレや腹ビレなどに毒があるトゲを持っています。
☆ウツボ
鋭い歯を持っています。基本的に温和な性格のため、攻撃してくることはほとんどありません。しかし、小魚などを捕食する肉食性なので、ウツボの口の近くに手を置かないように注意しましょう。歯に毒はありませんが、咬まれると大怪我をする可能性があります。また血液、種類によっては粘液が有毒とされており、ウツボを触った後に目をこすったりしないようにしましょう。
☆ダツ
光に向かって突進していく習性があります。電灯などで海を照らす際には十分気をつけましょう。また、歯も大きくて強く、びっしりと生えているので咬まれないように気をつけましょう。
気をつけたい生き物 カニの仲間
エビやカニなどの甲殻類は、食べて中毒を引き起こすことはありますが、触って危険なものは少ないです。しかしハサミを持つカニ類などは注意しましょう。磯でよく見かけるイシガニやガザミなどは強力なハサミを持っていて、挟まれると危険な種類もいます。
参考
磯採集ガイドブック/荒俣宏・さとう俊・荒俣幸男 阪急コミュニケーションズ