朝晩は冷え込みますが、4月の声を聞き、冬のような厳しさを感じなくなりました。いよいよ春ですね。
新生活をスタートさせた方も多いこの時期、新学期にぴったりの話題をお届けします。それは、小学校に入学する年齢(学齢)についてです。
「4月1日生まれは一つ上の学年」と言う人もいれば、「同じ学年」または「どちらか選べる」などと言う人も……。学齢については案外知られていないようですし、誤った解釈をしている人も多いようなので、今回は今はあまり使わなくなった「早生まれ」という言葉とあわせて解説しましょう。
早生まれと遅生まれ
広辞苑によると、【「早生まれは、その年の1月1日から4月1日までの間に生まれること」。またその人をさします。これに対して遅生まれという言葉もあり、「その年の4月2日から12月末までの間に生まれること。またその人。】となっています。
なぜ、4月1日と4月2日で区切るのでしょうか? その疑問をひも解いてみたいと思います。
学齢と年齢
1月1日〜4月1日生まれの人が「早生まれ」となる理由には、法律で定められた年齢と学齢について理解することが、まず必要となってきます。
学齢は、「保護者は、子が満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う」と、【学校教育法】に定められています。
では、「満6歳に達した日」というのは、いつの時点をいうのでしょう。
年齢の数え方は【民法】に定められています。そこに規定されていることを簡単に説明すると、誕生日前日の午後12時(深夜12時)が満了時=6歳に到達したとみなします。
今年入学するお子さんで考えてみると……
では早速、今年4月1日に入学したお子さんで考えてみましょう。昨日から新1年生になった場合は、2017(平成29)年4月1日の時点で、満6歳に達していることが条件となります。
同じように、生まれた日によって、どの時点で入学式を迎えるかを見ていくと……。
<例1>3月31日生まれの子の場合
2010(平成22)年3月31日生まれの子
満6歳に到達する日 ➡ 2016(平成28)年3月30日
入学日 ➡ 満6歳に到達した翌日[2016(平成28)年3月31日]以後における最初の学年の初めから、→2016(平成28)年4月1日
<例2>4月1日生まれの子の場合
2010年(平成22)年4月1日生まれの子
満6歳に到達する日 ➡ 2016(平成28)年3月31日
入学日 ➡ 満6歳に到達した翌日[2016(平成28)年4月1日]以後における最初の学年の初めから、→2016(平成28)年4月1日
<例3>4月2日生まれの子の場合
2010(平成22)年4月2日生まれの子
満6歳に到達する日 ➡ 2016(平成28)年4月1日
入学日 ➡ 満6歳に到達した翌日[2016(平成28)年4月2日]以後における最初の学年の初めから、→2017(平成29)年4月1日
<例4>同じく、2011年4月1日生まれの子の場合
2011(平成23)年4月1日生まれの子
満6歳に到達する日 ➡ 2017(平成29)年3月31日
入学日 ➡ 満6歳に到達した翌日[2016(平成28)年4月1日]以後における最初の学年の初めから、→2017(平成29)年4月1日
よって、今年小学校に入学するお子さんは、2010(平成22)年4月2日〜2011(平成23)年4月1日生まれとなります。
こうして見ると、1月〜4月1日までに生まれた子どもは、4月2日以降に生まれた子どもより1年“早く”入学していることがわかりますね。
同じ学年で誕生日が遅い子が、「早生まれ」と呼ばれてしまい混乱するのはこのためです。
── なにはさておき、ご入学・ご就職、新生活を迎える皆さん、おめでとうございます。