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厳しい寒さに冷たい氷が張りつめて…七十二候「水沢腹堅」


強い寒気と冬型の気圧配置のため雪となった地域も多く、寒さも絶頂を極める寒中らしい天候となりました。本日より七十二候では、「水沢腹堅(さわみず こおりつめる)」。凍てついた厳冬の寒さが頂点となり、最低気温が全国各地で観測されるころ。厳しい季節ならではの日本の冬の情景、風物詩を綴ります。


一年で最も寒い「大寒」の第2候「水沢腹堅」。全国で氷の情景が見られます

1月25日から29日までの期間は、七十二候でいうところの「水沢腹堅」です。明治時代の略本歴では「さわみず こおりつめる」と読ませていますが、江戸の貞享歴では「すいたくあつくかたし」と読みます。「水沢(すいたく)」とは、水のある沢のこと。「腹(あつ)く」とは厚くという意味で、流れる沢までも氷が厚く堅く張りつめるほど寒い時候といった意味合いになります。実際このころに最低気温のニュースが頻繁に聞かれ、各地の気温が水が凍る温度「氷点下」となり、全国的に極寒のピークを迎えます。

今年も北海道のオホーツク岸では流氷が観測され始め、氷点下の地上では「霜」や「霧氷」、「樹氷」など氷の風景が現れています。

北海道支笏湖では、湖の水を吹き付け凍らせた氷のオブジェがファンタジックな「氷濤まつり」を1月27日~2月19日まで開催。昼間は支笏湖ブルーといわれる透明な青の氷景が広がり、夜は一転、色彩華麗なライトアップで彩られた幻想的な世界観が、訪れた人々を魅了しています。


氷の神社といえば…奈良にある「氷室神社」

さて、氷といえば、真夏においしい“かき氷”も思い起こします。最近は氷スイーツを通年楽しむ方も多いようですが、日光や秩父などでは、昔ながらの天然氷の切り出しがこの時期に行われているようです。

氷の神を祀り、氷に関連するなりわいを持つ人々に古より厚く信仰されてきたのが、奈良にある「氷室神社」。

氷室とは、春になって溶けてしまう氷や雪を貯蔵する施設のこと。我が国でも奈良時代から、平城氷室または春日の氷室とも言われた氷室があったとか。そこに納められた氷は当時は大変な貴重品で、夏の間、貯蔵していた氷を平城京に毎年献上していたのだそうです。

そんな由緒を物語る「氷室神社」では、5月1日の献氷祭のほか、月に1~2回、幻想的な「氷献灯」が行われています(日程はホームページ参照)。日没後、氷の行灯に灯された炎が揺らめく光景はここならでは。氷と炎が織りなす幻想的な眺めに包まれた境内を進めば、古へ溯るような気分になるかもしれません。


1月25日は初天神。東京・亀戸天神社では鷽替神事も

また、本日1月25日は菅原道真公の命日25日にちなむ「初天神」。九州の太宰府天満宮ではじまったという「鷽替(うそかえ)神事」が、東京「亀戸天神社」で毎年1月24・25日に行われています。※太宰府天満宮では1月7日、大阪の道明寺天満宮でも25日開催

鷽替とは、前年の災厄や凶事を、鳥の「鷽(うそ)」のお守りに託し「嘘」に替えるというもの。前年いただいてお供えしていた鷽を納め、新しい年の鷽に取り替えることで、開運や幸運を願うのだそうです。「鷽」という字が「學」という字に似ていることからも、学問の神様である天神様とご縁が深いようですね。

檜を用い、神職の方が一体一体手作りするという、亀戸天神社の鷽のお守りは、どこか愛らしく素朴な姿。江戸時代から続く神事に、毎年大勢の人が集まり賑わいます。

境内には天神様ゆかりの梅もちらほらと咲き、一足早く春の気配を感じられることでしょう。アンラッキーもウソに替え、吉にトリ替えるこの鷽替神事。冷たい北風の中でもほっと笑顔がこぼれるような、毎年の恒例行事に加えてみたいような、しあわせを運ぶ真冬の風物詩です。

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