実りの秋です。秋は全国で農産物が収穫され、デパートでは日本各地の物産展が催されます。この物産展、とりわけ人気なのが「北海道物産展」です。全国どこのデパートでも北海道物産展を開くと必ず大勢の人が押し寄せます。そしておかしなことに、北海道の各地でも北海道物産展が開かれ、地元の物産展であるにもかかわらず圧倒的な人気のようです。なぜ日本人は北海道物産展が好きなのでしょう。
魚介類、野菜、肉、乳製品、豆、麦、米、スイーツ…。北海道はおいしいものの宝庫!!
北海道のおいしいものといえば、何を思い浮かべるでしょう。
魚介類だとウニ、イクラ、カニをはじめ、サーモン、エビ、イカ、タコ、サンマ、アワビなどなど。お好みで海鮮丼を作るとなると、具をどれにしようか迷ってしまいます。また、昆布も獲れるのでダシもよし。タラとタラコ、ニシン、カレイなど、刺身以外で食べる魚介も豊富です。
野菜はなんといってもジャガイモ。夏はアスパラとトウモロコシ。秋はカボチャ、ニンジン、玉ネギ、長イモ。北海道には、獲れたてがおいしいものと熟成させて旨味が増すものとどちらもあり、種類も豊富です。
肉はジンギスカンで使う羊肉をはじめ、牛肉、豚肉、鶏肉も良質。ハムやソーセージなどの加工品も人気があります。
そして乳製品。牛乳自体がおいしいので、ヨーグルトやアイスクリーム、チーズももちろんおいしくなります。ソフトクリームのおいしさは格別です。
小豆も生産しているので、アンコを使った和菓子も豊富です。NHKの朝ドラで作られた「おバタ餡サンド」のように、アンコと乳製品がコラボしたスイーツもたくさんあります。
小麦などの麦類も収穫されるので、パンやパスタ、うどんやスイーツもすべて道内産で作ることができます。最近では北海道米のおいしさが増し、ブランド米が特Aランクに評価されています。
人気の「北海道」ブランド。遠いところからおいしいものがやってきた!
テレビやインターネットでは北海道のグルメがよく紹介されます。おいしいものの種類がものすごく多く、ぜひ食べてみたい!!と思っても、本州以南に住んでいる人にとって北海道は遠いので、なかなか行く機会がありません。そんな時に自分の住む街に北海道物産展がやってきたら…、やはり行ってみたくなりますよね。
めったに行くことができない北海道からやってきた物産展。実際に行ってみると、魚介類をはじめ野菜やスイーツ、乳製品やラーメンなどが所狭しと並んでいます。物産展に並んでいるものには「北海道の○○」というように、冠に「北海道」がつきます。すると、それだけでブランド化し、ますます北海道のものの特別感が増します。
実際、「北海道」という冠がつかなくてもおいしいものはおいしいのですが、冠がつくことによって、さらにそのありがたみが増す、というわけです。
道民も楽しみ!!北海道でも北海道物産展は大人気
自分の住む県や地方の物産展が開かれたとします。たとえば、大阪市で大阪物産展を、東京で東京物産展をやったとして、大阪や東京の人はどのくらい足を運ぶでしょうか。一つの府県なら日帰りで端から端まで行くことができる距離なので、地元の物産展はそれほどありがたい感じがしないかもしれません。
それに比べて北海道は、面積が九州8県の2倍ほどにもなる広さ。函館から根室までは東京と鳥取くらい離れています。札幌に住んでいたとしても、道東の魚介類や十勝の乳製品、道北のエビや道南のイカ飯などは、なかなかお目にかかることができません。
また、北海道に住んでいると、地元のテレビ番組などで道内各地のご当地グルメに触れる機会がさらに増えるので、ますます北海道のおいしいものの目が肥えてしまいます。このように、北海道に住んでいても、やはり、北海道各地のおいしいものが集まる物産展の需要は高くなるというわけです。
ラーメン、スープカレー、駅弁、鍋、パフェ…。おいしいものはまだまだある
コーンとバターがたっぷりのった味噌ラーメンをはじめ、エビやホタテ、カニなどの魚介類がドサドサのった塩ラーメン。
地元の野菜と肉をたっぷり使ったスープカレー。
駅弁の人気ナンバーワンのイカ飯をはじめ、石狩鍋やシャケのチャンチャン焼き、札幌のシメのパフェなど、北海道にはまだまだおいしいものがあります。
この秋は北海道のいろいろな味を堪能してみたいですね。
〈参考:北海道開発協会、開発こうほう2007.12「北海道ブランドのこれから 物産展からの考察」〉
今は通販を使えば、北海道からでも新鮮なものが直送されますが、物産展に行って、実際に味見をしたり、店員さんとのやり取りを楽しんだりして買うほうが楽しさも倍増します。行けばあれもこれもと買いこんで、ついつい散財してしまうとわかっていても、やはり北海道物産展となると行きたくなります。収穫の秋、食欲の秋。これから催される北海道物産展が楽しみですね。