8月が目前に迫り、夏らしい日差しを感じる日が増えてきました。やっと、夏本番!夏らしいさわやかなファッションを楽しみたいですね。“デニム”の青はぜひ、取り入れたいアイテムの一つ。最近は、夏でも履きやすい薄手の“ジーンズ”やショート丈の“ジーパン”も続々登場しています。
ここでちょっと質問です! デニムとジーンズ、ジーパンという言葉、きちんと使い分けていますか? 今日は、知っているようで知らない「デニム・ジーンズ・ジーパン」の意味をレクチャーします。
デニムとジーンズの違いを言えますか?
「デニムとジーンズは何が違うの?」と聞かれると、返答に困ってしまいます。その違いを簡単に説明すると……
●デニム……生地の種類。綾織の厚地の綿布のこと。デニム生地で作られた衣類を指す場合もある。
●ジーンズ……デニム地または他の綿生地で作られたカジュアルなズボンのこと。
●ジーパン……ジーンズの和製英語。
さらに細かくひも解くと、「デニム」はフランス、ニーム産の綾織の布地を意味する「Serge de Nîmes(セルジュ・ドゥ・ニーム)」が語源と言われています。その言葉の「ニーム産」を意味する部分が短縮され「denim」となりました。
ただし、「セルジュ・ドゥ・ニーム」はウールや絹が使われていて、現在のデニム生地とは異なる織物だったそう。なぜ、ジーンズを作る厚い綾織物をデニムと呼ぶようになったのかは、実はあまりよくわかっていません。
「ジーンズ」という言葉の語源は、イタリアのジェノバが関係します。17世紀頃、ジェノバはアメリカをはじめ世界各国に物資を輸出する集積所として栄えており、その船員たちが履いていたパンツの綿布のことを、「ジェノバ製」を意味する「Genes(ジェンズ)」や「ジェノバ人」を意味する「Genoese(ジェイノーズ)」と呼んでいました。それがアメリカにわたって「ジーンズ」という言葉が生まれたと考えられています。
「ジーパン」は、ジーンズを表す和製英語で、「ジーンズ生地のパンツ」を略したという説と、アメリカの軍人(G.I.)が履いていたパンツという意味の「Gパン」とする説があります。
ジーンズがインディゴブルーなのはなぜ?
最後にもうひとつ、ジーンズにまつわるトリビアをご紹介しましょう。
ジーンズといえば「インディゴ(藍色染料)」を想起しますが、なぜジーンズは、インディゴで染められたのでしょうか?
「ジーンズ」と呼ばれるズボンが作られたのは、ゴールドラッシュに沸く19世紀のアメリカ。鉱山で働く作業員のために、仕立て屋のヤコブ・デービスが織物の卸業社「リーバイ・ストラウス社」から仕入れたキャンバス生地を用いてワークパンツを開発・発売したのが始まりです。
当時のカラーは、生成りのままでしたが、その後、天然インディゴに含まれる殺虫成分に注目して、ジーンズを染めたといわれています。殺虫効果はほとんど得られなかったようですが、インディゴブルーに染色されたジーンズは、これまでにないファッション性と汚れが目立ちにくいという機能性を兼ね備え、大評判になりました。これがジーンズ=インディゴが定着した理由です。
作業着から始まったジーンズですが、いまや大人のワードローブに欠かせないアイテムとなりました。
厚手の生地ゆえ「夏はちょっと避けたい……」という声も聞こえてきますが、最近は生産各社において生地やデザインに工夫を凝らした「夏ジーンズ」をリリースしています。
── デニム・ブルーに白Tシャツ……。このシンプルでかっこいいスタイルも、実はモデルのように着こなすのはとても難しい、といわれます。夏ジーンズを上手に取り入れ、今夏はさわやかなファッションを楽しんでくださいね。