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初冬も末、第六十候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」となりました


「橘(たちばな)」ときいてもこの時期あまりピンときませんが、「みかんが色づく頃」といったほうが分りやすいかも知れません。古代「橘」は不老不死の理想郷といわれる常世(とこよ)の国から田道間守(たじまのもり)が持ち帰ったといわれています。冬でも木の葉は美しい緑を失わず、黄色く輝く実には生命の力を感じさせます。これから寒くなる時期に明るさをもたらす「橘」のアレコレ見てみましょう。


ミステリアスな「橘」の持つ力って何?

先ほど「みかん」とお話しましたが生で食べられていた「みかん」を古くは「橘」と言っていたということです。夏には花を咲かせて爽やかな香りを放ちます。京都御所の紫宸殿には「左近の桜」とともに「右近の橘」として植えられていますから「橘」は日本を代表する樹木といえますね。『万葉集』を紐解いてみるとこんな短歌を見つけることができました。

「橘は実さへ花さへその葉さへ枝に霜降れどいや常葉(とこは)の樹」

皇族を離れる葛城の王に天皇から「橘」の姓が与えられたときの歌です。葛城の王は聖武天皇の皇后、光明皇后のお兄さんにあたります。臣下に下る葛城の王へ、不良長寿の霊薬として尊ばれた「橘」の名前をと、一族繁栄を言祝ぐ気持ちが込められて明るさに満ちている歌です。身近にいらっしゃいませんか? 橘さんや立花さん、こんな素敵な由緒ある名前なんですよ。

もうすぐお正月! 家々の玄関に飾られる注連縄の真ん中に黄色い実が飾られます。今は橙が使われるようですが、初夏に花を咲かせ実をつけ、秋冬になっても霜に耐えて香りは高く変わらない「橘」実の力を、日本人は伝統の中に守り続けているのです。

京都御所 紫宸殿と右近の橘

京都御所 紫宸殿と右近の橘


ポン酢! ってどうやって作るの?

柑橘系の果物は一年を通して健康にも料理にも欠かせません。甘くってジューシーそして酸味のある冬のみかんは、こたつの上や茶の間の食卓になくてはならない果物ですね。でも冬といえば酸っぱい、ダイダイ・ユズ・スダチ・カボスが活躍する時! そう、ポン酢です。スーパーや食料品店に行くとたくさんのポン酢が取り揃えられていて買うのに迷ってしまうということがあると思います。老舗料亭やユズやカボスの産地が作ったものなど、あれもこれも試してみたくなります。そんな中で手造り派はいらっしゃいませんか? え!? ポン酢って家庭でできるの? はい、意外に簡単です。そしてびっくりするくらい美味しいです。自分で造ったからかもしれません。もしよかったら私のレシピですが試して下さい。味はお好みで自由ですよ!

<ポン酢>

材料:柑橘果汁、醤油、昆布、鰹節、味醂

割合:果汁と醤油は同量、昆布と鰹節はたっぷり、味醂は醤油の2割が目安

<造り方>

材料すべてを広口瓶にいれて1週間、今の季節でしたら常温でつけ込みます。鰹節が盛り上がりますが菜箸でつつきながら入れて下さい。

1週間後に昆布、鰹節を取り出して後は冷蔵庫で寝かせます。

果汁はガーゼで漉すときれいです。茶こしの細かいのでもいいかもしれません。

昆布と鰹節はたくさん入れればその分美味しくなります。

味醂はお好みで加減してください。

わが家では果汁と醤油を100~150ccに鰹節をふた掴み、昆布は大きいのを1枚、こんな感じで造っています。

何ヶ月もねかせると美味しくなるそうですが、あれこれと便利に使える調味料なので、わが家では何ヶ月もする前になくなってしまいます。自家製のポン酢は材料の美味しさが熟成されてなんともいえない味わいとなります。よかったら是非試して下さい!


魚偏に雪、の魚はなに?

魚偏に雪と書いて「鱈」です。北からは雪の便りが聞かれます。「鱈は初雪の後に取れる魚ゆえ、雪に従う」とあるのは江戸時代に書かれた『本朝食鑑』です。鱈が季節の到来も教えていたのがわかります。また鱈の身の白さも雪の魚のゆえんかもしれません。

「品書の鱈といふ字のうつくしや」 片山由美子

「塩辛き鱈を食ひ来て道二つ」   菅原鬨也

料理屋で鱈を味わったふたりの句、片や「鱈」という文字に見とれ、片や友人との語らいの後の別れが詠まれています。どちらも冬の魚らしい静かなそれでいて温かい心持ちにさせてくれます。

鱈は白身のたんぱくな味わいで冬には人気の魚です。12月に入って忘年会のお声もかかる季節は、やはり鍋を囲む機会が増えるのではないでしょうか? 冬至にむかって暗くなるのが早く仕事帰りはすっかりまっ暗、お腹空かして帰る道々あったかい鍋が食べたいなぁ! とつぶやいてしまう、ということもありますね。ポン酢を手造りするのはさておき、鱈ちりなんていかがですか? 心も身体もあったまりますよ!

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