
台風9号は1日(金)夜から2日(土)昼ごろにかけて、暴風域を伴って関東の東を北上する予想です。2日(土)昼ごろまで風の強まる山岳があるでしょう。関東や東北南部の山では北寄りの風に注意してください。また台風9号が湿った空気を持ち込むため、台風が離れた後も影響が残ります。今週は午後もほとんど対流雲が発生しない理想的な登山日和が続いていましたが、今週末は天気の傾向が変わって、東日本と北日本の山岳では午後に雨雲や雷雲が発生しやすくなる見通しです。
●衛星画像 台風9号は太平洋高気圧の北縁を進む 次の台風も後を追う予想
まずは雲の様子を見てみましょう。
本州付近は高気圧に覆われて晴れているところが多くなっていますが、台風9号の雲が関東地方にかかり始めています。一方、日本の南には熱帯低気圧があって、今後12時間以内に台風に変わる見通しです。台風9号は太平洋高気圧の北の縁に沿って進む予想で、熱帯低気圧から変わる次の台風も台風9号の後を追うようなコースを進むと予想されています。
では、台風進路図を見てみましょう。
台風9号は2日(土)昼ごろにかけて暴風域を伴って房総半島沖を北上する予想です。関東や東北南部は台風の強風域に入る可能性があります。標高の高い山では低地に比べて地面との摩擦が少なく台風の風が強まりやすい傾向があるため、関東や東北南部の山岳ではあす昼ごろにかけて強風に十分な注意が必要です。台風9号は2日(土)昼以降は進路を東にとって日本から離れていくでしょう。
一方、熱帯低気圧から変わる台風は3日(日)に伊豆諸島に達しますが、その後は台風9号と似たようなコースをとって本州から離れていく予想で、本州への大きな影響はなさそうです。
●予想天気図 台風9号が去ったあとは大気の状態が不安定に
予想天気図を詳しく見てみましょう。
2日(土)は昼ごろにかけて台風9号が千葉県沖から茨城県沖を進むため、関東や東北南部の標高の高い山岳を中心に風の強いところがある予想です。北寄りの風に十分注意してください。富士山でもご来光の時間帯などでは時々風が強まる可能性があります。また、台風9号が湿った空気を持ち込むため、東北から東海にかけて気温の上がる午後は大気の状態が不安定になる予想です。台風一過で晴れても安心せず、午後は激しい雨や雷雨に注意してください。北海道には、上空の気圧の谷が近づくため雲が広がって雨の降るところがあるでしょう。西日本は、高気圧に覆われて安定して晴れる見込みです。
3日(日)は高気圧に覆われて晴れるところが多いでしょう。引き続きかなり気温が高くなって、伊吹山や九重山など、山頂付近でも25℃以上となる予想の山岳があります。山麓や林の中は30℃を超える可能性があるため、熱中症に注意してください。また、台風9号が運んできた湿った空気がまだ本州付近に残るため、北日本や東日本では気温の上がる午後は雨雲が発生しやすくなる予想です。天気の急変に注意してください。西日本にも南西から湿った空気が流れ込み、午後は雨雲が発生するところがあるでしょう。