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新しい趣味に「展覧会巡り」はいかがですか?展覧会の歴史と、覚えておきたい展覧会のマナー


新生活が始まり、なにか新しい趣味を見つけたいと考えている人も多いのではないでしょうか。スポーツ?読書?映画鑑賞?なにか新しいこと始める前はとてもワクワクしますよね。しかし一方で、「いろんなことに目移りして、なにを始めたらいいかわからない!」と思う人も多いと思います。

そんなみなさんにおススメしたいのが、「展覧会巡り」です。実は1667年の今日は、展覧会の起源の一つと言われている作品展示会が行なわれた日なのだそうです。

今回は、展覧会の歴史とマナーについてご紹介します。


美術作品は礼拝の対象?コレクションの対象?展覧会の起源って?

作品を一つの場所に集めて公開・展示する展覧会は、作品が持ち運びできるからこそ可能になります。教会などの建造物に直接描きこまれるモザイク画やフレスコ画が主流だった時代には、展覧会という制度は成立していませんでした。

そのような時代を経てルネサンス期には油絵が登場し、作品が持ち運び可能となります。しかし油絵が登場した当初、美術作品は公開・展示の対象ではなく、お金持ちのコレクションの対象として制作されていました。展覧会という制度が成立するのは、まだまだ先のお話です…。

17世紀に入り、『オランダ絵画の黄金時代』がやってきます。『絵画の黄金時代』は、オランダの独立を機会に特権階級がいなくなり、一般市民が裕福になったことから始まりました。たくさんの市民が絵画を家に飾り、その需要に応えるようにして多くの作品が制作されるようになったのです。この時代に制作された作品は、街頭で定期的に開かれる展示会で販売されていました。この街頭展示こそが、展覧会の起源であるという見方がされています。

もう一つ、展覧会の起源と言われているものがあります。それは、1667年にパリのパレ・ロワイヤルで行われた作品展示です。これは、フランスの王立絵画彫刻アカデミーが主催となって開催されました。以降ルーヴル宮のサロン・カレに場所を移して展覧会が行われるようになり、多くの画家たちがサロンで作品を発表しようと創作活動に熱を入れるようになったのです。

今となっては美術館だけではなく様々な場所で行われる展覧会ですが、展覧会という制度が成り立つまでにはこんな経緯があったのですね。

パリの「パレ・ロワイヤル」

パリの「パレ・ロワイヤル」


これだけは覚えておきたい!展覧会でのマナー

「いざ、展覧会!」と行動に移す前に、ちょっと待ってください。展覧会で作品を鑑賞する上でのマナーを確認しておきましょう。展覧会は、自分一人だけではなくたくさんの人が作品を楽しむ場所です。マナーを守って、楽しく、気持ちよく作品鑑賞をしましょう。

1:作品に近寄りすぎてはいませんか?

作品はとてもデリケートです。うっかり触れてしまったりなどすると、触れてしまった部分がカビたり変色してしまいます。素晴らしい作品をこの先の未来に残しておくために、作品は適度な距離を保って触れないようにして鑑賞しましょう。

2:大きな声を出してしまっていませんか?

一緒に展覧会に行ったみんなで作品の感想を言い合うのも、展覧会の楽しみの一つですよね。しかし、展覧会にはたくさんの人が足を運んできています。他のお客さんの鑑賞の妨げにならないように、声のボリュームには気をつけましょう。

3:その作品、写真撮影OKの作品ですか?

なにかお気に入りの作品を見つけて、「写真におさめたい!」と思ったことはありませんか?しかしカメラのストロボが作品に与える影響や著作権の問題から、写真撮影を禁止している展覧会があります。写真撮影をする際は、注意書きをよく読んだり、係員さんにしっかりと確認をとるようにしましょう。

4:メモをとる時は鉛筆で!

意外と知られていないのが、美術館内で使える筆記具についてです。ボールペンやマジックなどはインクが作品を汚す可能性があるため、基本的に美術館内の展覧会では使えません。最近は多くの美術館が鉛筆の貸し出しをしているので、「鉛筆を忘れた!」という時は、受付に声を掛けてみてはいかがでしょうか。

今回は、展覧会の歴史とマナーについてご紹介しました。春の陽気が気持ちいいこの季節、散歩がてら展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。きっとお気に入りの作品が見つかると思いますよ。



<参考・参照サイト>

artscape, 美術の基礎問題 連載第14回, 2.展覧会について

富山県立近代美術館, 美術館利用のコツとマナー

川崎市岡本太郎美術館, 美術館の鑑賞マナー

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