知っているようで知らない、地球のトリビア第4弾!「建国記念の日」の本日は、大陸に関するトリビアをお届けします。
私たちが住む地球は約24時間で1回転し、さらに回転しながら、太陽の周りを1周約365日かけて回っています。さらに、人々が暮らす大地そのものも、年間数センチずつ移動しているのです。
今からおよそ100年前、ドイツの学者によって唱えられた大陸移動説。当時は奇想天外すぎて受け入れられませんでしたが、その後、研究が進むにつれて再評価されています。
約2億5000万年前、地球上には大陸が1つしかなかった
大陸とはその言葉の通り、大きな陸地です(地質学や地球物理学などでは、花崗岩の層が分布している地域を指します)。
現在、地球の上にはユーラシア大陸(ヨーロッパ大陸、アジア大陸と2つにわけることもあります)、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、南極大陸、そしてオーストラリア大陸と6つの大陸があります。でも、今からおよそ2億5000万年前(諸説ありますが、だいたい2億年~3億年ほど前のようです)の地球上には、パンゲアと呼ばれる超大陸がひとつあるだけでした。
その後、2億年くらい前になるとローレシア大陸とゴンドワナ大陸にわかれ、さらに時を経て、ローレシア大陸は北アメリカやユーラシア大陸になります。一方のゴンドワナ大陸は、アフリカや南アメリカ大陸、南極大陸、オーストラリア大陸になっていったのです。
大陸そのものではなく、大陸を乗せたプレートが移動
大陸の移動というと、大地そのものが動いているようですが、実際には大陸が乗っているプレートが移動しています。地球の表面には大きく7つのプレートがあり、そのほかに小さなプレートがたくさんあります。これらのプレートは、その下にあるマントルの動きによって、年間で数センチ移動しています。同時に、プレートの上にある大陸も少しずつ動くというわけです。
プレート同士が接しているところでは、互いに押し合うことで大きな圧力がかかります。このエネルギーが何かのきっかけで解放されると、その衝撃で地面が揺れます。これが「地震」です。
また、ふたつのプレートが押し合うことで、地面が押し上げられることもあります。
世界最高峰のエベレストを含むヒマラヤ山脈は、アジアプレートの下にインドプレートがもぐりこむことで地面が盛り上がってできた山脈。プレートが動き続けているため、ヒマラヤ山脈の成長は、今なお止まっておらず、少しずつ高くなっているのです。
世界地図を見て大陸が動いていることに気が付いた
大陸が移動することを最初に唱えたのは、ドイツの気象学者であり地球物理学者でもあった、アルフレッド・ウェゲナーという人です。
今からおよそ100年前、世界地図を見ていたウェゲナーは、アフリカ大陸西側と、南米大陸東側の海岸線の形が似ていることに疑問を持ちます。そこから「はるか昔、大陸はひとつだったのでは?」という仮説を立てたのです。この説は1912年に発表され、1915年には著作として刊行されました。しかし、当時は大陸が移動する理由が説明できず、受け入れられなかったのです。ウェゲナーはその後、グリーンランドを探検する中で遭難してしまいます。
1950年代以降、彼の唱えた大陸移動説は、地震や火山活動のメカニズムを説明するプレートテクトニクスの研究が進む中で再評価を受けていきます。今では大陸が移動していることが、ごく当然のこととして受け入れられているのです。
── 大陸が移動するというスケールの大きな発想が、世界地図を見ていて生まれたなんて、何ともドラマチックですね。ちなみに、このままのスピードで大陸の移動が続くと、およそ1億年後には日本はハワイとくっつくそう。……なんともうれしいような、あるいはちょっと怖いような複雑な感じがしますね(笑)。