
今回の寒波は、強弱を付けながらも、三連休最終日の24日頃まで続く見込みです。地上付近の寒気レベルは立春寒波の時よりも強い時間が長い予想で、平地でも新たな積雪は解けにくく路面は乾きにくいでしょう。消雪パイプの無い道路を中心に路面状況の悪い状態が続く見込みです。水道の凍結やヒートショックにも十分注意してお過ごし下さい。風向は山雪となる北西の時間が長い見込みですが、風速はかなり弱まる時間帯もあり、平地でも局地的な短時間強雪に十分警戒が必要です。
●19日夜遅くにかけて警報級大雪 24日頃にかけてさらに積雪増
今夜から明日(19日)にかけても、日本付近は強い冬型の気圧配置が続く見込みです。北陸上空5500メートル付近には氷点下36度以下、上空3000メートル付近には氷点下21度以下、上空1500メートル付近には氷点下12度以下の強い寒気が南下するでしょう。立春寒波の時と同様に、北陸の平地でも大雪の目安となる強い寒気が各層で揃う見込みです。
北陸4県の広い範囲で19日夜遅くにかけて警報級の大雪となる可能性があり、山地や山沿いを中心に積雪が急増する所があるでしょう。大雪や路面の凍結による交通障害に注意・警戒してください。ふぶきによる視程障害、電線や樹木への着雪、なだれ、倒木に起因する停電の発生にも注意して下さい。また、令和6年能登半島地震で損傷を受けた家屋では、積雪の重みにより倒壊するおそれが急激に高まる所も出る可能性があり特に注意が必要です。
●屋外より自宅内の方が危険? 改めてヒートショックにも十分注意
ヒートショックは、気温の急激な変化が原因で血圧が大きく変動することにより、健康被害になることです。軽度であれば目まい程度の症状となりますが、重度となれば脳卒中や心筋梗塞など、命の危険に直結してしまう場合があります。
65歳以上の「交通事故死亡者数」と「ヒートショックによる死亡者数」を比較すると、ヒートショックと見られる死亡者数は交通事故死亡者数を上回っており、不要不急の外出を控えることが求められる中、屋外より自宅内の方が危険ともとれる状況にもなっているのです。
今冬は、寒暖差が非常に大きく、この先も寒波の影響で1週間程度凍える寒さが続く予想となっています。「屋内と屋外」「屋内でも居間とその他の部屋」とでは気温差が大変大きくなります。入浴時においても、脱衣所や浴室とお湯の温度差は大きくなり、ヒートショックのリスクが高まるでしょう。少しでも寒暖差を小さくする工夫をしながら、厳しい寒波を乗り越えていきましょう。
●18日は二十四節気の「雨水(ウスイ)」だが 季節の歩みはスローペース
2月18日は二十四節気の「雨水」。空から降るものが雪から次第に雨に変わる頃とされ、2025年は、同じく二十四節気の「啓蟄」の前日にあたる3月4日までが「雨水」の期間とされています。
図は、金沢の雨と雪の天気出現率で、雪を緑色、雨を青色としてプロットしたものです。(統計期間1991~2020年)これによると、例年の「雨水」の頃は、雪が降りやすいピークは過ぎつつありますが、それでも、天気出現率は雨が25%程度となっているのに対し、雪が50%程度と雪の方がまだ優勢となっています。
今シーズンの北陸地方では、全国に先駆けて既に2月3日に春一番を観測しましたが、先日の立春大寒波に続き、2月17日頃からは再び今季最長の寒波となっています。三連休明けの25日以降は、寒気は徐々に弱まる予想ですが、この先三寒四温を繰り返しながら、春に向かいつつも、北陸に本格的な春が訪れるのはまだしばらく先となりそうです。
●スギ花粉 飛散開始は目前 早めの対策を
日本気象協会発表の「2025年 春の花粉飛散予測(第3報)」によると、北陸地方ではまもなくスギ花粉のシーズン到来となるでしょう。2025年春に北陸地方で予想される花粉の飛散量は、例年(過去10年の平均)と比べるとやや多く、前シーズン(2024年)と比べると多い傾向です。
「花粉の飛散開始日」は、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉が2日連続して観測された最初の日と定義付けられています。
シーズン始めの花粉飛散量は、今回のような寒波の影響により少なくなったり、天気にも左右されて、観測される量は日ごとに大きなバラつきもあり不安定となります。このため、現実には、飛散開始と認められる日の前からわずかな量が飛び始めていることもあるのです。花粉症は症状がひどくなる前に対策をとることが大切です。症状があらわれた場合には、早めに専門医に相談するようにしてください。