セーターなどの洋服を脱ぐときや、ドアノブを触った時にバチッ!痛っ!と感じる静電気。家電などの電気製品を触っているわけでもないのに、その衝撃はかなりのものですよね。場合によっては周囲の人に接触したときに起きることもあり、そんなときはなんとなく気まずい思いになったりします。
大気が乾燥している冬の時季に静電気は起きるもの……と理解している人が多いのですが、実は静電気に頻繁に見舞われる人は、カラダが悲鳴をあげているサインかも。そこで今回は静電気防御法とあわせて、静電気体質の人が気をつけたいポイントについてご紹介します。
静電気によく見舞われる人が、簡単に静電気を逃がせる方法
まず、静電気が起きる理由を考えてみましょう。
すべての物体(人体も)はプラスかマイナスのどちらかの電荷を帯びていて、電荷が動いている状態を「電流」といい、電荷が停止状態になることで起きる現象を「静電気」といいます。
電気仕掛けといってもいいほどの私たちの人体は、脳の指令に基づいて発生する微弱な電気によって筋肉は動いています。つまり、体内の電気が優れた伝導体といえるドアノブ(金属)に触れたときや、導電性が高い綿のセーター同士に摩擦が生じたとき、体内にたまった電子が一気に体外に放出されることで静電気が発生します。特にドアノブなどの伝導体からマイナス電子を引き寄せてしまう場合は、体内のイオンバランスがくずれているケースが多いとも言われています。
静電気は予兆なく起きますが、同じ場所で何度も静電気を経験している……という場合は、導電性が高いものに触れる前に●木、●コンクリート、●土、●レンガ、●革製品などに一度触れておくと、静電気をあらかじめ防御することができます。例えば、車のドアを開ける際にいつも静電気が生じている人の場合、駐車場近くの壁や木などを触ってから、ドアに触れるようにすると静電気はかなり軽減されるでしょう。
静電気をためやすい人って、どんな人?
「私は静電気体質なんです!」っていう方、皆さんの周囲にいませんか?
「静電気体質」と呼ばれる条件は……、
■栄養状態や体調がよくない
■病気を患っている
■ストレス過多の状態が続いている
■肌、髪などの乾燥状態が続いている。ケアしていない
■帯電しやすい組み合わせの衣類を身にまとっている
■ゴム製など、底の厚いの靴を履いている ……など。
心と体が不健康であると人体からマイナス電子がうばわれ、プラスの活性酸素が増えることになります。これは「老化」とも呼ばれる現象ですが、冬の空気の乾燥があわさってプラスの活性酸素が増えると、静電気体質になってしまうことにも。
要は「私は静電気体質なんです!」という人ほど、心身状態を見つめ直したほうがよいかもしれないのです。
静電気体質の人が取り組みたい日常の注意ポイント
日常の中で、頻繁に静電気のバチッ!痛っ!を体験する人は、次の点に気をつけてみましょう。
◯肌や髪の保湿に気をつけている?
ハンドクリーム、保湿クリーム、ヘアオイルなどで、肌や髪の乾燥を防ぎましょう。
◯洋服の組み合わせに気をつけている?
プラスとマイナスの性質の素材を組み合わせると、静電気をためやすくするようです。例えば、
×ウールのセーターの上に、フリースの上着を着る
×ポリエステルのスカートに、ナイロンのストッキング
このような組み合わせは静電気が起きやすいので、帯電しにくい木綿素材を取り入れると◯。
◯水分摂取量が足りている?
肌・髪といった表面的な乾燥は手や目で確認できますが、体内の乾燥は意外と見落としがち。特にこの時季は男女・年齢にかかわらず、電解質を含んだ飲料や水を、ノドが乾く前に少量ずつ摂取するよう心がけましょう。
○靴底に気を配っている?
ゴム底より、革靴のほうが帯電しにくいと言われているため、静電気体質の人ほど靴底はゴム以外のものが◎。
○ストレスを溜めすぎていない?
体が疲れていると、体内のイオンバランスが崩れやすくなるため、疲労を感じたら翌日にその疲労を持ちこさず、湯船にゆっくりつかる、しっかり睡眠をとるなどして疲労回復に努めましょう。
◯静電気体質の人が罹りやすい疾患に意識を向けている?
慢性的な冷え、ドライアイ、肌疾患、アレルギー、重い肩こり、偏頭痛……
これらの疾患は、不健康な日常が常態化することで起きやすくなるため、こうした疾患に悩まされている人ほど、健康的な生活を心がけるようにしたいもの。また、体内の酸化(老化)状態を放置していると、冬の時季の静電気だけでなく、成人疾患などの大病につながる恐れもあるので、規則的な睡眠、きちんとした食生活、スマホやPCなどに長時間接しない、入浴、適度な運動で疲れを解消する……といったことに目を向けてみましょう。
── 周囲の人はさほど静電気を気にしていないのに、自分がドアノブに触れるとかなりの頻度で静電気が発生する……。そうした人は、体内のイオンバランスが崩れている……、プラスの活性酸素が増えている……といった様々な要因が蓄積し、カラダが危険サインを発しているのかもしれません。
心とカラダの両面から寒い時季を健やかに過ごせるよう、不健康な要因をいち早く排除してあげてくださいね。