「今年も花粉に悩まされた」、「もしかして花粉症になったかも」と言っている人が周りにもいるのではないでしょうか。今年も多くの花粉が観測されているようですが、その観測方法をご存知ですか?
花粉は「個」で数えている
普段はなかなか見えにくい花粉ですが、どうやってその個数を数えているのでしょうか。
日本気象協会では「ダーラム法」という方法で、スギ花粉とヒノキ花粉を見分けながら目視で確認しています。その方法は以下の通りです。
1. ワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、外(風通しが良く、雨のかからないところ)に置きます。※これにより、飛散している花粉がスライドガラスに付着します。
2. 上記のスライドガラスに染色液をかけてカバーガラスをかぶせます。
3. 顕微鏡でカバーガラス内にある花粉の数を目視で数えます。(実にアナログな方法です!)
4. 数えた花粉の数をカバーガラスの面積(3.24㎠)で割り、1㎠あたりの1日の花粉量として発表します。
例えば、ある1日に1000個のヒノキ花粉を観測したと発表された場合、
1000×3.24=3240となるので、目視で3240個をカウントしたということになります。
飛散量が多い日が続くと、カウンターを持つ手が痛くなるほどだとか・・・
3月末時点で昨年の2.2倍?!
東京都千代田区のスギ・ヒノキの花粉の飛散量ですが、昨年が3,219個(シーズン)だったのに対して今年は7,252個(3月末まで)と約2.2倍の飛散量が観測されました。ただ3月末時点での値のため、シーズンを通してみると昨年よりもかなり多い飛散量となるでしょう。
ヒノキ花粉がとにかく多い…
今年は近年には見られないほど、ヒノキ花粉が大量に飛散しています。3月下旬に気温の高い日が続き、降水も少なかったことから早い時期から大量に飛散したと考えられます。
東京都千代田区では3月中のヒノキ花粉の飛散量が2878.1個で、昨年3月の飛散量の43.6倍となったようです。
また昨年はシーズンを通しても1593.5個の飛散だったため、3月だけで昨シーズンの2倍近い飛散量が観測されているということになります。
4月も半ばを過ぎ、ピークは過ぎていますが、もうしばらくは対策が必要となりそうです。