今年も本格的な花粉の季節がやってきました。
春は、からだの新陳代謝が活発になる季節。この時期に多くなる風邪や花粉症は、からだの自然な排毒反応とも考えられます。つらい花粉症も、体内毒素を出そうとする自然治癒力のはたらきと捉えると、前向きに乗り越えられそうですね。
今回は、春の新陳代謝に重要な役割を果たす「肝臓」に注目。肝臓をいたわり、パフォーマンスを引き上げるために取り入れたい食材と食べ方ご紹介します。
季節に合った食べ方を知り、心穏やかに過ごすのがポイント
すべての生き物が活動をはじめる春。私たちのからだも、冬の間に蓄積した脂肪や毒素を排出しようと動き出します。そのために重要なのが、血液中のさまざまな不純物を分解・解毒して浄化する肝臓のはたらき。春は肝臓が活発に活動する季節ですが、同時に負担もかかります。 怒りやストレスは、臓器のはたらきを悪くする原因に。いつも気持ちを大らかに保つことを心がけ、今の季節に合わせた食事の仕方を工夫することが、新陳代謝を活発にします。
肝臓疲れのサイン!?イライラ、目の疲れ、やる気が出ない……。
デトックスしたいのに肝臓のはたらきが悪いと、血液の浄化が追いつかず、さまざまな不調となって現われやすいこの季節。自律神経や目の不調、肩こりやけいれんといった筋肉の運動障害。なかなか起きられない、やる気がでない、気分がすぐれないといった状態も肝臓の疲れのサイン。
動物性のタンパク質と砂糖は体内で分解される時に毒素が発生します。この毒素を消すためにフル稼働するのが肝臓と腎臓。臓器に負担をかけないためにも、春先は、肉や甘いものは控えめにしたいですね。
新陳代謝を促す!春に食べたい、5つのおすすめ食材
◆季節の緑黄色野菜・野草
肝臓をいたわり、はたらきを良くするには、旬の緑黄色野菜や野草をいただきましょう。ほろ苦い菜の花、ヨモギやフキ、たらの芽などの野草や竹の子は、春の息吹=生命力を人間にもたらしてくれます。野草には、ビタミンやミネラル、食物繊維、酵素などが多く含まれ、排泄作用があります。ほうれん草、小松菜、春菊、パセリ、ニラなど、カロテンや食物繊維の多い緑色の野菜も食薬になります。
◆伝統発酵食品
塩気のミネラルとクエン酸が含まれる梅干や梅酢は、肝臓と腎臓のはたらきを高めてくれます。アミノ酸と塩気のミネラルが合体した味噌や醤油、漬物もおすすめです。特に、味噌のなかのメチオニンというアミノ酸には、アルコールの酸化物であるアセドアルデヒドを解毒するはたらきや、たばこのニコチンやタールを分解するはたらきがあるので、お酒やたばこを好む人にとって味噌汁は特効薬になります。
◆麦類
五穀のなかでは、大麦が食薬になります。ビタミンB群や食物繊維が豊富なため、腸内環境が整って血液が浄化され、内臓のはたらきもよくなります。白米に押し麦、玄米にはと麦を入れて食べるのもおすすめです。お茶ではハトムギ茶、甘みでは麦芽水飴、パンは小麦のふすまの入った全粒粉のものを選びましょう。
◆やさしい辛みのある食材
大根や玉ねぎ、白ねぎ、生姜などのやさしい辛みは、肝臓のはたらきを高めて血液の流れをよくしてくれます。香辛料が効きすぎた食品は控えめに。唐辛子たっぷりの激辛料理、カレーなどは、肝臓に負担をかけてしまいます。
◆酸味のある果物
あんずやすもも 、クコ、りんご、レモンなど、酸味のある果物も食薬になります。おやつとして、少量をいただきましょう。
イライラ、目の疲れ、やる気が出ない、といった不調を感じたら、肝臓が疲れているのかもしれません。肝臓を労わる5つの食材を意識的に取り入れて、春の新陳代謝を促しましょう!
参考文献
岡部憲二『マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行』ムスビの会 出版部 2016