きょう、3月14日は「円周率の日」。
円周率=3.14にちなみ、1997年に財団法人日本数学検定協会が円周率の日と定めました。アメリカでも、2009年に下院議員で「全米円周率の日」の決議がされるなど、この日は世界的にも「数学の記念日」となっています。
世間はホワイトデーで賑わっていますが、その話はひとまず置いて(笑)、この記念日に、円周率について考えてみませんか。
無限に続く数字に愛を重ね、プロポーズも
普段の暮らしのなかで、円周率に触れることもほとんどないと思うので、ここでおさらいをしてみましょう。
円周率とは、円周の直径に対する比のこと。
円周率を使う公式は
●円周の長さ=直径×円周率
●円の面積=半径×半径×円周率 があります。
なんだか懐かしい気持ちになりますね。
円周率は、無限に続く数字なので、近似値3.14やπで表現され、小学校高学年ではじめて習うようになります。
現在分かっている3.14の続きは、小数点以下22兆4591億5771万8361桁!
3.14159265358979323846・・・・と終わることなく続く、この円周率の「宇宙」に、魅了されてしまう数学ファンも多いとか。
また、数学ファンならずとも〈円〉のループに永遠の愛を重ね、円周率の日に、プロポーズや入籍をするカップルもいるそうです。
10万桁暗記のコツは!?
円周率の果てしない宇宙に触れるのは、なかなか難しいですが、小数点以下10桁くらいなら暗記しているぞ、という方も多いかもしれません。語呂合わせで数字や年号を覚えるのは、社会や理科でも経験ありますよね。
同様に円周率にも、語呂合わせがあり、
妻子(3.14)異国に(1592)婿さん(653)怖くなく(58979)
産医師(3.14)異国に(1592)向こう(65)産後(35)忌無く(8979)
などという覚え方があります。
しかし、世の中にはダントツの記録を持つ方がいて、日本には、円周率を10万桁!も暗記した方がいるのです。
その方は、千葉県在住の原口證(はらぐちあきら)さん。
最初の挑戦は2004年58歳のときで、5万4000桁の暗唱を記録。さらに、同じ年に6万8000桁を暗唱し、翌年は8万3431桁、さらに2009年、10万桁の暗唱の偉業達成と、わずか数年で世界記録を4回も更新しているのです。
こう書くと超人か、または猛勉強、猛暗記する人のイメージがありますが、その著書『ぶっちぎり世界記録保持者の記憶術』を読むと、とても心穏やかに、そして楽しく円周率の紡ぐ物語に浸っていらっしゃることが分かります。
原口さんは独自の語呂合わせを考案しており、3.14・・・は「さあ、安心得んと国許去った」からスタートします。ここから始まるのは、北海道松前藩の武士の旅立ち。そして、10万桁へ続く壮大なストーリーが展開されていくのです。
また、偉業達成のコツとして、目標を定めず(「望み」にとどめておく)、がんばらずに、好きなときに好きなだけやるのがよいと書かれています。
人生訓に通じるものを感じますね。
みなさんもぜひ、きょうの記念日に円周率について思いを馳せてみてはいかが。
●参考/『円周率10万桁への挑戦 ぶっちぎり世界記録保持者の記憶術』原口證 著(日刊工業新聞社)