北陸地方では市街地でも紅葉の色づきがかなり進んでいる所があり、冬の足音は徐々に近づいています。最新の1か月予報では、平野部で積雪が見込まれるのは12月上旬以降となりそうですが、通勤通学や営業等で使用する車については、ドライバーが自ら走行する時間帯や場所を選ぶことは出来ません。初冬にかけては、天気予報で雪マークが無くても、霰が降って路面がうっすら白くなることもあり、冬用タイヤへの交換は、早めに行いましょう。その他この記事では、自動車関連の冬の必須アイテムや運転上の諸注意についてもまとめました。
●冬用タイヤ 寿命を把握して雪道や凍結路面に有効なタイヤの装着を
四輪駆動車であっても雪道や凍結路面を夏用タイヤで走行することは大変危険です。雪道や凍結路面は、必ず冬用タイヤで走行する、またはチェーンを装着しましょう。
ここでの注意点は、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤにも寿命があるということです。概ね3~4年と言われていますが、シーズン毎の履き替え時などにタイヤローテーションをしたり、暖候期の保管状況を良くすることで多少の延命は可能となってきます。それでも5~6年経過すれば、残溝は減り、ゴムが劣化して硬くなり、本来求められる機能が十分発揮出来なってしまうのです。寿命を過ぎた言わば「名ばかりの冬用タイヤ」で雪道や凍結路面を走行するのは大変危険です。絶対お止め下さい。
●車輪の脱落事故 タイヤ交換直後の12月が最多 死亡事故も
グラフは、大型車のホイールやボルトの折損などによる車輪脱落事故件数を示したものです。直近の令和5年度は142件発生しており、同年12月には、八戸市において大型車から脱落した車輪が道路保全作業員に衝突し死亡事故も発生しているようです。また、私自身も、身近な通勤道路上で普通車の車輪脱落事故を目撃しており、他人事ではありません。
こうした事故は、冬期(11月~3月)に集中し、冬用タイヤ交換後1ヶ月以内の12月に多く発生する傾向にあるようです。
特に、タイヤ交換をこれからご自分でなさる方は、トルクレンチ等を使用して適正レベルでナットやボルトを締めましょう。締め過ぎにも緩過ぎにも注意して、規定トルクで締め付けをして下さい。タイヤ交換後の増し締めも確実に行いましょう。その後は、適正空気圧に調整することもお忘れなく。タイヤの脱落は即重大事故につながってしまいます。絶対ミスは許されませんので、不安を感じる方は専門店で行うようにしましょう。
●雪用ワイパー(ブレード) フロントガラスの視界の安全確保に
ワイパー(ブレード)を冬用に交換することもおすすめです。特にブレードが列車のパンタグラフのように骨組構造が外側から見えるタイプのものは交換をおすすめします。気温が氷点下の降雪時に、骨組みの隙間の水分が凍り付いて、フロトガラスの滑らかな曲面のRに沿って汚れを拭き取ることが出来なくなることがあり、正面の視界が極度に悪くなってしまうことがあるからです。最低限、運転席側だけでも、雪用ワイパー(ブレード)へ交換することをご検討下さい。
●その他の必須アイテム 凍結しにくい濃度の高いウォッシャー液なども
イラストにあるものは、全て冬の北陸路の安全運転に欠かせない必須アイテムと言えます。その他、低温下でも凍結しにくい濃度の高いウォッシャー液、スノーブラシ、解氷材、防水タイプの保温手袋なども忘れずに装備しましょう。
また、冬期は燃料はこまめに満タンにすることもお忘れなく。冬期は車の燃料消費量が多くなります。万一、意図せず車両の立往生に巻き込まれたりすると、燃料の残が少ないことは即命取りになりかねません。
最後に、エンジン始動(システム起動)用のバッテリーの件、こちらは寒さに弱いので、劣化していないかもしっかり確認しておきましょう。これこそが大元の最も重要なチェックポイントかも知れません。
●チェーン装着 慣れていない人は事前に装着練習を
雪道や凍結路面を走行する際、夏用タイヤ車の場合には必ずチェーンの装着が求められます。また、チェーンの装着は天気の都合で直ちに行う必要性が生じる場合もあります。この時、往々にして天気は荒れて、屋根はなく足元が悪いケースがほとんどです。周囲は勿論、手元も暗いケースもあります。
「1時間近く格闘して結局風邪をひいただけだった」なんてことにはならないように、慣れていない人は、短時間で正しく装着出来るように事前に練習しておくことをおすすめします。