今年もいつの間にか残すところわずかとなり、本日から一年最後の月、12月となりました。旧暦名では「師走」。歳月不待人(さいげつひとをまたず)と言うように、いやおうもなく時は過ぎ去り、次第に気ぜわしくなってきたこの頃。今年一年を振り返り、新しく来たる年を笑顔で迎えられるよう、体調管理に気をつけ、計画的に過ごしたい師走です。
師が走るのか、師が馳せるのか、「師走」の意味合い
街にイルミネーション瞬く12月となりました。旧暦12月の異称は「師走(しはす)」。師が走ると記す由来はいろいろあると聞きますが、一つは、一年の終わりで何かと慌ただしく、師匠たちも小走りに趨走(すうそう)する「師趨(しすう)」から師走となったという説。または、12月は法師を迎え読経してもらう習慣から、師が馳せ走る=「師馳(しはせ)月」となり、「しはす」に略されたとも。ほかにも「としはつるつき」とか、四季の果てる月「四極(しはつ)月」からという説もあるようです。
そんな慌ただしい様を表した師走に比して、極月、臘月、氷月、春待月などといった12月の異称も。これらにはよりいっそう、冬が深まる季節の風情が感じられます。
また、二十四節気では12月7日に大雪、22日に冬至となります。冬至までに昼間の時間はどんどん短くなり、あっという間に日が暮れてしまうのも、師走の気ぜわしさに拍車をかける気がします。
クリスマスの到来を待ち望むアドベント期間にいただく「シュトーレン」
師走は一年の総決算をする期間でもあり、クリスマス、お正月といった大きなイベントまでの準備期間でもあります。
12月25日のクリスマスまでの4週間をアドベント(待降節)と呼び、イエス・キリストの誕生日を待ち望む期間。12月1日から24日までの日付が入ったポケットや扉(中にはお菓子が入っていることも)が付いたアドベントカレンダーも、日本でもずいぶん普及してきましたね。
毎日順番に開けてゆき、24日まで全部開け終わると、翌日はクリスマス。待望のクリスマスプレゼントが贈られる日までのカウントダウンを、子供たちと楽しむご家庭も多いことと思います。
そんなアドベント期間にいただくお菓子が「シュトーレン」。
熟成していくほどに美味しくなる焼き菓子を、毎日薄くカットして食すのも楽しいもの。端から切ってもいいのですが、真ん中から切るとより保存にいいのだとか。両端を合わせておくだけで、いちいちラップを切り口にかける必要もないですね。
スパイスが効いた紅茶やグリューワインと一緒にシュトーレンをいただく…。あっという間に去る師走の日々、しばしほっとできる時間をもつのも素敵な習慣です。
事納め、煤払い、大掃除、おせちの準備も計画的に
新しい年を迎えるための準備や大掃除など、やるべきことや行事が目白押しの師走。アドベントもいいけれど、おせちの準備をするカレンダーを自分で作って、計画的に完成させていくのも賢い過ごし方です。
例えば師走のはじめの余裕があるうちに、冷凍ができて日持ちがする黒豆、栗きんとんなどから準備をはじめるのもいいでしょう。お正月の御馳走、マグロや海老、いくら、蒲鉾なども早めに注文しておくと、ぎりぎりになって慌てずにすむはず。20日過ぎたら田作りや紅白なます、30日や31日には煮しめや昆布巻きと、各ご家庭でいただくおせち料理を日々ストックしていけば、お正月はお雑煮だけ作って、後はゆっくりと過ごせますね。
一陽来復。冬至の日は、柚子湯につかって一年の骨休めも
寒さも厳しくなるなか一年で最も忙しい師走は、体調管理にもことさら気をつけたい時節。冬至のころには、ぜひ南瓜や小豆を食べ、柚子湯に入ってエネルギーチャージをしたいものです。
冬至を過ぎれば一陽来復。次第に昼も長くなり、日々太陽が力を取り戻し、私たちの心持ちも明るくなるような気がします。
泣いても笑っても、今日から師走。2017年も終わりに近づいてきました。残りの日々を大切に過ごし、どうぞ良き一年の締めくくりを。新たな年の始まりは、もうすぐそこまで来てきます。